第19話 真実に目を向けて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
建物の入り口まで来ると、杉浦が壁にもたれ掛かったまま俯いていた。
『杉浦くんっ、良かった・・・』
名前は杉浦に駆け寄り安堵のため息を漏らす。
杉「さっき検事さんたちに解放されてね。
・・・失敗しちゃったね」
俯いてそう言う杉浦。「失敗」とは八神との作戦のことなのかそれとも・・・
八「杉浦、名前ちゃん。
海藤さんと東に連絡がついた。
黒岩にボコられたらしい。とりあえず一度シャルルに戻ろう」
ーーー
八神たち3人は足取り重くシャルルに入っていく。
シャルルには物が散乱しており、海藤は椅子に座り東はゲーム機に寄りかかり待機していた。
八「思ってたよりずいぶん酷いな、黒岩が来たんだって?」
『今手当てするね』
名前はシャルルに来る途中に買ってきておいた救急セットを出し、海藤と東の治療を進めていく。
治療を受けながら海藤は黒岩1人にやられてしまったこと、八神は秘密ラボでのことをお互い悔しそうに話した。
杉「八神さん」
そこに杉浦が声をかける。自分のことも話してほしいと。
八「それとは別にもうひとつ“お知らせ”がある」
海「杉浦がどうかしたのか?」
八「こいつは・・・杉浦じゃなかったんだ」
八神以外は椅子に座り、杉浦の話を静かに聞く。
杉浦は自分の生い立ち、八神への怒り、疑念、困惑・・・今までの心情を話す。
それに対し、八神も正直に3年前の事件の思いを話していた。
『っ・・・・』
名前は八神、杉浦それぞれの感情を感じ取り心がざわついていた。
無意識に眉間に皺を寄せ息が詰まり、東の止血をしていた手が震える。
それに気づいた東が
東「辛ぇのか?」
と小声で話すと、杉浦も名前の様子に気づいたようで力無く笑い、声をかける。
杉「・・・無理に聞かなくてもいいよ」
『ううん、大丈夫・・・知りたいから、杉浦くんのこと』
杉「ありがとう・・・」
そして真実を知りたいと事件を追った結果、敵は強大で真実をねじ曲げ揉み消すことを知ったと話す杉浦は、冷静な話し方からどんどん感情的な言い方になっていく。
終いには“真実なんて追うだけ無駄だ!!”と感情を爆発させながら八神に叫ぶ。
八神はそんな杉浦に優しく話しかける。
目を背けてはならない真実があると話すと、杉浦は嗚咽を漏らす。
杉「っ・・・っ・・・・!」
杉浦にはまだ葛藤があった。追うだけ無駄と言いつつも真実を知りたいと。だから八神の言葉に揺れ動いた。
八「無駄でもなんでも、やっぱどこまでも真実を追うしかねんだ」
東「でも八方ふさがりだぜ・・・」
海「それがどうした、なんとかするだけだ」
2人の覚悟に、名前はフッと微笑む。
話が落ち着いた頃
~♪~♪
八神のスマホが鳴る。
八「真冬からだ」
真冬がテンダーで森田検事正の話をしたいとのことだった。そして今監視されているということも。
八神はすぐに行くと真冬に伝え電話を切った。
海「聞こえてた、俺も行くぜ」
『私はここにいるね』
海「おう。じゃあ東もここで名前ちゃんと杉浦を見てろ」
八神と海藤はテンダーにいる真冬のもとへ向かう。
19話 終