第11話 訣別
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源田事務所
星「ただいま帰りました」
『おかえり、星野くん。綾部さん何だって?』
星野は、綾部が真犯人にハメられたことを伝えた。
『八神さんは真犯人のこと何か言ってた?今後の方針とか』
星野は八神に言われた通り、羽村のカシラのことを伏せて話をするが
『・・・星野くん。何か隠してるでしょ』
少し目が泳ぎ、いつもよりもソワソワしている星野を見て、名前は不審に思う。
『・・・』
無言で見つめる(睨む)名前に耐えきれなくなった星野は正直に羽村に会いに行くことになったと伝えた。
名前はため息をついてから海藤に連絡する。
海《もしもし、名前ちゃんか?どうした》
『海藤さん、今何してる?綾部さんがモグラにハメられて逮捕されたみたいでさ。八神さんはモグラに近い羽村さんに会うことにしたんだって。
八神さんは多分情報を集めるためにシャルルに行くと思うから、合流するために一緒に行ってくれない?』
海《・・・おう、いいぜ(何か怒ってるか?)》
捲し立てる名前に戸惑う海藤だった。
ーーー
シャルル
一足先に八神がシャルルに行き、東と松金組長の居場所の話をしていると、海藤と名前が入ってくる。
海「組長が事務所にいるわけねぇだろ。安全なところにいるはずだ」
八「海藤さん・・・と、名前?何で・・・」
『私が前に羽村さんにこっぴどくやられたから、気を遣って会わないように誤魔化したんだろうけどさ。
仲間外れの方が辛いんだから』
海「(怒ってた理由はこれか)」
ジトッと見ながら話す名前に、八神はバツの悪そうな顔をする。
『私なら大丈夫。前は本当に油断しただけ。羽村さんとも闘えるよ』
八「・・・わかった」
海「じゃあ東は組長に連絡とってくれ。俺らと会えるか聞いてみてくんねぇか」
東「わかりました」
3人がシャルルのゲーセン側で待たせてもらっていると、すぐに松金に連絡がついたようで東が声をかけてきた。「神室菊野屋」という街のはずれにある料亭にいるという。
ーーー
菊野屋
4人で料亭の廊下を歩いていると、ある一室で東が止まり、中の人物に声をかけた。
東「組長、お見えんなりました」
松「おう」
3人が中に入って座ると松金が話し始める。
松「しばらくだなぁ、ター坊、名前。海藤は、組辞めて以来か」
『うん』
八「親っさん、東から聞いただろうけど、俺らが聞きたいのは・・・」
松「その前に、乾杯くらいしようじゃないか」
八神が本題に入る前に話を遮る松金。
八「ふっ、確かに」
ーーー
乾杯をし酒を飲む5人。
男衆は日本酒、名前はカクテルを飲んでいる。
松金は、八神にお酌しながら
松「・・・なぁ、ター坊。やっぱり羽村からは手ぇ引いてくれねえか」
と話す。羽村あっての松金組だと。
しかし八神は引かずに羽村の居場所を聞く。
八神が引かないと分かると
松「おう!」
松金の声とともに隣の部屋から松金組組員が数人入ってくる。中庭からも数人・・・。
東「組長・・・いつの間に、こんな?」
東も驚いたように松金を見る。
松「ター坊、もう羽村には手ぇ出すな。あいつらに触んのはヤバい。俺を信じろ」
拒否権は無いと言うように先程よりもキツくなる口調。
しかし八神も負けじと松金を睨む。
八「何がどうヤバいんだ?理由を聞かなきゃ引くに引けないだろ」
松金はバックに得体の知れない連中がいると言う。
松「どうしても引かねぇってんなら・・・しばらく“動けねえ身体”になってもらう。それで死なずには済む」
八神は松金が自分のことを思っていってくれていると理解している。松金が引けと言っている理由も察している。
しかし、3年前の事件とのつながりを見つけ、真実を追求したいという八神は止められない。
松「馬鹿野郎・・・」
そう言い松金が立ち上がると海藤、名前も自分の思いを話す。
海「組長・・・組長の命令は俺にとって絶対でした。でも俺は今、八神探偵事務所の人間です」
『私も・・・もう子どもじゃない。自分が進みたい道は自分で決める』
松「ああ。そうだな・・・東!」
急に話を振られ動揺する東に松金はドスを渡し退出する。
松「腹くくれ。てめぇは松金の人間だな?証明しろ」
東は狼狽えた顔で海藤を見る。
海「馬鹿野郎。何て顔してんだ、やるしかねぇんだ。やるしかねぇって時は殺す気でかかって来い。それが男だ!!」
その言葉に東は覚悟しドスの鞘を捨て八神に向かっていく。それを合図に他の組員も向かってくる。
八神は東を、海藤と名前は他の組員を相手にする。
実力の差は歴然で、結局は東が地に伏すことになった。
少しすると松金が戻ってきて座り、残っていた酒をあおる。
松「たいしたもんだな、お前ら。それに比べて腐っちまったよ、俺は」
八神と名前は眉をしかめながら松金を見る。
自分たちに松金がしてくれたことを思い出しているようだった。
松金はモグラは羽村が抱える殺し屋だということを話す。羽村やモグラを追っても、更に奥に影のような連中がいることも。
何をしても八神探偵事務所の決意は変わらない。
海「組長・・・申し訳ありません」
八「親っさん、今まで・・・お世話んなりました」
『お父さん・・・今までありがとう』
3人はそれぞれ別れの言葉を述べ、松金に背中を向けて出ていった。
11話 終