第7話 約束
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ーーー
東「・・・なぁ、あんたら何でわざわざうちに集まってくんだよ?」
やってきたのはシャルル。東はいきなりやってきた4人にイラつきを隠せずにいる。
海「もしかして迷惑だったか?」
東「いや、別にそういう訳じゃ・・・。だいたいあいつ誰です?」
東の視線の先には仮面をいじっているジェスター。
八「名前は?」
杉「杉浦・・・杉浦文也」
ジェスターこと杉浦は顔を上げながら答える。
八「俺と名前ちゃんは前にもこの杉浦君に助けられたんだ」
海藤が杉浦の持っている仮面を見て窃盗団の物と同じだと言うが、杉浦はあそこを抜けたと言っている
八「それよりお前、さっきは何であの場にいた?」
固まる杉浦。
どう話したら良いか迷っていたとのことだった。
梶平グループでシステムエンジニアとして働いていて、たまたま経理のデータが改竄されているのに気付き、それを覗いたのがバレてクビ
クビになっても幹部の裏金が共礼会に流れていることをつかんでいたため、共礼会のアジトのあるKJアートを張っていた
自分をはめた奴らに仕返しをするために。
という言い分であった。
東「なぁ・・・やっぱこの話、俺んとこでする必要あったか?」
杉「・・・どうかな僕ら。仲間とまでは行かなくても、持ちつ持たれつって感じでやるのは」
東「(無視か?)」
杉「八神さんはモグラ・・・僕は共礼会・・・追いかける相手は違っても、結構協力し合えそうだよね?」
杉浦と八神探偵事務所は組むこととなった。
八「そっちに連絡するときはどうすればいい?」
そう聞くと、杉浦はスマホを出し何やら操作をする。すると八神のスマホが鳴り出した。
以前スマホを拝借したときにチェックしていたようだ。
八「なんてヤツだ」
杉浦がシャルルから出ていくと
『・・・八神さん、私ちょっと行ってくる。ほら、前のお礼しなきゃいけないし』
今まで静かだった名前が立ち上がり、杉浦の後を追う。
いつもと違う様子の名前に八神、海藤、東は顔を見合わせ頭に?を浮かべていた。
ーーー
シャルル近くの歩道
杉浦が歩いていると
『ジェ・・・杉浦くん!』
後ろから名前が声をかける。
杉「!・・・名前ちゃん」
『今から、話できる?』
2人は近くのカフェに入ることになった。
席に座り、飲み物を注文する。ほどなくして飲み物が到着すると話を始める。
『えっと・・・さっきも、前にも助けてくれたでしょ?そのお礼を言いたくて。ありがとう、助かった』
杉「どういたしまして。身体は大丈夫そう?って、大丈夫か、あんなに派手にケンカしてたもんね」
名前は杉浦と目を合わせながら話し、杉浦はイタズラっぽく笑いながら返事をする。
『ははは・・・』
杉「ケンカも強いし、運動もできる。何かスポーツとかやってるの?」
杉浦は今までの名前の動きを思い出しながら話す。
『あぁえっと・・・昔、色々あって護身術やってて。で、高校ではパルクール部だったんだ。全国1位になったこともあったかな。
ケンカは・・・まぁ、あの人たちと一緒にいるとこうなるでしょ』
杉「へぇ、凄いね。ケンカが強いのも納得した、うん」
名前が言葉を濁しながら話しているのに杉浦は気づく。しかし、今は追求する時ではないと思いごく普通の返事をしておいた。
『・・・杉浦くん、さ。私が目の表情の話したの、覚えてる?』
少しの沈黙のあと、名前は話を切り出す。
杉「ああ、うん。覚えてるよ。雰囲気と目の表情が違うってヤツでしょ?詳しく聞かせてくれるの?」
何だか腹の探りあいになってきたようだと思いつつも杉浦はポーカーフェイスのまま名前を見る。
『私さ、昔色々あって他人の雰囲気とか感情に敏感なんだ。だからさ、なんとなくだけどわかるの。
杉浦くんの・・・何だか悲しい、けど何かを憎んでる感じの目。昔の私みたいな・・・』
杉「昔の名前ちゃん?」
『あ、ごめん、今のは気にしないで。
でもその飄々とした雰囲気が全部嘘かって言われたらきっと違う。それも本当の杉浦くんだと思う。
だからさ。今すぐ教えて、なんて言わないから・・・言いたくなったら胸の内を明かして欲しいって思ってる』
杉「・・・ふふっ」
真顔で聞いていた杉浦は軽く笑う。
杉「名前ちゃんだって色々はぐらかしてるみたいだけど・・・。いいよ、言うべき時が来たらね。その時は名前ちゃんのことも教えてよ?」
『うん、約束。じゃあ、お互い言いたくなるまでこの話はおしまい。会って間もないけど、私は杉浦くんを信じてるから。』
杉「ありがと。じゃあ僕からも質問良い?」
探り合いの雰囲気から一転、テーブルに片肘をついて手のひらに顎を乗せ、ニコやかに話す杉浦。
杉「名前ちゃんって、彼氏いるの?」
いきなりの質問に驚く名前。
『へ!?・・・い、いないけど』
杉「八神さんとか海藤さんは?東さんとか。」
『ないない!八神さんも海藤さんも恩人だから、そういうのはないよ。東は・・・ないな。子犬みたいだし』
杉「ふーん、そっか・・・(じゃあ望みあり、かな)」
その後も少し話してから2人は解散した。
先ほどよりも清々しい表情で。
7話 終