第6話 赤鼻
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翌朝
スマホが鳴る音で目を覚ます八神と名前。
名前は八神が床で寝ていたことに気付き申し訳なさを感じていた。
電話は綾部からで、
綾「今お前の後ろにいるよ」
という言葉に八神も名前も目を見開いて振り向く。
そこには綾部がいて、封筒をデスクに放っていた。
約束の書類を持ってきてくれたようだ。
八「捜査資料か?」
綾「捜査資料だ?寝ぼけやがって」
綾部は、ヤクザが110番するわけがない、自分の独自調査だと言っていた。
独自の調査資料を見ながら綾部と八神は話をしている。名前はストレッチをしながらそれを聞いていた。
綾「事件当時、事務所に海藤1人と言っていたが、実際にはもう1人松金組の組員がいた・・・・東だよ」
『東が・・・』
強盗は東の存在に気づかなかった。東は海藤を守るためにドスを手にしたが、海藤により制されていた。
結果的にその海藤の判断で2人とも死なずに済んだが、兄貴分を見捨てて1億円を盗まれたとも言え、それがバレたら指詰め物だったという。
『だから、東を守るために・・・海藤さんは東がいたことを誰にも言わなかった』
八「海藤さんらしい。
だがその後は?東が犯人から1億円を回収したって聞いてる。何があったんだ?」
綾「犯人の素顔を見ていた東は、ひとりでそいつを追い始めた。金を取り戻せば、海藤の破門も取り消せるんじゃねぇかってな。」
そして東は犯人を見つけた。神室町の「赤鼻」と呼ばれるホームレスだった。
赤鼻から1億を取り返したが、海藤の破門が取り消されることはなく東が出世しただけだった。
『赤鼻は、どうなったんですか?』
綾「何も聞いてない。ま、俺も別に聞きたかないね」
八「まさか、東が・・・赤鼻を始末した?」
さあな、と言って綾部は足早に事務所を出ていく。
『ホームレスの人に聞き込みしてみる?』
八「そうだね。でも名前ちゃん、体は大丈夫?」
立ち上がり早速聞き込みに出ようとする名前に八神が声をかける。
『まあ痣だらけでちょっと痛むけど、幸いどこも折れてなさそうだし大丈夫。一刻も早く事件を解決させたいし』
八「わかった、でも無理すんなよ。
あ、そうだ。昨日、窃盗団のリーダーのクロウってやつから依頼が来てさ。昨日助けてくれたヤツのこと、話してたよ」
思い出したように八神が昨日の依頼について話をする。
『・・・ジェスターのこと?』
八「名前知ってたんだ。」
『うん、本人に教えてもらった』
八「(ジェスターは名前ちゃんによく接触してる・・・何が目的だ?)そっか。なんか、ジェスターがいなくなったって」
『いなくなった?昨日会ったよね』
八「ああ。もしかしたらその時にはもうリーダーからの連絡を断っていたのかも。
窃盗団って社会悪を断罪するために集まった集団なんだって」
『社会悪を断罪・・・』
だから、義賊とか言われていたわけか・・・と以前集めた情報を思い出す。
リーダーが金に目がくらみ、本当の犯罪、自分たちが社会悪になるような計画を立て始めたため、ジェスターは愛想を尽かし窃盗団を抜けたようだ。
八神曰く、襲いかかってきたクロウを下し、窃盗団を解散する流れに持っていったようだが、実際はまだわからないとのこと。
『行き過ぎた不正への嫌悪・・・か。過去に何かあったのかもね(あの目と関係あるのかな・・・)』
まだ想像に過ぎないが、悪い人ではないことはわかる。また今度あったら色々話してみようと思う名前だった。
ーーー
海藤とも合流し、3人で手分けしてホームレスから赤鼻の情報を聞くことになった。
『ふぅ・・・ここら一帯は聞いたかなぁ』
名前が任された区域にいたホームレスに話を聞くが、収穫は0。
同じく収穫が無かった海藤と会い、八神の所へ向かうことにした。
八神を見つけるとホームレスと争いあっていた。
話を聞いていると、仲間だった赤鼻が殺されて自分たちも情報が欲しかったということだった。
ヤクザから情報を得られるわけがないから、八神からなら何か聞けるかもしれないと思ったようだった。
海「あいにくだったな、そいつは下手なヤクザよりタチが悪りぃんだ。ガキん頃から喧嘩の場数だけは踏んでてよ」
海藤と名前は話している2人に近づいていく。
海「1年前に赤鼻を探し回ってたってヤクザ・・・こいつか?」
そう言って見せたのは東の写真。ホームレスはその男だったと肯定した。
八「1年前、東は強盗犯だった赤鼻から1億を回収して組に戻している・・・。その頃下水道には赤鼻の射殺体があがっていた。となると、犯人は誰だと思う?」
海「俺には、どうしてもあの東が人を殺せたとは思えねぇ」
『うん・・・東に話を聞きに行こう。海藤さんも一緒に』
海藤は渋い顔で黙っている。
八「あんたは、東に何があったか知りたかったんだよな?」
海「ああ・・・わかってる」
海藤は腹をくくったように頷き、東のいるシャルルへ向かう。