第6話 赤鼻
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松金組の組員が張っているかもしれないと想定しつつ慎重に向かう八神。腕の中では名前が眠っている。
事務所に入るまでは特に危なげなかったが、そっとドアを開けると、海藤ともう一人男が立っており、周りには数人の男が倒れていた。
海「ター坊!名前ちゃんがコンビニに行ったきり帰って来なくて・・・って、名前ちゃん!?」
海藤と一緒にいたのは、海藤の弟分だった東徹だった。
海藤は連絡がつかなくなった名前のことを八神に話すと、八神が抱えている人物に気づく。
東「名前?ボロボロじゃねぇか」
八「カシラにやられた。俺を屈服させるために暴行されて人質にされた」
東「てぇことは、俺より先に来たヤツにやられたのか・・・」
話しながら、ケンカでめちゃくちゃになった事務所のソファを動かし、名前を寝かせる。
海藤も東も心配そうな顔で見つめてからお互いに向き直る。
海藤曰く、東は羽村の命令で来たとのことだった。
羽村が相当モグラに触れられたくないとわかると、海藤はにやけながら八神に手を引くのか確認する。
八「うちをコケにしたカシラが怒ってんだよ?ますます手を引く気になれないね。名前ちゃんもこんなにされたし」
海「・・・手下連れて帰れや、東」
東「ええ。今日んところはそうします。やっぱ、あんたに手ぇ出すときは・・・こっちも殺す覚悟でいねぇと」
海「なら、次が楽しみだな」
東は手下を連れて事務所を去っていく。
八「東よ、少し見ないうちに"悪い顔"んなったな?」
東「うるせぇよ」
去り際に声をかける八神を一瞥し、東は扉から出ていく。
一息つく八神に
海「ター坊、東を尾けてきてくれねぇか?」
と頼む海藤。可愛がっていた弟分が今どうしているのかが知りたいということだった。
八神は名前を海藤に任せ、東の後を追った。
事務所に残った海藤。名前のボロボロの身体を治療するために救急箱を持ってきていた。
海藤は名前の傷口に絆創膏や湿布を貼りながら今の松金組の状況を憂いていた。
ーーーー
昔は海藤を兄貴と慕っていた東。それが変わったのは海藤が破門されてからだった。
ピストルを持った強盗に1億円奪われる事件。事務所に残っていた海藤が小指を詰めるケジメをつける代わりに破門にされた。
八神が弁護、名前が羽村と組長の間を取り持とうとするがその甲斐虚しく、破門が覆ることはなかった。
ーーーーー
八神が東の尾行、接触を終えて事務所に帰ってくる。
シャルルというゲーセンにいたこと、今の松金組は羽村を押さえきれておらず、東も羽村の言いなりになるしかないことを話す。
実際話してみて、東はそこまで変わってない気もしたことも。
八神たちは松金組の拳銃強盗事件について調べていくことになった。
その時
『ん・・・』
八「名前ちゃん?」
名前が身じろぎ、目をゆっくり開けた
『八神さん・・・ここは、事務所?』
八「ああ、羽村から逃げた後気絶しちゃったから」
『色々迷惑かけてごめんなさい』
泣きそうな顔で言う名前に八神と海藤は焦る
八「いや、俺らも名前ちゃんは強いから人質にされるなんて想定して動いてなかったからさ。怖い思いさせて悪かった」
『・・・もっと強くならなきゃな』
海「え、そっち?」
『私が寝てる間、何かあった?』
八神は、東が八神探偵事務所を襲撃しに来たこと、東の雰囲気がガラッと変わったことを話す。
『東・・・』
名前は東に妹分のように可愛がられていたため、雰囲気が変わったという話を受け入れられずにいた。
八神はこれからテンダーに松金組の事件について聞きに行くという。海藤は名前と留守番をすることにした。
海「名前ちゃんはもうちょっと寝てな。身体まだ回復してねぇんだから」
『うん、ありがとう』
名前は海藤の言葉に甘えて再び目を瞑った。
1時間くらい経った時、八神が事務所に帰ってくる。
海「早かったな、ター坊。綾部には会えたのか?」
八「いや、明日会うことになったよ。他の、窃盗団に関する依頼をこなしてた。最近俺と名前ちゃんに接触してくる窃盗団の1人がいるんだけど、リーダーのやり方が気に入らなくなって抜けたとか何とか」
海「へー。まぁ今日は上がらせてもらうわ。名前ちゃんのこと、頼んだぜ」
八「はいはい。」
海藤は欠伸をしながら事務所を出ていく。
八神はソファで名前が寝ているのを見、テーブルをずらしてカーペットの上に寝転がる。