第5話 脅し
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ーーー
八神がこんばんワイフに行き、かなえちゃんを指名するとなんと入ってきたのは羽村だった。
共礼会の事件を嗅ぎ回っている八神たちに釘を刺しに来たようだった。
八神に何度か暴行すると、羽村は去っていった。
八神は松金組組長に電話をかけた。羽村と厄介後とがあったため仲介してほしいと。
しかし、松金組の事務所に行くと、組長には手助けしてやれることは何もないと言われる。
さらには話の途中でも舎弟がやってきて、羽村からの呼び出しがあるとの話を受け、向かうことになった。
ーーー
羽村に呼ばれたのは喫茶アルプス
何時もは席が空いていることがほとんどだが、今日は一席しか空いていない。
そこに座ると間もなく羽村がやってきてドカッと座る。
羽「情けねぇ野郎だ。組長に泣きつくとはな。フザけたマネしやがる」
八「俺はただ・・・カシラとこじれた件、おやっさんに報告した方が良いと思ったんです」
無表情のままつらつらと話す八神。
羽「いらねぇよ。お前が大人しくしてりゃいいだけの話だ。それとも、俺の言葉が足んなかったか?」
八「いえ、今のでやっと分かりました。じゃあ・・・これで手打ちですね」
そう言って立ち上がると、羽村はまだ話しは終わっていないとジッポライターを付ける。
すると店内の客が全員出ていき、代わりに入ってきた男たちがワラワラと八神に近づいてくる。中には組の事務所で八神に声をかけた舎弟のケンゴもいた。
そして、裏の扉から・・・
ガッ!!
いきなり大男が来て八神を殴り倒し、首を押さえつける
羽「どうせ口で言っても聞かねぇんだろ?ター坊。どうせ今も頭ん中じゃ手ぇ引かねぇ気なんだろ?
元弁護士だろうが、所詮はゴロツキあがりだ。
やっぱムチでしつけねぇとな。おら、連れてこい」
『やっ・・・ゴホッ』
羽村が合図した途端、大男の後ろから聞いたことのある女性の声がする。首を押さえつけられているため、目だけでそちらを見ると
『っ・・・八神、さん・・・』
八「名前・・・ちゃん、なんで・・・」
暴行の跡なのか、頬を赤くし口元も切れて出血している名前が、男に腕を拘束されながら現れる。
『ごめん、油断した・・・ちょっと事務所を出たら、捕まって・・・』
羽「ター坊が例の風俗店に行った時にな。見せしめに丁度良いだろ?てめぇはこうでもしねぇと言うこと聞かねぇからな。おい、尾崎」
羽村が八神を押さえ付けている大男、尾崎を呼ぶと、尾崎は八神を投げ飛ばす。
それを合図、というように周りにいた男たちが地に伏している八神を蹴っていく。
『八神さんっ・・・お願い、もうやめて・・・』
しばらくすると八神が痛む身体を引きずりながら外へ出る。
それを嘲笑いながらゆっくり歩いて追いかける羽村たち。大声を出して助けを呼ばないよう、名前は口を手で塞がれながら連れてこられる。
裏路地の奥で倒れている八神。羽村は八神を仰向けにするとアイスピックを取り出し目を抉ろうかと脅すが、許しを請うどころか振り払われ怒りを露にする。
羽「もう構わねぇ、ぶっ殺せ!」
だが、八神も負けじと臨戦態勢をとる。
そして舎弟のケンゴも尾崎も下していった。
羽村の手下が全員動けなくなる頃
羽「動くなよ、ター坊。名前がどうなっても良いなら構わねぇがな。見せしめだけのつもりだったが、そっちがその気ならしょうがねぇよなぁ」
『っ・・・』
八「名前ちゃん!」
名前を拘束していた男は名前の首筋にナイフを向けていた。八神はボロボロの身体にムチを打ち立ち上がるが、名前を人質に取られているため身動きを取れず睨むしかできない。
そして、羽村は拳銃を持ったケンゴの肩を抱き、八神を撃つよう命じる。
『~~~!!!』
名前は身体を動かし、拘束から逃れようとするが組員たちに殴打された身体はうまく力が入らない。涙を溢すしかできない自分に憤りを感じる。
羽「男になれやケンゴぉ!!」
ケンゴが引き金に指をかけ、絶体絶命
その時
タタタタタ
ガッガッ!!
「うぐっ」
『っあ!』
ジェスターが現れ羽村の背中を蹴り、銃を持っていたケンゴもふらつく。更に名前を拘束している男を足払いし、拘束が解けよろけた名前を受け止める。
「な、なんだ・・・?」
羽村たちが混乱する中
ジ「逃げるよ、ついてきて!」
とジェスターは名前の手を引いて羽村たちの横をすり抜け、走り出す。その後を八神も追っていく。
「待てやオラァ!」
松金組組員とのチェイスが始まる。
ジ「名前ちゃん、大丈夫?」
『・・・だい、じょーぶ・・・』
以前と同じ、手を繋いでの全力疾走。だが今は状況が違う。名前は大丈夫だと頷いてはいるが、全身を打撲していて動きがぎこちなく、体力の消耗が激しい。
ジ「二手に分かれるよ!名前ちゃんは僕に任せて」
八神にそう言ったジェスターは高い段差を名前を支えながら登っていく。八神はその様子を見て他の道へ走り出した。
しばらく別れて走っていると、広い道路で合流した。
ジ「あいつら、諦めたかな?」
八「勘弁してくれよ・・・」
更に少し走り、後ろから追ってこないことを確認して狭い路地裏に入り込んだ。
八「はぁっ・・・はぁっ・・・」
『はっ、はぁ・・っ・・は・・・』
息をきらす八神に、ジェスターはまだ余裕そうな様子で向き直る。名前はぐったりしていてジェスターが支えていなければ倒れてしまいそうな状態だ。
ジ「まずは名前ちゃんだね。はい」
ジェスターは八神に近づき名前を渡すと、八神は名前を横抱きで抱える。
八「お前・・・何なんだ?」
ジ「その前に、お礼はないの?」
八「お前、前に俺のスマホを・・・」
ジ「でも返したじゃん」
八神はスマホを取って逃げた理由を聞く。ジェスターは逃げるために利用しただけだと話した。
八「じゃあ今は?何で俺たちを助けた?以前も名前ちゃんを連れてったし、何かあるのか?」
ジ「そりゃあ・・・あれ?なんでだっけなぁ」
とぼけるジェスターに笑う八神。
ジェスターが去ろうとすると声をかけ、自分と仕事をしないかと誘った。
ジ「ちょっと面白そうではあるけどさ。僕らまだお互いに信用できないでしょ?
八神さん」
八「!お前・・・俺の名前を?」
ふふふっと不敵に笑い、振り返って歩き出す。八神の前には、ジェスターが付けていた仮面が投げられた。
八「・・・そうだ、名前ちゃん」
八神が名前を見ると、八神に身体を預け目を閉じていた。
八「気ぃ失っちまったみたいだな。・・・ごめんな」
名前を抱く手を強め、休ませるべく事務所に向かった。
もちろん、松金組に見つからないように。
5話 終