第4話 再会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーー
しばらく男に手を引かれながら走っていた名前。運動神経は良いため、難なく男についていく。
『ねぇ、あなた前にナンパから助けてくれた人でしょ?えっと・・・ジェスター』
ジ「あ、覚えててくれたんだね。嬉しいよ」
『何が目的?』
ジ「ちょっと警察に追われててね。今度は僕を助けてくれない?」
なんて走りながらも話している。
ジェスターがチラッと後ろを見ると、八神がまだ追いかけていた。
ジ「あっちの人も意外とやるね。余裕無いから手、離すけどついてきてよ」
ジェスターに手を離されるが、今足を止めても訳がわからなくなるだけだと思い、とりあえずついていくことにした。
歩道、建物の隙間、塀の上など様々なところを渡る。
名前はパルクール経験者、ジェスターと同じ足場、跳びやすい足場を一瞬で見極めついていく。
ビルの上まで来ると、隣のビルに大きなジャンプで飛び移るジェスター。
ジェスターですらギリギリ飛び越えられた幅に、流石に身長差を考えると無理かと思ったが、ジェスターが柵越しに手を伸ばしていることに気づき、信じて飛び込む。
ダンッ・・・
ガシッ
ビルの角ギリギリに足をつけ、ジェスターの手を掴む。ジェスターが手を引き上げると同時にジャンプし、柵を飛び越えた。
そこでハッとする名前。流石に八神の体格ではここは無理だと。
『八神さんっ!ダメッ!!』
後ろから追いかける足音が聞こえ、勢い良く振り返り叫ぶが時既に遅し、八神は宙を舞っていた。
ガッ!!
ビルの上まで届かず落ちそうになる八神を捉えたのはジェスター。そのまま八神が柵を掴めるよう補助する
八「はぁ、はぁっ・・・礼なら、期待すんなよ」
ジ「これ、頑張ったご褒美」
ジェスターが八神から奪ったスマホを目の前に置く。
八「俺のだろ・・・!」
『八神さんのでしょ』
同時にツッコミを入れる八神と名前。
ジ「まぁ、計画とは違ったけど、結果的に助かったよ。サンキュー」
それを無視し淡々と話すジェスター。
八「計画だと?」
ジ「そ。あ、彼女はちょっと借りとくね。ちゃんと返すから安心して。それじゃ」
『え、ちょ・・・』
八神が後ろから何か言っているが聞く耳を持たないと言ったように名前の手をとりビルの非常階段を降りていく。
少し歩いた後、路地裏で立ち止まる。
『ねぇ、もういい加減離してくれない?』
ジ「あぁ、ごめんごめん。」
パッと手を離すと、ジェスターは名前と向き合った。
『で、用って何?』
訝しげな顔で聞くと
ジ「やだなぁ、そんな怖い顔しないで。」
『だってうちの所長を危険な目に合わせたでしょ。そりゃ怒るよ』
ジ「それは謝るよ、ごめんね(自分のことじゃなくてあの人のことで怒ってんのね)」
平謝りのジェスターに名前はため息を漏らす。
『はぁ・・・だから用は何って聞いてるんだけど?』
ジ「んーー・・・」
『?』
まさか、用もなく連れてきたのか?と更に目を細めてジェスターを見ると
ジ「じゃあ、名前教えて?」
『・・・・は?』
ジ「お願い」
両手をパンッと合わせお願いのポーズをとるジェスターに呆気にとられる名前。
どうしたものかと考えるが、ジェスターの敵意の無い様子に
『苗字名前・・・』
と本名を答えていた。
ジ「名前ちゃんね!ありがとう」
『ねぇ、前に会った時から思ってたんだけどさ。何でそんなに飄々とした感じでいるの?』
いきなり馴れ馴れしく呼ぶジェスターに困惑するも、この際だ、と気になったことを聞くことにした名前。
ジ「?」
『何て言うんだろ・・・表面上の雰囲気と目の表情が、違うっていうのかな・・・』
ジ「!・・・気のせい、じゃないかな。じゃあね」
ジェスターは一瞬目を見開き、足早に去っていった。
『へ?・・・もう、何なの?』
嵐のようなジェスターとの再会に、心底疲れた様子の名前は、八神に連絡しようとスマホを取り出すと
『うわ』
八神、海藤から大量の着信とメッセージが送られてきていた。とりあえず八神に電話をかけることに。
『もしもー「名前ちゃん!大丈夫だった?何もされてない!?」・・・八神さん、落ち着いて。大丈夫。今解放されたから電話したんだけど、そっちはどういう状況?』
八神曰く、海藤は綾部と連絡がとれ、モグラの捜査資料を探ってもらっているところ、八神は今源田法律事務所で今後の八神探偵事務所の方針を話していたという。
事務所で新谷と服部に嫌みを言われたという愚痴付きで教えてくれた。
名前は新谷と服部の顔を思い浮かべながら『お疲れ様』と同情していた。
とりあえず今日の仕事は終わり。
帰ることになった。