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今宵は何大戦?

そんな私にも、転機が訪れた。



十二大戦の、猫の戦士代表を決める、戦い。



今回は、特別に猫の戦士も出場できる。


みんな、恋音を期待している。
しかし、桜音は…

「弟子にも希望を与えたい。トーナメント制だ。頑張れよ」

私は、目を輝かせた。


私が、必ず、猫の戦士になってみせる。



そこからは、私は会社の訓練には一切行かなくなった。

あんな訓練をしても、強くはならない。


自分なりに考えた練習を行う。
私は、新しく銃を使うようになる。


銃はとても綺麗。
そして強い。


桜音風を持つと自然に笑顔になる。
そういえば、笑顔は何年ぶりだろう。

………どうでもいいか。


一番憎い恋音の、私に敗れる姿が見れるのだから…。



「初めっ!」

桜音の太い声が、室内に響く。

『にゃはは』

今日この日までに、私はどれだけ練習したか。
笑顔で戦うことを覚え、猫のように身軽に攻撃をする。


私は、勝ち進んだ。

勝って、勝って____

「なぁんだ、あんた、勝ったのね」

つまらなそうに言う。


とうとう、決勝戦__。

「やっちまえ!恋音!」
「音恋なんかにまけるなよ!」

たくさんの弟子や大人が野次を飛ばす中、


私の笑い声が響き渡った。


『にゃははは♪
あんたたち、私に負けたのよ?
負け犬の遠吠えね♪にゃは~』

野次が増えた。

てゆーか、あんたたちには一切きょーみはなかったの。

私は、恋音を倒す、いや、殺せればなんでもいい。


「さあ」

『ふふ』



「『殺しあいましょ?』」



……



「…ッ…、なんで…?」

恋音の首に、鋭く尖った木刀が当たり、血がしたたる。

『あんたの負けよ、恋音』

耳元でささやく。

少しの間、室内はシンと静まり返っていた。

静寂を破ったのは…


桜音。

「ハッハッハ!最高だよ音恋!
お前が猫の戦士だ!」

ぱち、ぱちぱちと、割れんばかりの拍手が起こった。

木刀を下ろし、桜音達に向かって笑顔を見せる。

「ちょっ…!待って!こいつ、卑怯者よ!私に勝つために何かしたのよ!?」

『何言ってるの、恋音。
あんたは正真正銘、私に敗北したの。認めたら?』

今ではみんな、私の味方だ。
みんな恋音を冷たい目で見る。

正々堂々、実力で勝ったのだ。
不正なんてゴミみたいなことはしていない。

「ねぇ…!みんな!私への期待は!?
何でこいつの味方なの!?」

私はニヤリと笑う。
猫なで声で、お父様に言う。

『さぁて、お父様?
こいつの始末、どうしましょう?』

「ッ!は!?始末!?何言ってるのよ、音恋!」

今では、恋音なんかに耳を傾ける者はいない。


私は約束したのだ。
お父様と。


《私が勝ったら、恋音の始末は私が引き受ける》と。


「さあ。お前が決めることだろう」

ふふ♪
私にも運が来た。
あの恋音を___

『分かりました♪
じゃあ、恋音?』

ゆっくりと恋音に視線を移す。
彼女は小動物のように肩を震わせる。
私は憎悪の笑顔で_______

服で隠れていたホルスターにしまわれた桜音風を______

「待って__」





『死ね』


パァン_____



私は、猫の戦士。


愛想ふりまいて殺す


音恋。
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