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彼原さんについて


ーー時は戦国、とある小さな国に、は生まれた。

受け継がれた巫女の家系、彼原かのはらの末裔として生を受けた想太郎。
しかし彼の父は巫女の血脈をないがしろにし、戦国の世に浮かれて群雄割拠へ躍り出た。

父親は彼原家に代々伝わる家宝…と同時に厳重管理するべき封印である「ふた振りの妖刀」、その片割れを不用意に持ち出し、盗賊に奪われてしまう。

ふた振り・・・・と銘打っておきながら現存するのはひと振りであることに疑問を持った父親は、八つ当たりめいた様相で息子に詰め寄る。
息子…想太郎は、霊力が高く一族の間では先祖にもっとも近いと言われていた。

巫女の血筋にふさわしい霊力を持たぬことに劣等感を抱いていたこともあり、父親の剣幕はいつ刀を抜いてもおかしくないほどで。

醒めたような目で父親を見据えていた息子は、諦めの息を吐いて見えない刀を抜いたのだった・・・・・・・・・・・・・


父親は病に倒れ、後を継いだ想太郎は細々と領地を守っていたが、ある時攻め滅ぼされかつての家臣によって首を晒された。



彼原想太郎時重かのはらそうたろうときしげ
とある小国の領主であり、智将。社畜気質で苦労が絶えない。
あまり派手な活躍はしていないが、国が滅ぶ際にはできうる限りの民を他国へ逃す手筈を整えてから、家臣に己の首を斬り持っていくよう命じた。
また父親が奪われた家宝…有象断うぞうのたちを自らの智略で取り返し、その際得た家臣に貸し与えたという。
活動の地味さと滅んだという事実から歴史に名は残っていない。
その魂は妖刀を封じ込めた「彼岸の巫女」そのものであり、本人として転生し続けている。

黄廉おうれん
本名ガラヴィフ・オーレンは異国の剣士であり、大剣を振り回して力強い戦い方をする筋骨隆々の男。
記憶を無くし遭難していたところを盗賊に捕まり、奴隷へ堕とされそうになっていたが、
妖刀を取り戻しに来た想太郎と協力して盗賊を倒し、自らの危機を救った彼に忠誠を誓う。

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