ここで教えてくれたこと、みんなが知ってくれるんだよ。
最初の物語
ますたーのプロフィールは?
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無数の
「すべて持ち主が死んで動かなくなった
「みんな眠っている。その展示室がここ」
全く同じ顔をした
グレイは紫基調の、シトラは黄色基調のロリータドレスに身を包んだ人形のようだった。
錆色の外壁に取り付けられた無数の真空管の巨大な柱の中には青緑色に光る不思議な液体が満たされていて、チューブのように曲がった管の先には巨大な計器が取り付けられている。
それらの奥に申し訳程度の縦に長い窓ガラスがついていて、そこからやっと中の様子が見えるようになっている。
「グレイ」
「シトラ」
そう名乗る二人は展示室の見回りをしていた茶色みがかった金色のボブカットの青年を、よく通る声で呼びつけた。
彼は不機嫌そうに目を細めている。
「移民の方に」
「説明を」
「相変わらず勝手な双子だな……」
そう悪態をつきながらこちらを見る。
「僕はデノス・ル・ダイロス。展示室の案内をしている」
右目の下にほくろがあり、少し拗ねたような口元が黙ってさえいればとても可愛らしいと、大人の女性からウケの良さそうな顔立ちをしている。黒縁の眼鏡をしていて、神経質なのか髪も服も真っ直ぐで、シワひとつ無い。
ジブンも名乗るが、特に反応は無い。こちらに興味をまったく示さず、あくまで事務的に接してくる。
「別に機嫌が悪いんじゃないのよ」
彼の足元にいた真っ白のむくむくしたウサギがそう言った。
尾が硝子玉で出来ている。
「わたしはスノー・ライオスっていうのよ」
「あれ?その名字って……もしかしてニオンって
「もちろん知ってるわ!あの子はライオスシリーズの、わたしの弟なの」
「
「そうなんだ!」
「もちろん全部の
「オーにもブランドがあるのかな?」
「ちょっと見せてくれるか?」
デノスは眼鏡を押し上げながらオーを抱えた。
「これはかなりのヴィンテージ物だな。……この癖のあるデザインは……」
「確かに店主さんが最初に造った
「店の名前は?」
自分は首を横に振った。お店の名前までは見ていなかった。
「あ、でもニオンと一緒に行ったんだよ。しかもメンテナンスしていくか聞かれてた」
「ライオスシリーズなのか?でもデザイン的にはコープスシリーズっぽいし……」
「初めて見る型ね。銘柄の無いオリジナル品かもしれないの」
「
デノスは面倒くさそうに頭を掻いた。
「結構やってる奴は多い。
「オーしってる。自作キット、にんきあるよ」
「何処で知ったのかが気になるんだけど……」
知識を何処で得ているのかが不思議で、自分は
「
明らかにいつでも空いてますって雰囲気ではないぶっきらぼうな言い方だ。この対応でクレームがつくことはないんだろうか。
「デノスが駄目でもわたしが答えるのよ」
スノーは愛想よくそう言ってくれた。持ち主とは対応の仕方が雲泥の差だ。
気持ちを切り替えて展示室を見渡す。持ち主がいない