ここで教えてくれたこと、みんなが知ってくれるんだよ。
最初の物語
ますたーのプロフィールは?
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ニオンからの伝言通りに、オーと一緒に貴族連盟会議所へと訪れる。
象牙のように白い、乾いた建物はしっかりとした柱が無数に天井を支えていて、その天井から美しい黄金のシャンデリアが吊るされている。
床はピカピカに磨かれ、光が反射して目が痛いくらいだった。
移民は必ずここに来て、国の最低限のルールを聞かされるのだという。
「あなたが先日移住された方ですね」
黒い光沢のあるスーツに身を包んだ美しい銀髪の青年が笑顔で会釈しながらそう訊いてきた。
肌は白く、エメラルドグリーンの美しい瞳がこちらを真っ直ぐ見据えてきて、どきりと胸を打つ。
「はい。×××・×××です。」
「よろしくお願いいたします。僕の自己紹介は後にするとして、時間もありませんから、ご案内致しましょう。フィアス、お願いできますか?」
彼の足元にいた黒豹がむくりと起き上がってこちらをジッと見据える。
絹のように美しい毛に、よく見ると豹独特の模様がさらに黒く記されていて、背中のところにパイプのようなものが取り付けられている。それが、彼が本物の動物でないことを示していた。
きっとこの青年の
「んな緊張せんでも食ったりせえへんわ」
「え?」
独特の訛りで豪快に笑う彼を青年が睨み付けている。
「ほな、ついてきてや」
「いいひとそうだね」
能天気に腕の中でそう呟くオーの頭を撫でながらフィアスの後に続く。
すぐ大きな扉の前につき、彼が口で取っ手を器用に回して開けてくれた。
大きな会議室に、場馴れしていなさそうな人たちが数人座っている。審査の時見た大陸の人が何人かいるのが分かって、彼らはジブンと同じ移民なのだと理解した。
「適当に座っとき。すぐ始まるはずや」
「ありがとう」
言う通りに一番近くにあった席につくと、フィアスは会議室から颯爽と去っていってしまって、扉が閉まるのとほぼ同時に部屋の前方にあるモニターの電源がついた。
この国には大陸とは違い、電気で動く機械が存在しません。
しかし、それを補う形で『
しかし、
そうなってしまった場合は速やかに『
『
その為、
お買い物について、この国ではマナと金銭のやり取りが同等に扱われますが、物を購入する際は基本的に金銭でのやり取りになります。
保有するマナが少なくて機械を動かすことが困難な者は、それをお金で購入して補填することが出来ますし、お金が無い者はマナを支払ってお金を手に入れることが出来ます。
この購入機能は全ての家屋に備え付けられているので是非ご利用ください。
また、犯罪行為を見つけた場合は速やかに
以上、これらが最低限の我が国のルールとなっております。
これからの長い人生を我が故郷、バビロンで謳歌してください!
動画が終わって、ジブンはオーを見下ろした。
オーは主人に軽く噛みつくことでマナを体内に貯蓄することが出来るようになっている。
怒っているときや泣いているときにそれをしないで済むよう、こまめに充填する必要がありそうだ。
「おわった?」
「もしかして寝てたの?」
「うん。すりーぷもーど、してた」
拙い言葉で話しながら伸びをする彼を連れて部屋を出る。ホールには未だスーツに身を包んだ、銀髪の青年が立っていた。
「また来てください。会議がない日はどうも暇なので」
謎の青年はそう微笑みながら会釈して、豹を連れてカツカツと靴音を鳴らしながら去っていった。
「あの人は何者なんですか?」
「最年少貴族として名高いサカキ様でいらっしゃいます」
受付の女性がそう答えた。