隣の席の設楽くん
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…
「設楽くん、ごめん。消しゴム貸して。」と声をかけて横を向いたが隣の席には設楽くんはいない。
隣の席の子は苦笑いをしている。それに周辺の人達にもその間違いを聞かれているだろうし、設楽くんにも聞こえているのかもしれない。
赤面する私に隣の子は消しゴムを貸してくれたが、なんて間違いをしてしまうんだ。恥ずかしいったらありゃしない。
その後の授業内容なんて頭からずり落ち、私のほっぺは赤いままだった。
授業が終了し、隣の子になんて弁解をしようか、設楽くんになんて言おうか考えていると、ひょっこり覗かせた金髪頭。
「失礼しまーす。」と一声かけるとそのまま私の席へやってきた。
心なしかクラスの女の子がそわそわしている気がするし、男の子たちは何が起こるのか楽しみにしている気がした。
「琉夏くん。どうしたの?私のクラスまで来て。」
「休み時間くらい美奈子と高校生活を送りたいから。」とまるで同じクラスメイトのように前の席に座ると、振り返り私の机に顎を乗せて上目遣いでこちらを見ている。
「ふふっなにそれ。」
「オマエが数十分遅く生まれてたら同じ学年だったのにな。」
寂しげに呟く琉夏くんの頭をポンポンと撫でると笑顔になった。私まで釣られてしまう。
「そしたら一緒の高校生活を送れてたね。」
「まぁ、美奈子にこうして会えただけでもいいけどね。」と呟いた。
「そういえば、4月1日産まれは次の年に入学させるかどうかって選べるみたいなんだけど、私の母が早く一人前になってほしいから学年変えなかったんだって。」
「ははっ、美奈子の母ちゃん厳しいな。」
「そうなの。残念だったね。」と笑い合ってると琉夏くんの座る席の主が戻ってきた。
琉夏くんは一言お礼を述べると「そろそろ教室に戻る、俺が側にいなくても、俺の心には常に美奈子がいるから。」と立ち上がったので、私も立ち上がり琉夏くんの後をついていくことに。
「私もいつも琉夏くんを思ってるよ。」と返しながら教室の外まで琉夏くんを見送った。
はっ!いけない!いつも気がつくと琉夏くんのペースに巻き込まれている気がする。
咳払いをして席へ戻ると、会話を聞いていただろうクラスの子達は四月一日産まれということに驚いていた。
ホームルームも終礼も済み、さっさと教室を出ようとする設楽くんを見てると、入学してすぐの頃を思い出して友達なのに少し悲しいじゃないか。
鞄を持って慌てて追いかけると、今日はもう帰るのか昇降口へと降りていた。
「設楽くん!待って!」
ちらりこちらを見た設楽くんは足を止めて待ってくれた。
「一緒に帰ろうよ。」
「アイツらと帰ればいいだろ。」
「…?なんで?いつも一緒に帰ってたじゃん。」
「……、わかった。一緒に帰ろう。」
校門を降りたが迎えの車は来ていないようで、久しぶりの二人楽しい下校だった。
「お前、間違って俺の事呼んだだろ。」とすっかり忘れていた“消しゴム事件”は、ばっちり設楽くんに聞こえていたようだ。
「先生もニヤニヤ笑っていたぞ。」
「その件は思い出させないで!」
その後、「気分転換に海の方にでも散歩をしよう。」と誘ってくれて、春で誰もいない浜辺へやってきた。
「ところで…お前の誕生日、四月一日って本当なのか?」
「うん、知らなかったっけ?」
「……知らない。」
「あっ、でも設楽くんの誕生日、私も知らないや。」
バレンタインデーが終わったあとも、何人かの女の子からプレゼントを貰っているので、設楽くんだけ長いバレンタインデーだと思っていたら、まさかの2月18日が誕生日だったなんて。今更知ったぞ。
「来年のプレゼント、肩叩き権にするから楽しみにしててね。」
「悪くないな、下手だったらただじゃおかない。」と言うとふっと笑った。
「私、学年に対してあまり意識してなかったけど、もしかすると設楽くんが先輩になっていた可能性があるんだよね。」
最近、幼馴染と再会してわかった。少しの選択で環境は180度変わってしまうことに。母の選択に、“今”で良かったと思えるのは幸せなのかもしれない。
いや、琉夏くん達と同じ学年でも同じことを思ってるかもだけれど。
「お前が俺の後輩になってても今と変わらなく、とぼけてるんだろうな。」
もしも私が後輩だったなら…音楽室にシャーペンを忘れて取りに行くと、音楽室にはピアノを弾く設楽先輩がいて、すんごく嫌そうな顔でわたしを睨んできそう。それで「お前、誰?」とか聞いてきそう。怖いよ。チビるよ。
「えー、設楽くんが先輩なんて嫌だよ。絶対に関わりたくないもん。」
「なんだと。」
「ふふっ、嘘嘘。設楽くんでも、設楽先輩でも毎日が楽しいよ。」
「……琉夏と琥一がいたら別にどうでもいいだろ。」と突然眉間にシワを寄せた気がした。
確かにここ数日は設楽くんとそこまでお喋りできてなかったな。設楽くんも少し寂しかったりしてたのかな?
「あ!そうだ。二人から聞いたよ。私が引っ越した後にできた幼馴染だって。」
「両親が仲がいいだけだ。」
「設楽くんは、二人から幻の幼馴染である超可愛い女の子の話は聞いたことあった?」
「……、さぁ?そんな昔の話は忘れたな。」
「ちぇー、もし私が二人の事を設楽くんに言ってたらもっと早く会えたのに。」
眉間にシワを寄せた設楽くんは「教えるとは限らないけどな。」と呟いた。
「ねね、もし私が引っ越していなかったら設楽くんと幼馴染になってたかもしれないんだよね。」
「もしかするとそうかもしれなかったな。」
「残念だね、設楽くんと幼馴染の二人が羨ましいや。」
「俺だって…」と呟いた声は波の音に消されて聞こえなかった。
「私も二人と一緒にセイちゃんにちょっかいかけれたのにな!」と言いながら設楽くんをつんつん攻撃をしまくった。赤面する設楽くんなんてお構いなしにつんつんのつんだ。
「……。」
「…設楽くん?」
「気は済んだか?」
そっぽを向いてしまった設楽くんは、落ち着いたのかいつもの調子でこちらを睨んでいた。
「うーん、まだまだって感じ。」と呑気に答える私にムッとした表情をすると設楽くんの大きな手が私の顎へ触れた。
「残念だな、次は俺の番だ。覚悟しろ。」
突然のことに驚く私をよそにニヤニヤしているではないか。
「ちょっちょっと待って心の準備が…!」
「……お前な、挑戦を受けるとは言ったが、俺に何やっても大丈夫だと思ってるなら、考えと行動を改めろ。ノーリスクだと思ったら、大間違いだぞ!ハイリスク、ハイリターンだ!」
「ハイリターン…?」
「それに……俺との約束を破りまくっているしな。覚悟しろ、美奈子。」
「や、約束ってな、な、な、なんでしたっけ。」
突然名前を呼ばれて約束のことを言われて困惑する私にニヤニヤ笑いながら近づいてきた。
「忘れたのなら思い出させてやるよ。」
設楽くんの大きな手が顎を離しそっと頬へ移動した。
「今だ!」
隙をみて思い切り走って逃げたが、砂浜は走りにくく、いつものようなスピードはでないし足が砂に取られて転けてしまった。
それにスカートが捲れてスパッツを履き忘れた私の下着は設楽くんに丸見えだろう。恥ずかしい、穴があったら入りたい。
しゃがみ俯く私の前に設楽くんもすぐにやってきて、しゃがむと頭についた砂を払ってくれた。
「見てない、見てないから安心しろ。」
「本当…?」
俯いた顔をあげるや設楽くんに抱きしめられていた。
「うぇっな、な、な、なに?」
「お前が約束を破ったからだ。」
「あ。」
設楽くん以外の人にはつんつんしない約束をしていた。そして、琉夏くんとの再会シーンを見ているだろう、設楽くんはその事を言っているのだろう。
「思い出した!ごめん、ごめん!幼馴染だから、ノーカンで。」
そう言うと離れてくれて、立ち上がり手を差し出してきたのでその手を掴み立ち上がったが、設楽くんは手を離そうとしなかった。
「なあ。誘惑する方と、される方、どっちの罪が重いと思う?」
「あ、それシェイクスピアだ。」
「なんでお前がそんなことを知ってるんだよ。」
一つため息を吐いた設楽くんは「……思わせぶりはお前の特技だな…。」と呟いたが、うみねこの声が邪魔をしてよく聞こえなかった。
「設楽くん?」
「今日はお前の負けだから、家に帰るまでこのままだ。」
設楽くんとは何度か手を繋いだことはあったけれど、ちょっとだけ照れくさい。
「もう、設楽くん。さっきみたいな胸がキュンキュンドキドキするような事は女の子にしちゃ駄目だよ、勘違いしちゃう子続出よ。」
やり返してやる!の精神でまた設楽くんにつんつん攻撃をした。
「お前が言うか…?はぁ…気を持たされるだけって、結構辛いんだぞ?」
「…?じゃあ鞄、持ってあげようか?」と言うと思い切り手を繋がれてすごく痛かった。
…
「設楽くん、ごめん。消しゴム貸して。」と声をかけて横を向いたが隣の席には設楽くんはいない。
隣の席の子は苦笑いをしている。それに周辺の人達にもその間違いを聞かれているだろうし、設楽くんにも聞こえているのかもしれない。
赤面する私に隣の子は消しゴムを貸してくれたが、なんて間違いをしてしまうんだ。恥ずかしいったらありゃしない。
その後の授業内容なんて頭からずり落ち、私のほっぺは赤いままだった。
授業が終了し、隣の子になんて弁解をしようか、設楽くんになんて言おうか考えていると、ひょっこり覗かせた金髪頭。
「失礼しまーす。」と一声かけるとそのまま私の席へやってきた。
心なしかクラスの女の子がそわそわしている気がするし、男の子たちは何が起こるのか楽しみにしている気がした。
「琉夏くん。どうしたの?私のクラスまで来て。」
「休み時間くらい美奈子と高校生活を送りたいから。」とまるで同じクラスメイトのように前の席に座ると、振り返り私の机に顎を乗せて上目遣いでこちらを見ている。
「ふふっなにそれ。」
「オマエが数十分遅く生まれてたら同じ学年だったのにな。」
寂しげに呟く琉夏くんの頭をポンポンと撫でると笑顔になった。私まで釣られてしまう。
「そしたら一緒の高校生活を送れてたね。」
「まぁ、美奈子にこうして会えただけでもいいけどね。」と呟いた。
「そういえば、4月1日産まれは次の年に入学させるかどうかって選べるみたいなんだけど、私の母が早く一人前になってほしいから学年変えなかったんだって。」
「ははっ、美奈子の母ちゃん厳しいな。」
「そうなの。残念だったね。」と笑い合ってると琉夏くんの座る席の主が戻ってきた。
琉夏くんは一言お礼を述べると「そろそろ教室に戻る、俺が側にいなくても、俺の心には常に美奈子がいるから。」と立ち上がったので、私も立ち上がり琉夏くんの後をついていくことに。
「私もいつも琉夏くんを思ってるよ。」と返しながら教室の外まで琉夏くんを見送った。
はっ!いけない!いつも気がつくと琉夏くんのペースに巻き込まれている気がする。
咳払いをして席へ戻ると、会話を聞いていただろうクラスの子達は四月一日産まれということに驚いていた。
ホームルームも終礼も済み、さっさと教室を出ようとする設楽くんを見てると、入学してすぐの頃を思い出して友達なのに少し悲しいじゃないか。
鞄を持って慌てて追いかけると、今日はもう帰るのか昇降口へと降りていた。
「設楽くん!待って!」
ちらりこちらを見た設楽くんは足を止めて待ってくれた。
「一緒に帰ろうよ。」
「アイツらと帰ればいいだろ。」
「…?なんで?いつも一緒に帰ってたじゃん。」
「……、わかった。一緒に帰ろう。」
校門を降りたが迎えの車は来ていないようで、久しぶりの二人楽しい下校だった。
「お前、間違って俺の事呼んだだろ。」とすっかり忘れていた“消しゴム事件”は、ばっちり設楽くんに聞こえていたようだ。
「先生もニヤニヤ笑っていたぞ。」
「その件は思い出させないで!」
その後、「気分転換に海の方にでも散歩をしよう。」と誘ってくれて、春で誰もいない浜辺へやってきた。
「ところで…お前の誕生日、四月一日って本当なのか?」
「うん、知らなかったっけ?」
「……知らない。」
「あっ、でも設楽くんの誕生日、私も知らないや。」
バレンタインデーが終わったあとも、何人かの女の子からプレゼントを貰っているので、設楽くんだけ長いバレンタインデーだと思っていたら、まさかの2月18日が誕生日だったなんて。今更知ったぞ。
「来年のプレゼント、肩叩き権にするから楽しみにしててね。」
「悪くないな、下手だったらただじゃおかない。」と言うとふっと笑った。
「私、学年に対してあまり意識してなかったけど、もしかすると設楽くんが先輩になっていた可能性があるんだよね。」
最近、幼馴染と再会してわかった。少しの選択で環境は180度変わってしまうことに。母の選択に、“今”で良かったと思えるのは幸せなのかもしれない。
いや、琉夏くん達と同じ学年でも同じことを思ってるかもだけれど。
「お前が俺の後輩になってても今と変わらなく、とぼけてるんだろうな。」
もしも私が後輩だったなら…音楽室にシャーペンを忘れて取りに行くと、音楽室にはピアノを弾く設楽先輩がいて、すんごく嫌そうな顔でわたしを睨んできそう。それで「お前、誰?」とか聞いてきそう。怖いよ。チビるよ。
「えー、設楽くんが先輩なんて嫌だよ。絶対に関わりたくないもん。」
「なんだと。」
「ふふっ、嘘嘘。設楽くんでも、設楽先輩でも毎日が楽しいよ。」
「……琉夏と琥一がいたら別にどうでもいいだろ。」と突然眉間にシワを寄せた気がした。
確かにここ数日は設楽くんとそこまでお喋りできてなかったな。設楽くんも少し寂しかったりしてたのかな?
「あ!そうだ。二人から聞いたよ。私が引っ越した後にできた幼馴染だって。」
「両親が仲がいいだけだ。」
「設楽くんは、二人から幻の幼馴染である超可愛い女の子の話は聞いたことあった?」
「……、さぁ?そんな昔の話は忘れたな。」
「ちぇー、もし私が二人の事を設楽くんに言ってたらもっと早く会えたのに。」
眉間にシワを寄せた設楽くんは「教えるとは限らないけどな。」と呟いた。
「ねね、もし私が引っ越していなかったら設楽くんと幼馴染になってたかもしれないんだよね。」
「もしかするとそうかもしれなかったな。」
「残念だね、設楽くんと幼馴染の二人が羨ましいや。」
「俺だって…」と呟いた声は波の音に消されて聞こえなかった。
「私も二人と一緒にセイちゃんにちょっかいかけれたのにな!」と言いながら設楽くんをつんつん攻撃をしまくった。赤面する設楽くんなんてお構いなしにつんつんのつんだ。
「……。」
「…設楽くん?」
「気は済んだか?」
そっぽを向いてしまった設楽くんは、落ち着いたのかいつもの調子でこちらを睨んでいた。
「うーん、まだまだって感じ。」と呑気に答える私にムッとした表情をすると設楽くんの大きな手が私の顎へ触れた。
「残念だな、次は俺の番だ。覚悟しろ。」
突然のことに驚く私をよそにニヤニヤしているではないか。
「ちょっちょっと待って心の準備が…!」
「……お前な、挑戦を受けるとは言ったが、俺に何やっても大丈夫だと思ってるなら、考えと行動を改めろ。ノーリスクだと思ったら、大間違いだぞ!ハイリスク、ハイリターンだ!」
「ハイリターン…?」
「それに……俺との約束を破りまくっているしな。覚悟しろ、美奈子。」
「や、約束ってな、な、な、なんでしたっけ。」
突然名前を呼ばれて約束のことを言われて困惑する私にニヤニヤ笑いながら近づいてきた。
「忘れたのなら思い出させてやるよ。」
設楽くんの大きな手が顎を離しそっと頬へ移動した。
「今だ!」
隙をみて思い切り走って逃げたが、砂浜は走りにくく、いつものようなスピードはでないし足が砂に取られて転けてしまった。
それにスカートが捲れてスパッツを履き忘れた私の下着は設楽くんに丸見えだろう。恥ずかしい、穴があったら入りたい。
しゃがみ俯く私の前に設楽くんもすぐにやってきて、しゃがむと頭についた砂を払ってくれた。
「見てない、見てないから安心しろ。」
「本当…?」
俯いた顔をあげるや設楽くんに抱きしめられていた。
「うぇっな、な、な、なに?」
「お前が約束を破ったからだ。」
「あ。」
設楽くん以外の人にはつんつんしない約束をしていた。そして、琉夏くんとの再会シーンを見ているだろう、設楽くんはその事を言っているのだろう。
「思い出した!ごめん、ごめん!幼馴染だから、ノーカンで。」
そう言うと離れてくれて、立ち上がり手を差し出してきたのでその手を掴み立ち上がったが、設楽くんは手を離そうとしなかった。
「なあ。誘惑する方と、される方、どっちの罪が重いと思う?」
「あ、それシェイクスピアだ。」
「なんでお前がそんなことを知ってるんだよ。」
一つため息を吐いた設楽くんは「……思わせぶりはお前の特技だな…。」と呟いたが、うみねこの声が邪魔をしてよく聞こえなかった。
「設楽くん?」
「今日はお前の負けだから、家に帰るまでこのままだ。」
設楽くんとは何度か手を繋いだことはあったけれど、ちょっとだけ照れくさい。
「もう、設楽くん。さっきみたいな胸がキュンキュンドキドキするような事は女の子にしちゃ駄目だよ、勘違いしちゃう子続出よ。」
やり返してやる!の精神でまた設楽くんにつんつん攻撃をした。
「お前が言うか…?はぁ…気を持たされるだけって、結構辛いんだぞ?」
「…?じゃあ鞄、持ってあげようか?」と言うと思い切り手を繋がれてすごく痛かった。
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