隣の席の設楽くん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
…
設楽くんと無事に仲直りでき、翌日からはいつも通りの日常に。
もう悩むのはやめだ。設楽くんは心の友だもの。
そんなこんなで冬休み前日、最後のホームルームでまたもやクリスマスパーティだとかの話をしていた。
いやいや、全校生徒と祝うクリスマスパーティってやだよ。地獄だよ。家でケンタッキー食べたいよ。
そんなことを考えながら窓の方に視線を向けている内に2学期最後のホームルームと終礼が終わった。
「帰るぞ。」
「へいへい、親分。」
設楽くんと校門を出るも今日は迎えの車が来ていなかった。
「折角だ。喫茶店にでも行こうか。」
「いいね、行こう。」
新しい喫茶店ができたようで設楽くんとはいつもの店とは違う臨海公園付近までやってきた。
「ところで、クリスマスパーティの用意はもう済んでるのか?」
「え?準備も何もわざわざ冬休みに学校行きたくないよ。」と面倒くさそうに答える私に、驚きの表情を見せる設楽くん。
「1年は強制参加だぞ?お前、ちゃんとプリント確認してないな?」
「ちぇー折角無遅刻無欠席だし仕方がない行くか。」とやる気のない私に一つため息を吐くと「ほら、行くぞ。」と私の手を取るとショッピングモールの方へ歩き出した。
「…?なんでショッピングモールに?」
「お前、ホームルーム何も聞いてないのか。外ばかり眺めてないでちゃんと話聞けよ。」
「それは否定できないね。」
ショッピングモールに向かうまで、正装で来るように言われている話、クリスマスプレゼントの交換がある話を聞いた。
「制服だって正装だよ。」
「それとこれは話が違うだろう。」と、ショッピングモールに到着し、シックな洋服が置いてあるお店に足を踏み入れた。
「ちょちょちょ、設楽くん、ゲーム買ったばかりだから買えないよ!」
「気にするな、俺が必要だから買うだけだ。」
設楽くんの手に持つドレスの値札を見ると、そりゃもう高いわな。いや無理無理無理。
「ただのクラスメイトにこんな高額なもの選ぶなんて絶対におかしいよ。駄目だよ!」と全否定する私の発言に眉間のシワが刻まれた。
「確かに……ただのクラスメイトにはこんなことしないな。……、まぁいい。明日迎えに行くから交換用のプレゼントの用意しとけよ。」と言うとやっとお店から出てくれた。
「今日はもう帰ろう。」
「そうだね、私は適当にプレゼント選んでから帰るね。」
購入したプレゼントは見られたくないので設楽くんとは はばたき駅でお別れし、プレゼントを購入して帰った。
…
翌日、携帯の着信で目が覚めた。何でも、家の前に設楽くんはもう来ているだとか。
慌てて制服に着替え、交換用のプレゼントを持って外に出ると、素敵なスーツを着た設楽くんの登場だ。
設楽くんのスーツ姿はいつもの倍以上に高貴な雰囲気を醸し出していた。
「格好いいね、設楽くん。」と呑気に話す私と違い、「お前…、本気で制服で行こうとしてたのか…。せめて私服にしろよ…。」と遠いい目をしている。
「ほら、早く乗れ。急ぐぞ。」
「え…?まだパーティまでの時間に余裕はあるけど…?」
車に押し込められて到着するまで数十分後。到着したのは設楽邸だ。
「…?あれ?学校は?もしかして設楽家主催のパーティだったの?」
「お前に説明したら面倒なことになるから何も言わなかっただけだ。いいから黙ってついてこい。」
てんやわんやと一室に押し込められ、メイドさんが持ってきたドレスや靴に履かせられ髪型もおしゃれに纏められていた。
何がなんだかわからないのだが。
そして、わけもわからないまま設楽くんとご対面である。
「悪くないな。」
「え、へへ。」
なんかこっ恥ずかしいとかそんなのじゃなく、わけがわからない、ただそれだけだ。
「いやいや、ちょっとまって。それで、なにこれ。」と喚く私に、「お前が着れそうなドレスが家にあったから貸しただけだ。」と設楽くんはドヤ顔である。
「ゼロの数が確実に多そうなドレスなんて怖くて着てられないよ!返す!」
「気にするな、母の着てないものだ。」
「ううう…、転んで汚したらどうしよう。」
「じゃあ腕に捕まってればいいだろ。」と差し出された腕に遠慮なくしがみついた。
「設楽くんとお似合いに見えたりして。」
「お前な…」
私の発言に驚いたのか設楽くんの耳は赤く染まっていたので、もっと強くしがみついてみた。きっと設楽くんはドン引きだろう。
そしてそのまま設楽くんの家から車に乗って学校へと向かい、車から降りてももちろんドレスを汚すのが怖くて、ヤケクソで設楽くんの腕にしがみついたまま会場へ到着した。
周りの視線とゼロの数が大変なドレスを天秤にかけるなら断然ドレスに決まっているじゃないか。
「お前のおかげで誰にも話しかけられなくて助かるな。」
「もう!こんなヒヤヒヤ体験二度としたくないよ!」
グチグチ文句を言いながら交換用のプレゼントを係の人に手渡した。
「何が来るのか楽しみだね。」
「そうか?どうせくだらないものしかないだろ。」
「人のワクワクを馬鹿にしないで。バナナマン設楽め!」
食事もあったが、ドレスを汚してしまう気がしたので食べるのは諦めた。
設楽くんは「気にしなくていい。」と言うけど、ゼロの数を考えるだけで食べる気が失せるので食事の置いてある場所に向かうことはなかった。
「何か飲み物でも持ってこよう。」
「いや、私は平気だからここで待ってるね。」
腕の力を緩めると設楽くんは飲み物を取りに行ってしまった。
しばらく待っても設楽くんは戻ってこないので、女子たちに囲まれていることを察し、プレゼント交換がはじまった。
設楽くんとせーの!で開けたかったので未開封の包を片手に立っていると、たまちゃんがやってきた。
「会場に着いてすぐ君に気付いたよ。」
「だよね、うん。私もこんな事になるなんて思わなかった。辛い。」
そこから一連の流れを説明すると制服の下りで笑っていた委員長は徐々に引きつり始めた。
「設楽のヤツやるなぁ。」
「こっちはゼロの数が怖くて早く帰りたいよ。って…委員長の持つそのプレゼント私が買ったやつかも。」
「え。うーん、僕が貰ってもいいのかな?」と困惑気味の委員長だ。
「むしろ 日頃の感謝を込めてたまちゃんを思って選んだものだから寧ろ当ててくれてありがとうだよ。」
そう言うと、委員長は包を開けた。
「ああ、これ欲しかったんだ。どうもありがとう。」とその手には発車メロディ音の目覚まし時計が握られていた。
「ふふふ、これを見つけた瞬間たまちゃんの顔が浮かんだものでね。まるで伏線回収…と、あ。設楽くんだ。」
仲良くたまちゃんと話していると仏頂面の設楽くんの登場だ。
「悪い、囲まれてた。」
「そんな怖い顔しないで。私は常に笑顔を意識しながらドレスを汚さないか常に気を張ってるのに。」
そしてプレゼントの開封をすることになり包を開けようとすると、まさかのたまちゃんが選んだプレゼントであった。
「それなら普通に交換したらよかったよね。」
「あ、はは…。うん、そうだね。」
頭にはてなを浮かべる設楽くんに先程の話を言うとただでさえ仏頂面なのに眉間のシワのクリスマスプレゼントが送られた。
設楽くんのプレゼントはお菓子山盛りサンタブーツだった。
「お前、好きだろ。食べろよ。」とサンタブーツから杖型のキャンディーを出すと口の中にいれてきた。
「も、もう!いきなりはびっくりするでしょ!」
口の中に甘い砂糖の味がじんわりと広がり、我慢していた空腹が襲ってきた。
ぐぅぅっと鳴った私のお腹に気がついた設楽くんは、「ほら、これ全部やるから家に帰ったら食べろよ?」と、自分はまだ食べていないサンタブーツを差し出してきた。
「お腹、空いてるんだろ?」
お礼を言いながらサンタブーツを受け取り、同じ杖型のキャンディーを取り出して、今度は設楽くんの口の中にお返しをすることに。
内心、拒絶されるかと思っていたが、設楽くんは大人しくそのキャンディーを舐めていた。
「ドレスは気にせずに今からでも食事食べてこいよ。」
「明日ケンタッキー食べるから我慢する。」
「ケンタッキー…?聞いたことはあるが食べたことはないな。」
ケンタッキーを知らないであろう設楽くんに驚愕だ。「じゃあ今日のお礼に明日一緒に食べに行こう。」と、誘うと新たな発見を求めて目が輝いていて、いつの日かのカップラーメンを食べた日を思い出した。
そしてやっとこさ、お開きになり設楽くんの腕にしがみつきながら迎えの車にお邪魔した。
車の中には私の着ていた制服が入った紙袋がおいてあった。
「ドレス一式やるよ。」
「いやいやいや、貰えない、貰えない。心だけもらうから。」
全力でお断りする私に設楽くんはそっぽを向いてしまった。へそを曲げてしまったのかもしれない。
「あ、じゃあ来年のパーティーの時また貸してくれる?」と言うとやっとこっちを見てくれ、設楽くんもそれで納得したようだ。
「ところで設楽くんの選んだセンスの良いプレゼントは誰が手に入れたんだろうね。」
「別に大したものじゃないし、興味もない。」
「そんな仏頂面しないの。」
私の家の前に到着したので、着替えの為に部屋へ戻り、制服の入っていた紙袋にドレスを真心を込めて畳み入れ、机に置いてあった包を持って設楽くんの待つ外へ戻った。
「設楽くん、ありがとう。」と紙袋と靴を返却し、包を設楽くんへ渡した。
包を見た設楽くんは目を丸くしながら「…?これはなんだ?」と呟いた。
「ふふっ前にくれた髪飾りのお礼を今更ながらしてみた。&クリスマスプレゼント。」
「別にお礼なんて…ってお前、あの髪飾りちゃんと付けろよ。」
「形見だから気が向いたらね。」
「それを言うなら家宝だろ。いいから明日はつけてこい。」と言いながら設楽くんは包を開けると嬉しそうに笑った。
そんなコビトカバのピンバッチでこんなにも喜ぶ人はおらんよ…。と突っ込みたかったが嬉しそうな姿を見ると言えなかった。
「お前の形見、ありがとう。おやすみ。」と言うや車は進みだしたので「家宝って言ってよね!」と慌てて突っ込みをいれてから家に入った。
…
設楽くんと無事に仲直りでき、翌日からはいつも通りの日常に。
もう悩むのはやめだ。設楽くんは心の友だもの。
そんなこんなで冬休み前日、最後のホームルームでまたもやクリスマスパーティだとかの話をしていた。
いやいや、全校生徒と祝うクリスマスパーティってやだよ。地獄だよ。家でケンタッキー食べたいよ。
そんなことを考えながら窓の方に視線を向けている内に2学期最後のホームルームと終礼が終わった。
「帰るぞ。」
「へいへい、親分。」
設楽くんと校門を出るも今日は迎えの車が来ていなかった。
「折角だ。喫茶店にでも行こうか。」
「いいね、行こう。」
新しい喫茶店ができたようで設楽くんとはいつもの店とは違う臨海公園付近までやってきた。
「ところで、クリスマスパーティの用意はもう済んでるのか?」
「え?準備も何もわざわざ冬休みに学校行きたくないよ。」と面倒くさそうに答える私に、驚きの表情を見せる設楽くん。
「1年は強制参加だぞ?お前、ちゃんとプリント確認してないな?」
「ちぇー折角無遅刻無欠席だし仕方がない行くか。」とやる気のない私に一つため息を吐くと「ほら、行くぞ。」と私の手を取るとショッピングモールの方へ歩き出した。
「…?なんでショッピングモールに?」
「お前、ホームルーム何も聞いてないのか。外ばかり眺めてないでちゃんと話聞けよ。」
「それは否定できないね。」
ショッピングモールに向かうまで、正装で来るように言われている話、クリスマスプレゼントの交換がある話を聞いた。
「制服だって正装だよ。」
「それとこれは話が違うだろう。」と、ショッピングモールに到着し、シックな洋服が置いてあるお店に足を踏み入れた。
「ちょちょちょ、設楽くん、ゲーム買ったばかりだから買えないよ!」
「気にするな、俺が必要だから買うだけだ。」
設楽くんの手に持つドレスの値札を見ると、そりゃもう高いわな。いや無理無理無理。
「ただのクラスメイトにこんな高額なもの選ぶなんて絶対におかしいよ。駄目だよ!」と全否定する私の発言に眉間のシワが刻まれた。
「確かに……ただのクラスメイトにはこんなことしないな。……、まぁいい。明日迎えに行くから交換用のプレゼントの用意しとけよ。」と言うとやっとお店から出てくれた。
「今日はもう帰ろう。」
「そうだね、私は適当にプレゼント選んでから帰るね。」
購入したプレゼントは見られたくないので設楽くんとは はばたき駅でお別れし、プレゼントを購入して帰った。
…
翌日、携帯の着信で目が覚めた。何でも、家の前に設楽くんはもう来ているだとか。
慌てて制服に着替え、交換用のプレゼントを持って外に出ると、素敵なスーツを着た設楽くんの登場だ。
設楽くんのスーツ姿はいつもの倍以上に高貴な雰囲気を醸し出していた。
「格好いいね、設楽くん。」と呑気に話す私と違い、「お前…、本気で制服で行こうとしてたのか…。せめて私服にしろよ…。」と遠いい目をしている。
「ほら、早く乗れ。急ぐぞ。」
「え…?まだパーティまでの時間に余裕はあるけど…?」
車に押し込められて到着するまで数十分後。到着したのは設楽邸だ。
「…?あれ?学校は?もしかして設楽家主催のパーティだったの?」
「お前に説明したら面倒なことになるから何も言わなかっただけだ。いいから黙ってついてこい。」
てんやわんやと一室に押し込められ、メイドさんが持ってきたドレスや靴に履かせられ髪型もおしゃれに纏められていた。
何がなんだかわからないのだが。
そして、わけもわからないまま設楽くんとご対面である。
「悪くないな。」
「え、へへ。」
なんかこっ恥ずかしいとかそんなのじゃなく、わけがわからない、ただそれだけだ。
「いやいや、ちょっとまって。それで、なにこれ。」と喚く私に、「お前が着れそうなドレスが家にあったから貸しただけだ。」と設楽くんはドヤ顔である。
「ゼロの数が確実に多そうなドレスなんて怖くて着てられないよ!返す!」
「気にするな、母の着てないものだ。」
「ううう…、転んで汚したらどうしよう。」
「じゃあ腕に捕まってればいいだろ。」と差し出された腕に遠慮なくしがみついた。
「設楽くんとお似合いに見えたりして。」
「お前な…」
私の発言に驚いたのか設楽くんの耳は赤く染まっていたので、もっと強くしがみついてみた。きっと設楽くんはドン引きだろう。
そしてそのまま設楽くんの家から車に乗って学校へと向かい、車から降りてももちろんドレスを汚すのが怖くて、ヤケクソで設楽くんの腕にしがみついたまま会場へ到着した。
周りの視線とゼロの数が大変なドレスを天秤にかけるなら断然ドレスに決まっているじゃないか。
「お前のおかげで誰にも話しかけられなくて助かるな。」
「もう!こんなヒヤヒヤ体験二度としたくないよ!」
グチグチ文句を言いながら交換用のプレゼントを係の人に手渡した。
「何が来るのか楽しみだね。」
「そうか?どうせくだらないものしかないだろ。」
「人のワクワクを馬鹿にしないで。バナナマン設楽め!」
食事もあったが、ドレスを汚してしまう気がしたので食べるのは諦めた。
設楽くんは「気にしなくていい。」と言うけど、ゼロの数を考えるだけで食べる気が失せるので食事の置いてある場所に向かうことはなかった。
「何か飲み物でも持ってこよう。」
「いや、私は平気だからここで待ってるね。」
腕の力を緩めると設楽くんは飲み物を取りに行ってしまった。
しばらく待っても設楽くんは戻ってこないので、女子たちに囲まれていることを察し、プレゼント交換がはじまった。
設楽くんとせーの!で開けたかったので未開封の包を片手に立っていると、たまちゃんがやってきた。
「会場に着いてすぐ君に気付いたよ。」
「だよね、うん。私もこんな事になるなんて思わなかった。辛い。」
そこから一連の流れを説明すると制服の下りで笑っていた委員長は徐々に引きつり始めた。
「設楽のヤツやるなぁ。」
「こっちはゼロの数が怖くて早く帰りたいよ。って…委員長の持つそのプレゼント私が買ったやつかも。」
「え。うーん、僕が貰ってもいいのかな?」と困惑気味の委員長だ。
「むしろ 日頃の感謝を込めてたまちゃんを思って選んだものだから寧ろ当ててくれてありがとうだよ。」
そう言うと、委員長は包を開けた。
「ああ、これ欲しかったんだ。どうもありがとう。」とその手には発車メロディ音の目覚まし時計が握られていた。
「ふふふ、これを見つけた瞬間たまちゃんの顔が浮かんだものでね。まるで伏線回収…と、あ。設楽くんだ。」
仲良くたまちゃんと話していると仏頂面の設楽くんの登場だ。
「悪い、囲まれてた。」
「そんな怖い顔しないで。私は常に笑顔を意識しながらドレスを汚さないか常に気を張ってるのに。」
そしてプレゼントの開封をすることになり包を開けようとすると、まさかのたまちゃんが選んだプレゼントであった。
「それなら普通に交換したらよかったよね。」
「あ、はは…。うん、そうだね。」
頭にはてなを浮かべる設楽くんに先程の話を言うとただでさえ仏頂面なのに眉間のシワのクリスマスプレゼントが送られた。
設楽くんのプレゼントはお菓子山盛りサンタブーツだった。
「お前、好きだろ。食べろよ。」とサンタブーツから杖型のキャンディーを出すと口の中にいれてきた。
「も、もう!いきなりはびっくりするでしょ!」
口の中に甘い砂糖の味がじんわりと広がり、我慢していた空腹が襲ってきた。
ぐぅぅっと鳴った私のお腹に気がついた設楽くんは、「ほら、これ全部やるから家に帰ったら食べろよ?」と、自分はまだ食べていないサンタブーツを差し出してきた。
「お腹、空いてるんだろ?」
お礼を言いながらサンタブーツを受け取り、同じ杖型のキャンディーを取り出して、今度は設楽くんの口の中にお返しをすることに。
内心、拒絶されるかと思っていたが、設楽くんは大人しくそのキャンディーを舐めていた。
「ドレスは気にせずに今からでも食事食べてこいよ。」
「明日ケンタッキー食べるから我慢する。」
「ケンタッキー…?聞いたことはあるが食べたことはないな。」
ケンタッキーを知らないであろう設楽くんに驚愕だ。「じゃあ今日のお礼に明日一緒に食べに行こう。」と、誘うと新たな発見を求めて目が輝いていて、いつの日かのカップラーメンを食べた日を思い出した。
そしてやっとこさ、お開きになり設楽くんの腕にしがみつきながら迎えの車にお邪魔した。
車の中には私の着ていた制服が入った紙袋がおいてあった。
「ドレス一式やるよ。」
「いやいやいや、貰えない、貰えない。心だけもらうから。」
全力でお断りする私に設楽くんはそっぽを向いてしまった。へそを曲げてしまったのかもしれない。
「あ、じゃあ来年のパーティーの時また貸してくれる?」と言うとやっとこっちを見てくれ、設楽くんもそれで納得したようだ。
「ところで設楽くんの選んだセンスの良いプレゼントは誰が手に入れたんだろうね。」
「別に大したものじゃないし、興味もない。」
「そんな仏頂面しないの。」
私の家の前に到着したので、着替えの為に部屋へ戻り、制服の入っていた紙袋にドレスを真心を込めて畳み入れ、机に置いてあった包を持って設楽くんの待つ外へ戻った。
「設楽くん、ありがとう。」と紙袋と靴を返却し、包を設楽くんへ渡した。
包を見た設楽くんは目を丸くしながら「…?これはなんだ?」と呟いた。
「ふふっ前にくれた髪飾りのお礼を今更ながらしてみた。&クリスマスプレゼント。」
「別にお礼なんて…ってお前、あの髪飾りちゃんと付けろよ。」
「形見だから気が向いたらね。」
「それを言うなら家宝だろ。いいから明日はつけてこい。」と言いながら設楽くんは包を開けると嬉しそうに笑った。
そんなコビトカバのピンバッチでこんなにも喜ぶ人はおらんよ…。と突っ込みたかったが嬉しそうな姿を見ると言えなかった。
「お前の形見、ありがとう。おやすみ。」と言うや車は進みだしたので「家宝って言ってよね!」と慌てて突っ込みをいれてから家に入った。
…