短編
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…
「ねぇ、俺以外の野郎に笑顔振りまかないで?」
琉夏くんとお付き合いしてから何ヶ月立ったのだろう?
嫌がらせの事なんてすっかり忘れて楽しい毎日を過ごして、あっという間に卒業までもう少し。
毎日幸せだったけれど、時々るかくんは今みたいな無理難題を言ってくることが多くなった。
「あ、はは何言ってるの?琉夏くん。」
そう、冗談に決まってる。冗談じゃなければおかしい。
私は努めて明るく琉夏くんに答えたけれど、琉夏くんは視線を鋭く私を見つめている。
私はなぜか怖くて地面の石ころに目線を落とした。
「美奈子の笑った顔は俺だけのもの、そうだろ?」
鼓動が早くなったのは恐怖からじゃない。琉夏くんのことが好きだからだ。
私は何も言えずに笑顔を返すことしかできなかった。
「美奈子とずっと一緒にいられたらこんな風に思わないのに。」
琉夏くんが寂しそうに言うから繋いだ手を握り返しながら私は答える。
「そんな風に思ってくれて嬉しいよ。ありがとう。私もずっと一緒にいたいよ。」
「本当?」
「うん、本当だよ。」
琉夏くんが花が咲くようにぱぁぁっと笑顔になった。
そんな姿を見ると私もルカくんの笑顔があればいいかなって少し思ったりもした。
…
明日は受験日。
琉夏くんとは図書室で勉強をして一緒に帰るのが日課になっていた。
数学が苦手な私に優しく教えてくれるおかげで、志望している一流大学に受かる気がしてきた。
昇降口をでていつもの帰路を歩く。
制服を着た2つの影。
卒業したらもうこんな風景はないんだなって思うと胸が痛かった。
「いつも琉夏くんとこうやって帰ってたから寂しくなっちゃうな。」
「あぁ、俺も。」
優しく手を握りしめてくれるルカくん。
「卒業してもずっと一緒。でも大学に受かったらオマエは野郎に付きまとわれたり、別の男に目移りするかもって思えば俺夜も眠れない。」
「何言ってるの琉夏くん。まだ受かってないし絶対にそんなことないよ。」
「わかってるんだ。ごめんな。」
琉夏くんと別れて家に入り、また勉強の再開。
明日の為の準備はしたけれど不安で勉強をしてしまう。
時間は23時を過ぎそうだ。
外からバイクの音が聞こえて、暫くすると着信音。
ディスプレイには琉夏くん。
私は携帯を出ずにそのまま外へ出た。
「琉夏くん、どうしたの?こんな遅くに。」
「へへ、美奈子が緊張して寝ずに勉強してると思ったから夜食を作ってきたんだ。」
琉夏くんから差し出されるお弁当箱。
嬉しくて涙がでてきてしまう。
「琉夏くん、ありがとう。とっても嬉しい。」
「俺こそ……ごめんな。こんな夜分に、もう帰るね。」
「琉夏くんのおかげで絶対に受かる気がしてきたよ、本当にありがとう。」
バイクに乗ろうとする琉夏くんを引き止めて軽くキスをした。
私の頭を撫でながら「やだな、帰りたくなくなっちゃうだろ。」と言いながら琉夏くんは帰っていった。
バイクが遠ざかる音と、琉夏くんがくれた夜食。
心が暖かいけれど、少し淋しげな琉夏くんの表情を見ると胸が痛かった。
…
目を覚ますとあたりは夕方だった。
血の気が引く感覚。
時計を見ると受験日から2日立っていた。
両親に話を聞くとどれだけ起こそうとしても、起る気配がなく明日まで眠りっぱなしだったら病院に連れて行くところだったと。
受験に関しては運良く、第三希望の学科の試験だった、
第一希望、第二希望の試験は運良く明日と明後日。
なんとか気持ち的に持ち直すことができた。
携帯を見ると新着メールが数件。
全部琉夏くんからのメールだった。
“なにかあった?”
あ、そうだ。お弁当箱返しに行かないと。
これからWestBeachに行くと連絡をしてお弁当箱を持って家を出た。
WestBeachにつくと琉夏くんは心配そうに私の体調を気にかけてくれた。
「連絡つかないから心配した。なにかあったの?」
「それが、2日間眠ってたみたいで受験すっぽかしちゃった。せっかく応援してくれたのにごめんね。」
琉夏くんは私を優しく抱きしめてくれた。
あったかくて大好きなルカくんのぬくもり。
「進路、だめになっちゃったなら…」
琉夏くんが心配して何か言いかけたけれど、まだ挽回するチャンスはあるのだ!
「安心して本番は明日と明後日だから!」
「……、そうなんだ、それならよかった。じゃあ明日の為に俺が特大ホットケーキ作るから少し待ってて。」
琉夏くんはそう言うとキッチンへ向かった。
…
目を覚ますと、波の音が聞こえない一室にいた。
体が動かない、ここはどこ?
琉夏くんとコーヒーを飲みながらホットケーキを食べて…、その後は…?
視線を違和感のある足首に向けると足枷と鎖がついてあった。
なに?これ?何が起こったの?
怖くてこんな現実を受け入れられなくて目を瞑っていた。
扉が開く音がした。
眠っている振りをしたけれど、体が震えてしまい相手にはお見通しだ。
誰かが私の頭を撫でている。
この感触、香り、ずっとずっと知っている。
信じたくなかった。
恐る恐る瞼を開けると大好きな琉夏くん。
いつも淋しげな表情を見せていた琉夏くんは私を愛でるような、優しい優しい表情をしていた。
「美奈子と住むために用意してたんだ。」
「あ、あの、どうして?この足枷はなに?」
恐怖で声がカラカラしているけれど、声を絞り出すように話しかけた。
ルカくんは、持ってきていたお水を口に含むと私にキスをして飲ませてきた。
「喉乾いてたんだね。」
琉夏くんの優しさが怖くて体の震えが大きくなるばかり。
「少し古い建物だったけれど手直ししたらあっという間に綺麗になったんだよ。」
ニコニコと私の問に答えずに話しかけてくるルカくん。私は恐怖で涙が溢れ出た。
「明日受験があるの、お願いだから帰らせて。」
琉夏くんは私に構わずに続ける。
「美奈子も俺とずっと一緒にいたいって言ってだだろ?」
いつの日かの下校の会話を思い出した。
きっと彼はあの会話から私と過ごすためにずっと手直しをしてきたんだろう。
「それなのに約束を破って俺から離れようとしたのが悪い。」
「約束なんて破ってない!お願いだから帰して!」
私がいくら泣いても喚いても意味がなく、琉夏くんが動けない私の体に乗ってきて洋服のボタンを外し始めた。
学校を卒業したら琉夏くんとキス以上のことをするようになるのかななんて考えたことがある。
きっと優しくて甘くて、とっても幸福感に満ち足りるようなものなんだろうなって。
「騒いでも無駄。この建物は、はばたき山にあるんだ。だから俺にしか美奈子の声は届かない。」
琉夏くんが私の耳を舐めながら囁くような声で言う。
「俺はオマエの笑顔があればいい。これからは俺が何でもしてあげる。ずっと離さないから。」
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「ねぇ、俺以外の野郎に笑顔振りまかないで?」
琉夏くんとお付き合いしてから何ヶ月立ったのだろう?
嫌がらせの事なんてすっかり忘れて楽しい毎日を過ごして、あっという間に卒業までもう少し。
毎日幸せだったけれど、時々るかくんは今みたいな無理難題を言ってくることが多くなった。
「あ、はは何言ってるの?琉夏くん。」
そう、冗談に決まってる。冗談じゃなければおかしい。
私は努めて明るく琉夏くんに答えたけれど、琉夏くんは視線を鋭く私を見つめている。
私はなぜか怖くて地面の石ころに目線を落とした。
「美奈子の笑った顔は俺だけのもの、そうだろ?」
鼓動が早くなったのは恐怖からじゃない。琉夏くんのことが好きだからだ。
私は何も言えずに笑顔を返すことしかできなかった。
「美奈子とずっと一緒にいられたらこんな風に思わないのに。」
琉夏くんが寂しそうに言うから繋いだ手を握り返しながら私は答える。
「そんな風に思ってくれて嬉しいよ。ありがとう。私もずっと一緒にいたいよ。」
「本当?」
「うん、本当だよ。」
琉夏くんが花が咲くようにぱぁぁっと笑顔になった。
そんな姿を見ると私もルカくんの笑顔があればいいかなって少し思ったりもした。
…
明日は受験日。
琉夏くんとは図書室で勉強をして一緒に帰るのが日課になっていた。
数学が苦手な私に優しく教えてくれるおかげで、志望している一流大学に受かる気がしてきた。
昇降口をでていつもの帰路を歩く。
制服を着た2つの影。
卒業したらもうこんな風景はないんだなって思うと胸が痛かった。
「いつも琉夏くんとこうやって帰ってたから寂しくなっちゃうな。」
「あぁ、俺も。」
優しく手を握りしめてくれるルカくん。
「卒業してもずっと一緒。でも大学に受かったらオマエは野郎に付きまとわれたり、別の男に目移りするかもって思えば俺夜も眠れない。」
「何言ってるの琉夏くん。まだ受かってないし絶対にそんなことないよ。」
「わかってるんだ。ごめんな。」
琉夏くんと別れて家に入り、また勉強の再開。
明日の為の準備はしたけれど不安で勉強をしてしまう。
時間は23時を過ぎそうだ。
外からバイクの音が聞こえて、暫くすると着信音。
ディスプレイには琉夏くん。
私は携帯を出ずにそのまま外へ出た。
「琉夏くん、どうしたの?こんな遅くに。」
「へへ、美奈子が緊張して寝ずに勉強してると思ったから夜食を作ってきたんだ。」
琉夏くんから差し出されるお弁当箱。
嬉しくて涙がでてきてしまう。
「琉夏くん、ありがとう。とっても嬉しい。」
「俺こそ……ごめんな。こんな夜分に、もう帰るね。」
「琉夏くんのおかげで絶対に受かる気がしてきたよ、本当にありがとう。」
バイクに乗ろうとする琉夏くんを引き止めて軽くキスをした。
私の頭を撫でながら「やだな、帰りたくなくなっちゃうだろ。」と言いながら琉夏くんは帰っていった。
バイクが遠ざかる音と、琉夏くんがくれた夜食。
心が暖かいけれど、少し淋しげな琉夏くんの表情を見ると胸が痛かった。
…
目を覚ますとあたりは夕方だった。
血の気が引く感覚。
時計を見ると受験日から2日立っていた。
両親に話を聞くとどれだけ起こそうとしても、起る気配がなく明日まで眠りっぱなしだったら病院に連れて行くところだったと。
受験に関しては運良く、第三希望の学科の試験だった、
第一希望、第二希望の試験は運良く明日と明後日。
なんとか気持ち的に持ち直すことができた。
携帯を見ると新着メールが数件。
全部琉夏くんからのメールだった。
“なにかあった?”
あ、そうだ。お弁当箱返しに行かないと。
これからWestBeachに行くと連絡をしてお弁当箱を持って家を出た。
WestBeachにつくと琉夏くんは心配そうに私の体調を気にかけてくれた。
「連絡つかないから心配した。なにかあったの?」
「それが、2日間眠ってたみたいで受験すっぽかしちゃった。せっかく応援してくれたのにごめんね。」
琉夏くんは私を優しく抱きしめてくれた。
あったかくて大好きなルカくんのぬくもり。
「進路、だめになっちゃったなら…」
琉夏くんが心配して何か言いかけたけれど、まだ挽回するチャンスはあるのだ!
「安心して本番は明日と明後日だから!」
「……、そうなんだ、それならよかった。じゃあ明日の為に俺が特大ホットケーキ作るから少し待ってて。」
琉夏くんはそう言うとキッチンへ向かった。
…
目を覚ますと、波の音が聞こえない一室にいた。
体が動かない、ここはどこ?
琉夏くんとコーヒーを飲みながらホットケーキを食べて…、その後は…?
視線を違和感のある足首に向けると足枷と鎖がついてあった。
なに?これ?何が起こったの?
怖くてこんな現実を受け入れられなくて目を瞑っていた。
扉が開く音がした。
眠っている振りをしたけれど、体が震えてしまい相手にはお見通しだ。
誰かが私の頭を撫でている。
この感触、香り、ずっとずっと知っている。
信じたくなかった。
恐る恐る瞼を開けると大好きな琉夏くん。
いつも淋しげな表情を見せていた琉夏くんは私を愛でるような、優しい優しい表情をしていた。
「美奈子と住むために用意してたんだ。」
「あ、あの、どうして?この足枷はなに?」
恐怖で声がカラカラしているけれど、声を絞り出すように話しかけた。
ルカくんは、持ってきていたお水を口に含むと私にキスをして飲ませてきた。
「喉乾いてたんだね。」
琉夏くんの優しさが怖くて体の震えが大きくなるばかり。
「少し古い建物だったけれど手直ししたらあっという間に綺麗になったんだよ。」
ニコニコと私の問に答えずに話しかけてくるルカくん。私は恐怖で涙が溢れ出た。
「明日受験があるの、お願いだから帰らせて。」
琉夏くんは私に構わずに続ける。
「美奈子も俺とずっと一緒にいたいって言ってだだろ?」
いつの日かの下校の会話を思い出した。
きっと彼はあの会話から私と過ごすためにずっと手直しをしてきたんだろう。
「それなのに約束を破って俺から離れようとしたのが悪い。」
「約束なんて破ってない!お願いだから帰して!」
私がいくら泣いても喚いても意味がなく、琉夏くんが動けない私の体に乗ってきて洋服のボタンを外し始めた。
学校を卒業したら琉夏くんとキス以上のことをするようになるのかななんて考えたことがある。
きっと優しくて甘くて、とっても幸福感に満ち足りるようなものなんだろうなって。
「騒いでも無駄。この建物は、はばたき山にあるんだ。だから俺にしか美奈子の声は届かない。」
琉夏くんが私の耳を舐めながら囁くような声で言う。
「俺はオマエの笑顔があればいい。これからは俺が何でもしてあげる。ずっと離さないから。」
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