いいから、(水上颯)
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もう、颯は私のところに戻ってきてくれないと思う。
そう感じたのは、栄養失調と貧血で倒れて一週間くらいした後だった。
あの日から、何も変わらずゆるゆると日常は過ぎていく。
「美緒ー、一生のお願い!
今日だけ合コンに参加してー?
ねっ?慶大のイケメン揃いだから!!」
「いいよ。」
「だよねぇ…美緒は参加してくれないよね…」
「え、だから、いいよ?」
「…まじ?」
「うん、まじ。」
試しに合コンにでも行ってみようかしら。
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(水上颯Side)
近頃医学部が騒がしい。
というのも、美緒が合コンに行くらしいという噂が流れている。
医学部に入って誘われた回数はどれほどだろうか。
ことごとく断ってきた美緒が今週末には慶大生と合コンだそうだ。
「はぁ…いいなぁ美緒ちゃんと合コンかぁ」
隣に座る友人が小さくため息をつく。
「颯は女に興味ないから、どうでもいいか。
お前も顔良いんだから彼女の1人や2人くらいいるだろー?
女の子紹介してくれよー。」
「うざい。」
隣から肩を突いてくる友人の手を振り払う。
「おっ。」
少ししょんぼりしかけた友人は小さく歓喜の声を上げる。
「噂をすれば美緒ちゃん。
あー今日も可愛い。腕ほっそ。」
確かに痩せた。
あの部屋にも暫く帰っていない。
こないだ図書室で見たのは、やはり美緒だったらしい。
医務室の目の前まで行って、今更僕に何の資格があるんだと言いわけして背を向けた。
確かに美緒が好きだった。
一緒に居すぎたのか徐々に彼女の有難味が分からなくなってきた。
少し他の人走れば彼女の元に戻れるだろうと思ったのに、気づけば何か月も経っていた。
自然消滅と言ってもおかしくないだろう。
「美緒さんっ…!」
ぼーっとしていると叫び声が聞こえる。
僕たちの目の前を通り過ぎて遠くにいた美緒に背の高い男が駆け寄る。
何を話しているかは聞こえない。
美緒は彼に向かって丁寧に礼をすると背を向けて去っていく。
「あちゃー、アイツ美緒ちゃんに告白なんて無謀なことを…」
友人がご愁傷様と手を合わせる。
美緒、君は今、僕のことをどう思ってるの?
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「ではではー、乾杯っ!」
グラスの音が室内に鳴り響く。
目の前には顔の整った3人。
ひとりひとり自己紹介して、途中席替えなんかもしてそこそこ盛り上がったかもしれない。
「美緒ちゃん、次なに飲む?」
「いや、今日はもう辞めときます。」
「なんで?いいじゃん、同じのでいい?」
「ちょっと、」
目の前に勝手に置かれたハイボール。
無遠慮に腰や肩に回ってくる手。
これ以上は飲まない方がいいことはわかってる。
柄にもなく心の中で小さく舌打ちをする。
「美緒ちゃんて、意外と着やせするんだね。」
この一言に鳥肌が立つ。
最悪だ。
一緒に来た友人にこっそりLINEすると彼女たちも思ってたことは同じだった。
顔はいいが魂胆が見え見え。
キリの良いところで解散して各々帰路につく。
「飲みすぎた…」
外の風にあたり、徐々に酔いが回ってきた。
ハイボール勢が多いからとボトルにしたのが間違いだった。
「あの人…度数高いの入れたわね…」
度数が高く飲み口の良いブランドの物だったらしい。
あと少し長居してたらバタンしてたところだ。
「あれ、部屋の電気、消し忘れてたかな…」
自分の部屋に戻った安心感と回り始めた酒で目の前がくらくらする。
鍵を開けてそのまま玄関に倒れこむ。
「あー…床、気持ちい…、」
ひんやりとした床に火照った頬が気持ちい。
「美緒。」
「んぇ…?」
「こんなにベロベロになって…一体どんだけ酒飲んだの。」
「颯...?」
ついに幻覚が見えてきた。
颯がいる。
私をのぞき込む気だるげな顔がある。
「何?部屋行くよ。」
腕を引っ張られて身体を持ち上げられる。
颯が私に優しい。
「ほら、水。」
「うん、」
幻覚って凄い。
いや、これは夢。
酔っぱらって、自分のいいように脳が細工してるんだ。
優しい颯。
もうこんないい夢見れないだろうし、現実でもない。
普段なら絶対にしないけど…今日くらい夢に縋ったってバチは当たらないだろう。
「颯、」
腕を伸ばして抱き寄せた香りは私の知ってる香りじゃない。
なんてリアルなの。
目が覚めるまではそばにいてね。
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(水上颯Side)
久しく触ってないかったカギに手を伸ばす。
結局、戻ってきてしまった。
少しだけ、心配だった。
帰ってこなかったらそれはそれでいい。
そう思っていたが、
日付も回らないうちに鍵の開く音がする。
それとともに倒れこむ音。
まさかと思えば今までにないくらいにベロベロだ。
よくこれで帰ってきたものだと思うほどに。
「美緒。」
「んぇ…?」
上から覗きこむと僕を見上げる美緒。
赤くなった頬に眠たげな瞳。
…よく一人で帰ってきたな…。
引っ張り上げて、覚束ない足取りの美緒を支えてソファに座らせる。
コップに水を入れて渡すと素直に受け取って半分ほど飲み干す。
落としそうな手からコップを奪い取ってテーブルに置く。
不意に後ろから伸びてきた腕にバランスを崩してそのままソファにダイブ。
「颯、」
自分にすり寄って甘えてくる美緒を僕は初めて見た。
彼女は男に依存するタイプではない。
しっかりしてて尊敬できる存在だ。
「美緒、そういうの良くないよ。
今日はもう寝よう。」
彼女を抱き上げてベッドの中に入れる。
「…僕はもう帰るから。
具合、悪くしないようにね。」
「…いや。」
彼女の小さな手が僕の服の裾を掴む。
「颯、」
「っ…、」
思わず彼女の上に跨って後悔する。
「これじゃそこら辺の男と一緒だな…」
「颯、好き、」
僕の腕に縋りつく細い腕。
「だめだ…、」
寝息を立て始めた彼女の腕をそっと外してベッドサイドに腰かける。
「…、僕、なんで美緒に興味なくしてたんだろ。」
小さくため息をついて頭を抱える。
あんなに雑に扱っておきながら今になって惜しくなるとか…。
最悪だな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「う゛…頭痛い…」
最悪の目覚めだ。
頭がひどく痛い。
気だるい身体を起こしてキッチンへ向かう。
冷蔵庫に入っていた飲みかけのミネラルウォーターに口をつける。
「…夢、だったんだ。」
昨日、帰ってきたら颯がいた。
いや、颯がいた夢を見た。
気だるげな颯は前みたいに優しくて、幸せな気分だった。
テーブルの上のコップ。
昨日の夜、覚えてないが自分で出したのだろう。
「知らない人の香りがした…。
夢ならもっと私に都合よくあってよね。」
颯が使ってた専用のシャンプー。
まだバスルームには残ってるけど、その香りじゃなかった。
他の女の人の使ってるシャンプーの匂いなんだろう。
「酷いなぁ…」
小さくため息をつくとインターホン。
時計の針は朝の9時。
モニターを覗くと颯が居た。
私は、まだ寝ぼけてるんだろうか。
「…はい。」
「おはよう。」
「…おはよ、」
「これ。」
がさりと渡されたのはコンビニのビニール袋。
「何これ…?」
袋の中にはゼリーやプリンのチルドスイーツやスポーツドリンク、それに愛用のミネラルウォーター。
「気持ち悪くない?」
「なんで…、」
「…昨日、ここに来たから。」
淡々とそれだけ言うと、「じゃ」と背を向けて出て行ってしまった。
昨日、ここに来た?
じゃあ優しかった颯は現実の颯だったの?
「待って…」
サンダルに足を突っ込んで玄関を出る。
颯の背中を見つけると、走り寄って勢いのまま縋りつく。
「颯、私の事もう要らないの…?
私じゃ、ダメなの?」
昨日と同じ匂い。
知らない匂いがする。
「…、ごめん。
僕にはもう美緒と一緒にいる資格がないんだ。」
「資格って何?私は…颯しか好きじゃないのに…」
「ごめん、」
「自分勝手よ、颯。」
「うん…、」
「そうやって自分だけ楽しようとするなんて!」
「うん、わかってる。ずるいんだ、僕。」
「っ…、」
颯は振り向いて小さく笑うとそのまま歩いて行ってしまった。
諦めようとすると優しくしてくる。
こうやって私に、颯を忘れられないままにさせる。
「なんでよぉ…、」
視界が霞む。
これでほんとに颯は私のところからいなくなってしまう。
自分はまだ私を思っているかに見せかけて。
私にまだ追いかけさせるんだ。
「ずるい…。」
**Fin**
そう感じたのは、栄養失調と貧血で倒れて一週間くらいした後だった。
あの日から、何も変わらずゆるゆると日常は過ぎていく。
「美緒ー、一生のお願い!
今日だけ合コンに参加してー?
ねっ?慶大のイケメン揃いだから!!」
「いいよ。」
「だよねぇ…美緒は参加してくれないよね…」
「え、だから、いいよ?」
「…まじ?」
「うん、まじ。」
試しに合コンにでも行ってみようかしら。
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(水上颯Side)
近頃医学部が騒がしい。
というのも、美緒が合コンに行くらしいという噂が流れている。
医学部に入って誘われた回数はどれほどだろうか。
ことごとく断ってきた美緒が今週末には慶大生と合コンだそうだ。
「はぁ…いいなぁ美緒ちゃんと合コンかぁ」
隣に座る友人が小さくため息をつく。
「颯は女に興味ないから、どうでもいいか。
お前も顔良いんだから彼女の1人や2人くらいいるだろー?
女の子紹介してくれよー。」
「うざい。」
隣から肩を突いてくる友人の手を振り払う。
「おっ。」
少ししょんぼりしかけた友人は小さく歓喜の声を上げる。
「噂をすれば美緒ちゃん。
あー今日も可愛い。腕ほっそ。」
確かに痩せた。
あの部屋にも暫く帰っていない。
こないだ図書室で見たのは、やはり美緒だったらしい。
医務室の目の前まで行って、今更僕に何の資格があるんだと言いわけして背を向けた。
確かに美緒が好きだった。
一緒に居すぎたのか徐々に彼女の有難味が分からなくなってきた。
少し他の人走れば彼女の元に戻れるだろうと思ったのに、気づけば何か月も経っていた。
自然消滅と言ってもおかしくないだろう。
「美緒さんっ…!」
ぼーっとしていると叫び声が聞こえる。
僕たちの目の前を通り過ぎて遠くにいた美緒に背の高い男が駆け寄る。
何を話しているかは聞こえない。
美緒は彼に向かって丁寧に礼をすると背を向けて去っていく。
「あちゃー、アイツ美緒ちゃんに告白なんて無謀なことを…」
友人がご愁傷様と手を合わせる。
美緒、君は今、僕のことをどう思ってるの?
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「ではではー、乾杯っ!」
グラスの音が室内に鳴り響く。
目の前には顔の整った3人。
ひとりひとり自己紹介して、途中席替えなんかもしてそこそこ盛り上がったかもしれない。
「美緒ちゃん、次なに飲む?」
「いや、今日はもう辞めときます。」
「なんで?いいじゃん、同じのでいい?」
「ちょっと、」
目の前に勝手に置かれたハイボール。
無遠慮に腰や肩に回ってくる手。
これ以上は飲まない方がいいことはわかってる。
柄にもなく心の中で小さく舌打ちをする。
「美緒ちゃんて、意外と着やせするんだね。」
この一言に鳥肌が立つ。
最悪だ。
一緒に来た友人にこっそりLINEすると彼女たちも思ってたことは同じだった。
顔はいいが魂胆が見え見え。
キリの良いところで解散して各々帰路につく。
「飲みすぎた…」
外の風にあたり、徐々に酔いが回ってきた。
ハイボール勢が多いからとボトルにしたのが間違いだった。
「あの人…度数高いの入れたわね…」
度数が高く飲み口の良いブランドの物だったらしい。
あと少し長居してたらバタンしてたところだ。
「あれ、部屋の電気、消し忘れてたかな…」
自分の部屋に戻った安心感と回り始めた酒で目の前がくらくらする。
鍵を開けてそのまま玄関に倒れこむ。
「あー…床、気持ちい…、」
ひんやりとした床に火照った頬が気持ちい。
「美緒。」
「んぇ…?」
「こんなにベロベロになって…一体どんだけ酒飲んだの。」
「颯...?」
ついに幻覚が見えてきた。
颯がいる。
私をのぞき込む気だるげな顔がある。
「何?部屋行くよ。」
腕を引っ張られて身体を持ち上げられる。
颯が私に優しい。
「ほら、水。」
「うん、」
幻覚って凄い。
いや、これは夢。
酔っぱらって、自分のいいように脳が細工してるんだ。
優しい颯。
もうこんないい夢見れないだろうし、現実でもない。
普段なら絶対にしないけど…今日くらい夢に縋ったってバチは当たらないだろう。
「颯、」
腕を伸ばして抱き寄せた香りは私の知ってる香りじゃない。
なんてリアルなの。
目が覚めるまではそばにいてね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(水上颯Side)
久しく触ってないかったカギに手を伸ばす。
結局、戻ってきてしまった。
少しだけ、心配だった。
帰ってこなかったらそれはそれでいい。
そう思っていたが、
日付も回らないうちに鍵の開く音がする。
それとともに倒れこむ音。
まさかと思えば今までにないくらいにベロベロだ。
よくこれで帰ってきたものだと思うほどに。
「美緒。」
「んぇ…?」
上から覗きこむと僕を見上げる美緒。
赤くなった頬に眠たげな瞳。
…よく一人で帰ってきたな…。
引っ張り上げて、覚束ない足取りの美緒を支えてソファに座らせる。
コップに水を入れて渡すと素直に受け取って半分ほど飲み干す。
落としそうな手からコップを奪い取ってテーブルに置く。
不意に後ろから伸びてきた腕にバランスを崩してそのままソファにダイブ。
「颯、」
自分にすり寄って甘えてくる美緒を僕は初めて見た。
彼女は男に依存するタイプではない。
しっかりしてて尊敬できる存在だ。
「美緒、そういうの良くないよ。
今日はもう寝よう。」
彼女を抱き上げてベッドの中に入れる。
「…僕はもう帰るから。
具合、悪くしないようにね。」
「…いや。」
彼女の小さな手が僕の服の裾を掴む。
「颯、」
「っ…、」
思わず彼女の上に跨って後悔する。
「これじゃそこら辺の男と一緒だな…」
「颯、好き、」
僕の腕に縋りつく細い腕。
「だめだ…、」
寝息を立て始めた彼女の腕をそっと外してベッドサイドに腰かける。
「…、僕、なんで美緒に興味なくしてたんだろ。」
小さくため息をついて頭を抱える。
あんなに雑に扱っておきながら今になって惜しくなるとか…。
最悪だな。
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「う゛…頭痛い…」
最悪の目覚めだ。
頭がひどく痛い。
気だるい身体を起こしてキッチンへ向かう。
冷蔵庫に入っていた飲みかけのミネラルウォーターに口をつける。
「…夢、だったんだ。」
昨日、帰ってきたら颯がいた。
いや、颯がいた夢を見た。
気だるげな颯は前みたいに優しくて、幸せな気分だった。
テーブルの上のコップ。
昨日の夜、覚えてないが自分で出したのだろう。
「知らない人の香りがした…。
夢ならもっと私に都合よくあってよね。」
颯が使ってた専用のシャンプー。
まだバスルームには残ってるけど、その香りじゃなかった。
他の女の人の使ってるシャンプーの匂いなんだろう。
「酷いなぁ…」
小さくため息をつくとインターホン。
時計の針は朝の9時。
モニターを覗くと颯が居た。
私は、まだ寝ぼけてるんだろうか。
「…はい。」
「おはよう。」
「…おはよ、」
「これ。」
がさりと渡されたのはコンビニのビニール袋。
「何これ…?」
袋の中にはゼリーやプリンのチルドスイーツやスポーツドリンク、それに愛用のミネラルウォーター。
「気持ち悪くない?」
「なんで…、」
「…昨日、ここに来たから。」
淡々とそれだけ言うと、「じゃ」と背を向けて出て行ってしまった。
昨日、ここに来た?
じゃあ優しかった颯は現実の颯だったの?
「待って…」
サンダルに足を突っ込んで玄関を出る。
颯の背中を見つけると、走り寄って勢いのまま縋りつく。
「颯、私の事もう要らないの…?
私じゃ、ダメなの?」
昨日と同じ匂い。
知らない匂いがする。
「…、ごめん。
僕にはもう美緒と一緒にいる資格がないんだ。」
「資格って何?私は…颯しか好きじゃないのに…」
「ごめん、」
「自分勝手よ、颯。」
「うん…、」
「そうやって自分だけ楽しようとするなんて!」
「うん、わかってる。ずるいんだ、僕。」
「っ…、」
颯は振り向いて小さく笑うとそのまま歩いて行ってしまった。
諦めようとすると優しくしてくる。
こうやって私に、颯を忘れられないままにさせる。
「なんでよぉ…、」
視界が霞む。
これでほんとに颯は私のところからいなくなってしまう。
自分はまだ私を思っているかに見せかけて。
私にまだ追いかけさせるんだ。
「ずるい…。」
**Fin**
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