相澤先生誕生日まとめ
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おはよう、おはよう、と優しく声をかけられた。
柔らかい布団の感触を左足で堪能していると何かが足先にぶつかった。
衝撃にゆるゆると覚醒していく思考にぼんやりと目の前の景色を眺めると、目の前には春の海を思わせる髪の毛が枕の形に合わせて散らばり、深く美しい紫の瞳が柔らかな形をとってこちらを見つめていた。
彼女はほぼ毎日アームカバーをつけているために腕はやや白い。反対に手の甲は健康的に日焼けをしている。
その手が俺たちの間にあるのを意味なく見つめていれば、ゆったりとこちらに手を伸ばして俺の髪に指を差し込んで、撫で梳いていく。
触れられる感触にまた眠気を感じながらへにゃりと笑う彼女を眺め、起きたての温い頬に軽く握った指を這わしてみれば今度はくすぐったそうに笑うので、しみじみとこの状況に奇妙さを感じながら頬の触り心地を堪能した。
きっとあの男が生きていたのなら『ここまで生き延びたゴホービじゃね?』とかなんとか、あの白い髪を揺らしながら適当なことを言うんだろう。
「…まだ起きる時間じゃないだろ」
「なんか目が覚めちゃって。眉間に皺すごく寄ってたけど、足は大丈夫?」
「大丈夫だ。痛みとかはない」
「よかった」
ホッとした顔にこちらもよかったなんて思っていると急に頬へとキスをされ、『お誕生日おめでとう消さん』と祝いの言葉を贈られた。
「…おう。で、何で口にしない?」
「えっ、いや…寝起きで多分私の口臭いし」
「俺だって臭いだろうが」
ハァ、と意地悪く顔に息を思い切り吐いてやれば「ぐわ!」なんて声を漏らして顔のパーツを中心に寄せるように歪めたもんだから、一度噴き出せばもう笑いが止まらない。
あと何度、おめでとうと言ってくれるだろう。
あと何度、ふざけ合えるだろう。
あと何度、愛してると言えるか。
「澪、ありがとう。愛してる」
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