②雄英入学~敵襲撃
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「おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれーー!!」
「白米に落ち着くよね最終的に!!」
ー…初日から色々とあったけれど、午前と昼休みが無事に終わり、午後の授業がこれから始まろうとしていた。
「わーたーしーがー!!
普通にドアから来た!!!」
ザワザワと英雄の登場に歓喜の声を上げるクラスメイトたち。
私も流石にレジェンドを生で見るのは興奮が収まらない…!
本当は浮かれない方がいいけれど、あとでサインもらえないかな…。
「オールマイトだ…!すげえや本当に先生やってるんだな…!!!」
「銀時代のコスチュームだ……!画風違いすぎて鳥肌が……」
確かに。本当に画風違う。大丈夫?コストかかりすぎてない??
「ヒーロー基礎学!
ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う科目だ!!単位数も最も多いぞ!早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
「「戦闘……」」
「「訓練…!」」
「そしてそいつに伴って…こちら!!!」
!?
いや本当に雄英ってすごいね!?
壁からなんか物音すると思って見たら何か収納スペースが出て来たよ!?
「入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」沿ってあつらえた…戦闘服!!!」
「「おおお!」」
「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」
「「はーい!!!」」
「格好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!!
自覚するのだ!!!!今日から自分は…ヒーローなんだと!!
さぁ!!始めようか有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!!」
オールマイトの掛け声とともに皆スーツケースを持って更衣室へ向かった。
私も更衣室に向かい、スーツケースを開けると、そこには少し違うデザインだがとても懐かしいものが入っていた。
「わ、懐かし」
提督帽を一度撫でて、横に置く。
要望した提督帽があったから提督服もありそうだなと思い、スーツケースを漁ると指定していない色合いのものが見られ、首を傾げて広げて持ち上げると、要望とは全く違ったコスチュームになっていた。
「なっ…」
どういうこと!?
ちゃんと自分のものか、スーツケースを確認してみれば、紙が一つ落ちていくのを視界の端で捉えた。
「なになに…。艦 澪様、この度はご注文ありがとうございました。
つきまして、ご要望にありました『提督服』というデザインでしたが、あまりにシンプルで少し勿体無いと思いましたのでこちらで最高のデザインにさせていただきました。
これからも弊社を宜しくお願い致します…?」
………自由かよ。
ちなみに上からデザインを言えば…要望した提督帽。
それから下はほぼ要望外で、薄浅葱色のセーラー襟で後ろの襟の角には金具とふさふさしたやつがついている。
そしてスカーフは両端が紙垂の形をしたものだった。
…どことなく初春意識されてない?え?ここのサポート会社の人たちって別に艦娘のこと知らないよ…ね?
膝上丈のスカートを広げればは同じ浅葱色で、腰回りとヒダが袴と同じ形になっている。
…これじゃあまるで艦娘だよ……。
ていうかスカートって。ヒーローなのにスカートでもいいの?邪魔じゃない?パンツ見えない?あ、スパッツ入ってた。これを履けということね。
…いやそういう問題じゃなくない???なくなくなくない?????
「…くそ……まぁ、我慢するしかないか…」
時間もないのでさっさと着てみれば案外馴染んだことに驚いた。
「悔しいけど…なんだかんだキマってる…」
もしかしたらこの艦娘みたいな服でよかったのかもしれない。
艦娘の皆と力を合わせて戦ってる感があってイイ。
キュ、と帽子を最後にかぶれば気が引き締まり、グラウンドに向かった。
「ヒーロー科最高」
何か残念な視線と共にその言葉が聞こえた気がしたが、聞こえないふりをした。
というか周りを見れば割とヘルメットかぶっている子が多くて顔がわからないなぁ…
「あ!艦…さんだっけ?」
「ん?そうだよ。苗字長いし澪でいいよ」
「そっか!うちは麗日お茶子。好きに呼んでええよ!
澪ちゃんのヒーロースーツ、セーラーなのかわいいね!」
「ありがとー。お茶子のヒーロースーツは宇宙服みたいでいいね、かわいい」
「へへ、そうかな…」
訓練の内容は屋内での対人戦闘訓練で、敵とヒーローに分かれて2対2の屋内戦を行ってもらうと説明され、早速コンビをくじですることになった。
1つだけランダムでチームが3人になるところがあるらしい。
「Iチームかぁ。」
「あ!澪ちゃん私と同じ!よろしくね!」
「ホント?葉隠さんよろしくね」
「透でいいよ!」
「ん。じゃあ透、よろしくね。」
「あれ?もしかしてお前らIチーム?」
「尾白くんだっけ?そうだよ。あ、多分私達が先生がいってた3人チームだね」
「私達3人かぁ!心強いね!」
「ん、そうだね!がんばろ!」
なんてまったりしてたら最初の対戦相手が決まり、Aがヒーロー、Dが敵となった。
緑谷くんと…爆豪くん…。
個性把握テストでなんか二人揉めてたっぽいというか爆豪くんが一方的に突っかかってるっぽいけど因縁か何かでもあるのかしら、なんて思ってるとサクサクと始まり爆豪くんと緑谷くんはガチバトルしてた。
目が離せない。
「すご…なにあの機動力…。」
「目眩しを兼ねた爆破で軌道変更、そして即座にもう一回…。
考えるタイプには見えねえが意外と繊細だな」
「慣性を殺しつつ有効打を加えるには左右の爆発力を微調整しなきゃなりませんしね」
「才能マンだ才能マン。ヤダヤダ…」
爆豪くんの戦いのセンスには私も見習うべきだとは思うところは多々あるけど正直私怨が見えすぎててドン引きだよ…。
「逃げてる!」
「男のすることじゃねぇけど仕方ないぜ。
しかし変だよな…爆豪の方が余裕なくね?」
そして二人が殴り合おうとした時、先生がギリギリまで粘ったが、両者のやりすぎにより双方中止の声がかけられた。
が、緑谷くんが何か喋り、お茶子は柱にしがみついた。
「!?上に打ってお茶子達のいる床ぶち抜いた!?」
そしてお茶子!?それハリボテだけど一応核だからね!?
なんて思いながらも見守っていると、決着はこの一瞬でつき、ヒーローチームの勝ちとなった。
緑谷くんは腕の損傷が酷く、ハンソーロボによって保健室へ連れていかれ、残った人たちで講評の時間となり、今戦のベストは飯田くんとなった。
ー場所を移し第二戦。
ヴィランチームとなった私は大いに気合を入れた。
「尾白くん、澪ちゃん!私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」
「「うん…」」
尾白くんと私は顔を見合わせて苦笑いをする。
考えてることは一緒だ。
私たちはとりあえず核のある場所へ行き、尾白くんは広間の核の前での待機、透は同階にいてもらい、私は二階の階段前の廊下で待機をすることにした。
シンとした廊下。
呼吸を整え、私が敵だった場合を想像する。
この階の廊下は絶対通らなきゃならない。
でもその前に倒せるなら倒しておきたいというものだ。それが無理でも情報を少しでも手に入れておきたい。
私は手早く艦爆と艦攻、彩雲を発艦させ、万が一ヒーローに指示が聞かれていたら困るので念のためモールス信号で攻撃と偵察を任せ、私は遠距離で攻撃できるように戦艦に換装した。
「さて…と………ん?」
パキパキッと音が聞こえる。
………!
「建物が凍ってく!?」
何それ!?
しかも威力強いね!?
あっという間に足元が凍り、動けなくなる。
「ど、どうしよ…」
いきなりこれかい…容赦ないな…。
多分これは個性把握テストで氷を使っていた轟くんだろう。
どうすっかね、と思うと情報が入ってきた。
…ほとんどやられたか。でも建物の中に入って行くヒーローは一人でおそらく轟くん。
そしてもう一人は動く様子がないとの連絡だったのでまぁそうだよねこれなら敵が動けないから轟くんが行って障子くんが待ってればいいって思うよね。
残った機体にはルートを知られないようにあらかじめ開けておいた窓から三階に移動してもらい、尾白くんの元へフロア移動で見つからないように合流せよとモールス信号で命令した。
相手はまだ一階にいるのか…。
「うーん、敵だし切羽詰まってての立てこもりだよね。それならこれ以上上には行かせたくないよね…。
それなら…!」
下に向けて一点集中で私に近い位置を狙う。
大丈夫。私の今いる場所は丁度柱と柱の中間地点だからこの建物に大きなダメージを与えることはない。
主砲で足元の近くを打ちって私の足に張り付いている氷を砕く。
それからすぐ空母になり、反対側と核部屋に艦爆を発艦させてから駆逐艦へと換装をして、轟くんと対面するべく走った。
あと50mというところで一度止まって戦艦に換装し、狙いを定める。
そして曲がり角であの特徴的な色の髪が見えた時点で撃ち込み、すぐさま身軽な駆逐艦に換装して轟くんに攻撃をした。
「!っぶねぇな」
…避けられた!
「驚いたな。お前あの氷結攻撃を避けたのか」
「避けてないよ!モロ食らったけど個性でちょっと砕いただけだよ。何せ大事な核を守らなきゃならないもんでね!」
尾白くんと透は私みたいな個性じゃないからきっと抜け出せていないと思う。
だから私がここで十五分稼がなきゃならない。
「ならもう一度、今度はお前の個性の大砲部分も凍らせねえとな」
「もう誰が引っかかるか!」
駆逐艦によって上がった機動力を生かして避けて行き、後ろに来た艦爆を確認する。
「撃てーっ!!!!」
「は?」
振り返った轟くんは挟まれたと舌打ちをし、氷の壁を作って攻撃を防ぐ。
「この時を待ってました!」
「!」
ブンッと鳩尾に拳を入れて力一杯殴り飛ばし、轟くん自身が作った氷の壁に打ち付ける。
個性を発動している時の私は馬鹿力だから、その勢いはすさまじい。
今の攻撃で動けなくなった轟くんの手を拘束して轟くんの体をまさぐれば、捕獲用テープを取り出す。
最後に身動き取れないように手足をぐるぐると巻いてやってインカムを軽く叩けばどうしたんだい、とオールマイトが反応してくれた。
「オールマイト先生、やった後で申し訳ないんですけど、敵チームに配布されなかった捕獲用テープを奪ってヒーロー側を捕獲するのって有りですか?」
『んん〜!時としてはこういうこともあり得るからね!OK!』
「よしゃ」
「ぐっ…うっ…」
「あー、轟くんごめんね?あとで保健室行ってね?」
よいしょ、っと轟くんを俵担ぎをして急いで核の部屋へ急ぐ。
轟くんは痛そうだけど気は失ってないようだ。舌噛まないように気を付けてね。
「ってまずいまずい!思ったより時間かかった!」
「…?お前らのとこの勝ちだろ?」
轟くんは痛みに耐えながらも不思議そうな表情をして私に何を言っているんだ?というようなニュアンスで問いかけてきた。
「ばっか!まだ勝ってないでしょ!あと五分あんだよ!?
しかも相手は握力のある障子くん!よくは知らないけど外から壁でも登られて核部屋に行かれちゃかなわん!」
いくらか艦爆も向かわせたけどこの感じじゃあ時間稼ぎにしかならない!
全速力で階段を上って行くと、今まさに障子くんが核に触ったところだった。
「ああああああ〜〜〜〜〜っ!!!!!」
『ヒーローチームWIN!』
くそぉおおお負けたぁああっ!!
「悔しい~~!」
「悪いが勝たせてもらった」
「障子くんこの建物が凍っててもう勝ちだって確信してなかったの!?どのタイミングで行こうと思ったの?!」
「時間がかかっていたのと、お前の大砲の音が聞こえてもしかしてと思ってな」
「ぐぁあやっぱりか!もしかして耳よかったりする!?」
「まあな」
「はぁ〜〜まじか…抜かったわ…轟くんにも油断してたし。今テープ取るね」
「おう。尾白、凍らせたままで悪かったな。」
轟くんは壁に左手を当てると、もう一つの個性を使って建物の氷を溶かした。
「
「すごいなー…。………あっ透!
透はどこ!?あの子裸足だから靴届けてあげなきゃ!多分足も冷えちゃってる!」
「…この階の反対側にまだいるぞ」
「ありがとう障子くん!ちょっと届けてくるから皆先に下行ってて!」
男子たちと別れて透の元へ行くと、無線機が一つ浮いているのを見つけた。
「透〜!足大丈夫!?」
「うん!ちょっと足痛いけどあっためたら大丈夫そう」
「靴と手袋持ってきたからよかったらはいて!歩けそう?」
「うん、なんとか」
「よかった。でも念のため手繋いで行こう」
「澪ちゃんありがと〜優しいね」
「なんのなんの。粘ったけど負けちゃってごめんね」
「ううん!また次がんばろ!」
「うん」
「講評の時間だ!今回のベストは轟少年だ!
仲間を巻き込まず核兵器にもダメージを与えず尚且つ敵も弱体化したところがよかったね!
そして惜しかったけどもう一人、艦少女だ!
敵として最大限の警戒と、情報を手に入れて立ち回る姿、そして容赦ない攻撃を見て戦闘に慣れているようだったよ!
ただまだまだ実践が足りないのかややぎこちなかったね!
でも今回はほぼ一人の状態での攻防だったから動ける人数がいたら勝てたかもしれない!これからも頑張れ!」
「はい…!」
オールマイトに講評されるのって思った以上に嬉しいね…!?
嬉しさを噛みしめつつ、ほかの対人訓練を見学しながらも
そしてつつがなく対人訓練は終わり、最後の締めとなった。
「お疲れさん!!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」
「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…何か拍子抜けというか…」
「真っ当な授業もまた私たちの自由さ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!!」
風を切るような速さでオールマイトはさっさと帰ってしまった。
何か急ぎの用でもあったんだろうか…、とオールマイトの去った方向を眺めて私たちは更衣室へと足を運び、この後の授業もつつがなく過ごした。
──時は進んで放課後。
反省会をしようと言われて残り、あーだこうだと話していると消さんが来て「お前らもう帰れ」と帰らされてしまった。
お腹も空いたし早く帰りたいな、と思いながらスマートフォンを開けばメールが届いてた。
メールを開けば母親からで、今日はカレーらしい。金曜日でもないのに珍しいなぁと思って入れば一番下には衝撃の言葉が書いてあった。
「…な!?」
「艦どうしたんだ?よかったら一緒に飯食いに行かね?」
「ごめん今日は無理!あと名字長いから澪って呼んで!じゃあまた明日!」
「あっ!」
ごめんね上鳴くん!今日は無理だ!
だって今日は…!
「メンチカツカレーだから…!」
私はその日、全速力で帰った。