⑤救助訓練レース〜林間合宿
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朝。流石に昨日はちょっと疲れていたみたいで、いつもより少し寝坊をしてしまった私はギリギリの時間に登校をした。
危なかったぁ、と思って後ろの扉から入れば丁度緑谷くんと切島くんがいて、真っ先に挨拶をしてくれた。
「おー!おはよう澪!」
「あ、おはよう…み、澪さん!」
「おはよ。…何この空気。どしたのさ」
特に上鳴くんと三奈の辺りが凄い。
…もしかしなくてもどんよりとした空気の発生源はそこか。
「あーっとな…これは?…」
切島くんが頭をかきながら「試験結果で芦戸と上鳴が落ち込んでるんだわ…」と言いにくそうに説明をしてくれた。
あぁそうか…。
三奈の頭をポンポンと撫でてやれば彼女はポロポロと泣き始めてしまった。
「皆…土産話っひぐ、楽しみに…うう、してるっ…がら!」
「まっ、まだわかんないよどんでん返しがあるかもしれないよ…!」
「緑谷、それ口にしたらなくなるパターンだ…」
「緑谷君…うん、私もなくなるパターンだと思う…」
「そ、そうかな…」
うんうん、と瀬呂くんと私が頷いていれば上鳴くんはビシッと緑谷君に指をさして声を張り上げた。
「試験で赤点取ったら林間合宿行けずに補修地獄!
そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら貴様らこ偏差値は猿以下だ!!」
「えええ」
「落ち着けよ、長え」
ツッコミを入れながらも瀬呂くんは自分に指をさして「俺や切島、砂糖だってわからねーしよ」、と言って上鳴くんを落ち着かせようとしたものの結局上鳴くんには逆効果で。最終的には半泣きになってた。
…聞くところによれば、校長先生のやり方は相当エグかったらしい。
何でも直後からゴールまでの最短ルートがどんどん潰されていき、最終的に一つだけ…めちゃくちゃ遠いルートのみを残していたとか。
「予鈴が鳴ったら席につけ」
カァンッと教卓側のドアが開き、黒い髪の毛を切りなびかせる我が師匠こと、消さんだ。今日も毛がパサついてますね。トリートメントしたらツルツルになりそう。
いつもの気だるげな声に皆が席についたのを確認した消さんは期末テストの結果について話し始めた。
残念ながら赤点がでた、と消さんが淡々と喋る中、該当しているであろう二人は後ろから見てもわかる程落ち込んでいる。
…補修って前世ではあったけれど受けたことはないから結構ファンタジー的な気持ちなのだけれど…、やっぱり休みの間この教室に通って…って感じでキツいのかなぁ。
「したがって…
林間合宿は全員行きます」
「「どんでんがえしだぁ!」」
「筆記の方はゼロ。実技で上鳴・芦戸。あと切島・砂糖・瀬呂も赤点だ」
「え!?俺達も!?」
隣の砂糖くんが頭を抱えている。
同じチームだった私や峰田くんは名前が呼ばれなかったから合格ってことか。
「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな…」
「行っていいんスか俺らあ!?」
切島くんが右手を上げて大声で質問する中、消さんは淡々と質問に答えていく。
「今回の試験。我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るよう動いた。
でなければ課題云々の前に詰む奴ばかりだったろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは…」
「追い込む為さ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。
赤点取った奴こそここで力をつけてもらわなきゃならん。」
尾白くんの質問に答えた後、相澤消太という男は齢30にしてその伏せがちな眼をがっつり開いて「合理的虚偽ってやつさ」と愉快そうに言ってるし、クラスのみんなはゴーリテキキョギィイー!!と叫んでとてもいい反応をしている。
うーん…ホントこのクラスって基本的にいい子達ばっかりだよなぁ。
そして消さんは人を掌の上で踊らせるのが好きだよね。
過去に一歳サバを読んだわたしも悪いけど、わかってたことをわざと黙っていた上に、毎日ランドセルを隠していた私を見ていたことは一生忘れられないだろう。
「またしてやられた…、さすが雄英だ!
しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
わあ、水差す飯田くん、と後ろから呟く声が聞こえる。
お、お茶子さん、私あなたの前に座ってるから丸聞こえだよ…。
「確かにな、省みるよ。ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ。おまえらには別途に補修時間を設けてる。
ぶっちゃけ学校に残って補修よりキツイからな」
「──!!」
「じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」
飯田くんから受け取ったしおりをお茶子に回してからパラパラとしおりを眺める。
やっぱこういうしおりあるんだね。
今世の小学生の時にそういやそれぞれページ担当して作ったなぁ。
「…このしおり、やけに手作り感ある……?」
なんかページごとに個性出てるよね?
前半のページとか、見開きのクオリティが妙に高い。そしてちょいちょい英語混ぜられてて絶対これマイク先生でしょって感じの仕上がりになってる。
ページのテンションも高い。
…担任じゃないのにページ作っていいのかな。
そう色々としていうちに予鈴が鳴り響き、そしてクラスのみんなで挨拶をすると、また消さんに呼び出しをくらい、職員室までついていけば一枚のディスクを渡された。
「これは…?」
「お前体育祭の時体調崩して心操と緑谷の対戦見てなかったろ。焼き増ししたやつで、あれから時間は経っているがアイツの個性がどのように使用していたのか見とけ。」
「わ、わかりました」
「学校で見るなら一言言ってくれ。情報処理室の鍵預けるから。」
テキパキと。
それはもうテキパキと指示をされて、「あとはもうないな?」と言われたので「は、はい」と答えれば背中を押されて職員室から出された。
「それじゃよろしく。あと訓練ごとにこの紙に勝敗記入して俺の机に置いておけ。心操に負けた場合お前にはペナルティがあるからな」
カラカラと音を立てて閉められた職員室の扉を見ながらポカンとした後、手元のディスクを見て数秒。
ペ、ペナルティ…?
「と、とりあえず昼休み見るかな…?」
ペナルティのことはひとまず置いておこう。多分だけど鬼訓練だと思うし。
でだ。この間の態度はなんだったんだろうかというくらいさっきの態度がめちゃめちゃ普通だった消さんに若干の戸惑いを感じずにはいられなかった。
いや、アレでいいんだよ。なんでちょっとだけ私シュンってしてるんだろう。おかしくない?
「なんか…こういうの考えちゃダメな気がする」
自分の気持ちや他人の深い部分を解明することはあんまり得意じゃないし、疲れるっていうのを知ってるからやめよう。
結局人からちゃんと言葉で聞かないとわからないし。
「…よぉし、まってろよ心操くん!」
あの対戦自体がそんなに時間取らなかったと思うから、お弁当手早く食べて見よう。
そうして私は予定を組み立てることにして、落ち着きを取り戻すことにした。
***
無事に昼休み心操くんの対戦を見た私は消さんに鍵を渡し、放課後を待った。
けれど、途中でA組のみんなで買い物に行こう!という話になり、誘われた時私はものすごぉ……く行きたい気持ちになった。…正直今も行きたかったと気持ちあります。
でもやっぱり心操くんの予定は外したくないので、皆にはどうしても外せない用事があるからごめんねと謝って辞退をした。
──そして放課後、訓練場を借りて私と心操くんは訓練をしていた。
場所は森林ゾーン。日陰はあるものの空気は暑い。
心操くんには有利な場で逆に遠距離の私には少し不利だけれど、主に私たちがやることは対人訓練だった。
ただ、私たちの対人訓練は少し特殊で。
私は個性を使っていいけど、心操くんは捕縛布か体術での対応、または両方を使った戦闘をしろ。個性は使わないようにと消さんから言われていた。
なんでも、「“個性”が使えなくなった時のために生き残る術を身につけろ」…らしい。なるほど。
そしていざ対人訓練を行った時だった。
「…あのぉ、心操くん」
気まずそうな私の声。
「……………何」
不機嫌そうな心操くんの声。
「これは…その、」
「言いたいことがあるならハッキリといえよ。そうだよ。まだ捕縛布全然扱えてないんだよ。」
二分ほど前。ガンギマリしすぎている心操少年は私の方に捕縛布を放ったものの、私の足元より一歩離れたところに捕縛布の先をふんわりと落とし、まだ扱えていないことを盛大に見せてくれたのだった。
それによって激重になってしまった空気に思わず私が話しかければ心操くんの怒涛の早口。心操くんってこんなに早口だった?
と…、とりあえず落ち着いてください。唇とんがってるし、案外年相応な態度するんだね心操くん…。
「ど、どうどう。上手く扱えない時期ってキツイのわかるから、落ち着いてよ。」
「そんなこと…」
「あるよ。私、消さんから個性の訓練を受けるまではほとんど使ってこなかったからさ。最初全然使い物にならなかったの。
だから今の状態って楽しさより、苦痛のほうが大きいってこと知ってるよ」
そう言えば彼は伏せがちな目を開いてやがて小さく頷いた。
「今日は最初だし、私と訓練する時は無理に捕縛布使うことないよ。寧ろどのくらい動けるのか見たいからそうしてほしい。」
まぁ、理想はソレを組み合わせた戦闘だけども、と肩をすくめて言えば心操くんは最初よりもガンギマリ状態を解除してわかったと返事をしてくれた。
そして彼が二度自分の頬を叩いてから、私たちの対人訓練は始まった。
「──っと、すごいな心操くん。」
「んのやろ…軽々といなして…!っお前遠距離だろ!なんでそんなに動けんだ!」
「そりゃ前も言いましたけど、こんなナリだと狙われる可能性があるから…ねっ!」
突き出す拳を避けて彼の手首と肘を抑え、下へと押していく。
そしてそのまま押したまま、まるでダンスでもするかのようにくるりと身体を反転させて心操くんの腕を持ち上げると、彼は痛みに顔を歪ませて動きを止めた。
「どう?」
「…同学年の女子にドヤ顔されるとこんなにムカつくんだな」
「だったら強くならないとね。手段は多い方が良い。今の技のコツは相手の関節をしっかりと掴んで持ち上げることだよ。」
「関節…わかった」
「さっきやられてわかったと思うけれど、最後の持ち上げで力入れすぎると折ることもできるだろうから敵以外との対人訓練とかの際は気を付けて」
「わかった。…ところで艦の知ってる体術は護身ばかりなのか?」
「まぁ、護身の方が多いかも。個性自体がなるべく安定した場所で遠距離で使って支援したいからね」
「ふぅん。じゃあ近距離でこういうことされて捕縛されたら?」
「へ」
油断しきっていた私はいきなり腕を掴まれ、心操くんは空中にぶん投げた。
おお、小柄にしたって人間を投げるって相当すごいぞ。
なんて呑気に考えていれば心操くんはこともあろうにまだ使えないと嘆いていた捕縛布を使ってきたのだ。
「ちょっと!?捕縛布使えないって!」
「完全にとは言ってないだろ。たまに使えるんだ」
「この野郎!!!」
白い帯が私の体に伸びて綺麗に巻き付く。そして力いっぱい心操くんに引っ張られると『負ける』という言葉が脳内に浮かび、同時に消さんから言われたペナルティも思い出す。
流石に私もペナルティは嫌だよ!しかも今の心操くんに負けるのは悔しすぎるし!
「もう参ったって言ってもいいぞ」
「誰が!でも私まだ“個性”使ってないよ!」
入学前は散々消さんにぶん投げられていたからか焦った反応はしてしまうものの、意外と冷静だ。
私は空中で重巡級に換装して巻きついた捕縛布を無理矢理艤装で広げて拘束を緩めさせていく。
突然のことにより首の捕縛布が引っ張られ、翻弄されて転んでしまう心操くん。
その隙を逃さずに、私は発動した際に現れた鉄製のベルトと艤装を繋ぐジョイント部分を外して捕縛布からさっさと抜け出して換装を解いた。
「艤装外せんのかよ…っ!」
「まぁね!」
私の個性の艤装は体に密着した状態で発動されるから今のように拘束を解くことが出来る。
更にその艤装は外すことが出来、外した後に個性の使用を解除したりされたりしない限り、その艤装は消えないらしい。
どの場面で役立つかは今のところ脱出くらいしかわからないけれど、割と囮として使うには便利なのかもしれない…ととてもふんわりと考えている。
しかも外した艤装はどうやら使用者以外には使えないようで、その辺に落として行ったとしても重いから安心だし、相手が力持ちで鈍器として使わない限りは鉄くず同然なのだ。
「まだまだ私も卵だけどね!やる時はやるもんだよ!」
「うわっ!」
抜け出した私は一気に間合いを詰めながら、駆逐艦に換装させる。
そして私は心操くんの襟を引いて足を引っ掛けて彼を倒した後、上に乗って首元に砲身を突き立てた。
「…は…っ、…まいった」
「はぁ…はぁ…私の勝ちだね」
彼から離れると、くそ…と本気で悔しそうな声を出した心操くん。
それだけでも彼がどれほどヒーローを目指したいのかがよくわかる。
「ほい、スポドリどうぞ」
「…どーも」
「ふてくされてる?」
「べつに」
そう言いながらも彼はドリンクを飲んで少しムスッとしている。
私は右隣に座って同じように一口ドリンクを飲んだ後、「まだ捕縛布使いにくい?」と聞けば、心操くんは難しい顔をしてドリンクを置いて捕縛布を握りしめた。
「使いにくいけれど、ヒーローを目指すなら、俺は捕縛布を使いこなさないとならない。俺には艦とかみたいな攻撃型の個性じゃないから」
「…そうだね」
私は頬杖をつきながら彼を数秒見つめてから、左手を捕縛布に伸ばせば丁度端っこだったようで、指で軽く引っ張ればするりと私の指の上を滑り、やがて端を過ぎれば力なくそれは落ちた。
私たち攻撃型の個性を持つ人間からそれを見れば、それはまるで、頼りない蜘蛛の糸の様に見えることだろう。
それでも、彼には…いや、彼らには立派な武器であり…──。
「命綱…」
「え?」
「…心操くん。人々を救いたい気持ちも大事だけれどね。生きて救わなきゃならないということも、その胸に刻んで欲しい。」
もう一度捕縛布の端を掴み、その手で握りこぶしを作って心操くんの胸を軽く押すと彼は非常に戸惑った顔をしていた。
きっと彼は急に語りだしたなと思ったことだろう。
でも。同じ師を持つ者として、USJでの事件を経てからより強く感じた思いを、これからヒーロー科へ編入を考えている彼にどうしても聞いてほしかった。
「ヒーローに限らず。人を救う職業の殉職は周りも自分も不幸にさせることを…忘れないで。けして、それは偉いことではないと。
周りは名誉あることだと言って親族を納得させて元気付けさせようとする人もいるかもしれないけれどね。
殉職された方に近しい人間からしたらそんな言葉全く効かないよ。虚しくて、悲しいって気持ちが大きいんだよ。心は全く救われないんだよ。…した側も。
だから、私たちは死ぬ気で生き抜くことを意識しながら、救わなきゃならない。…どうか、キミも人を救う者を目指すなら、それを覚えていて」
「いくさ、ぶね…?」
視線がだんだんと下がっていき、私は握りこぶしを少し見つめた後、緩めれば捕縛布はまた落ちていった。
けれど、その捕縛布は力なくだらりと落ちたままになることはなかった。
心操くんが、それを受け取ったのだ。
「…大丈夫」
「え?」
「死ぬ気はないから。それよりも艦のクラスの緑谷を心配した方がいいんじゃないのか?」
に、と笑った心操くんに今度は私が戸惑ってキョトンとしてしまった。
やがて理解が追いついた私は彼を見て、同じように笑い、「そだね」と返した。
「そういやさ、合宿、行くんだろ」
「うん、行くよ」
「羨ましいな」
ポツリと静かに呟かれた声は少しかすれていて油断していると聞き逃してしまいそうだった。
視線を合わせるように瞳を見れば、彼もこちらを見つめていた。そんな彼の瞳は深海のように深く、静かな色だ。
「心操くん」
「なに?」
「…待ってるからさ、早くおいでよ。私は心操くんと授業で本気の対人訓練したいよ。
まぁ、一番は何よりも将来キミがヒーローになって。消さん…イレイザーヘッドと三人でチームアップしたいって思ってる」
「艦はヒーローになる前提かよ。しかも戦闘バランス悪いなぁ」
「バランス悪いのは知ってるよ。でもいいじゃん師弟がチームアップするのって。カッコイイじゃん」
「カッコイイ?」と返された私は心操くんに当然のように「うん、カッコイイ。」と返せば彼は前を向いて鼻の下を軽く擦り、「…そっかぁ」と返した。
対人訓練を始めた時よりも日は随分と傾いてきており、もうそろそろ帰らないと見回りの先生が来ちゃうかな、と思ったけれど、それでも彼とはもう少しだけ話したいと思った。
「そうだよ。それに前提なのも当たり前だよ。だって、約束したもん」
「相澤先生と?」
「まぁ。でも消さんだけじゃないよ」
誰と?という表情でこちらを見る心操くんの純粋であどけない表情に年相応さを感じてしまってつい笑ってしまいそうになるのを堪え、個性に約束したと話せば私の言葉を彼は復唱してまるで訳が分からないという表情をした。
そうだよね。わからないよね。
「あのね、私の個性は艦の魂も背負っているの。だからね、その魂に伝わってるかは知らないけれど、貴女たちの力を使って人々を救けることを約束しますって誓ったの」
「…そっか。伝わってるといいね」
「うん。ありがとう」
「…でもやっぱ俺たち三人の戦闘バランス悪いよ」
「そんなに私とチームアップしたくないの?怒っていい?」
「ごめんごめん」
「いいよ。大人だからね」
「本当の大人は大人だってことは言わない」
「生意気だぞ弟弟子」
どちらのものかわからない笑いが夕暮れの森に溶けた。
そしていつの間にか陰で見守っていた二人の師が現れ、いつもより柔らかな声で私たちの帰りを促したのだった。
「そういえば思ったんだけどさ、心操くん」
「何?」
「その艦って呼ぶの面倒臭くない?大丈夫?なんなら名前で呼んでいいからね」
「……………考えておく」
「お前らさっさと帰れって言ってるの聞こえてるか?」
「ごめんなさい」
「すみません」
「ったく」