③体育祭
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そして雄英体育祭、本番当日!!!
「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
今日もフルスロットルな飯田くん。いいぞ、いつも通りだ。
そして私も
「げほごほがほげほ!!!!!くそぉっ!!!」
いつも通り行きたかった!!!
「澪ちゃん大丈夫?」
「あ、梅雨ちゃ…水ありがとう」
「澪ちゃん風邪ひいたのー!?大丈夫??熱出てない?」
「透ぅ〜熱はないから私の風邪貰って〜」
「お断りしまーすっ」
は、薄情だ…ごほごほ!
あっこら逃げるな透…!
「ひゅー…まさか昨日の夜から風邪を引くとは…」
「薬はないん?」
「お茶子…げほ、朝飲んできたしお昼の分も持ってきてるよ…」
「澪さん、本当に参加するんですの?その体調ではあとで酷くなりそうですわ…」
私とお茶子、梅雨ちゃんの三人で話していると、後ろにいた八百万さんがこちらを向いて心配の声をかけてくれた。
「や、八百万さん……心配してくれるの…?」
「?ええ、軽いにしても病人ではありませんか。別に馴れ合いとかではないですし、純粋に心配ですわ」
………ん"っ!!!
「…やばい、今私めっちゃメンタルがチリ程度だからそういうの泣いちゃう…泣いちゃう…」
「まぁまぁ…泣かないでください…」
八百万さんは椅子に座ってたので汚れるとかそういうのは気にせず床に座って腰に抱きついて泣いた。
今日の私はおかしい。弱気にならないように妙に饒舌になってしまうかもしれないけど、皆許してね。
しれっと八百万さんの膝に頭を置いて彼女の柔らかい太ももをほどよく堪能していると、峰田くんががっつり震えながら指を指していたので視線を返して咳しながらドヤ顔してやった。
まぁマスクしてるから見えないんだけどね。
でも地団駄踏んでるから多分伝わってる。
私が八百万さんによしよしされている中、他所では火花を散らせていたようだ。
緑谷くんめっちゃ轟くんにライバル視されてる…そしてめっちゃ爆豪くん不満そうだね。
「皆…他の科の人も本気でトップをねらってるんだ。僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ」
僕も本気で獲りに行く!
「………、おお」
「げほごほがほげほごほがほ!」
シン…
「ご、ごめん…けほ…」
耐えきれなくて咳めっちゃでちゃった。ごめん。
緑谷くん苦笑いだよ。ごめん、折角キメ台詞言ったのに。ごめん。
「本当に澪さん大丈夫?顔が白いですわ」
「え?ホント?……もう、気力で頑張るわ…」
頑張れ私、負けるな私。
…というわけで入場する入り口前に移動することになり、そこで入場の合図が出るまで待機をしていた。
《一年ステージ!生徒の入場だ!!》
《雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!
どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?
敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!
ヒーロー科!!
1年!!!A組だろぉぉ!!?》
会場は熱気にあふれ、私たちへの歓声も凄まじかった。
「げほ…うわ、こんなに人いるの…?テレビでは知ってたけど…緊張してきたわ…」
でも、私も今回一位を獲らなきゃ。
そしてスカウトされるんだ。
「ギャングオルカさんの事務所に…!!」
説明しましょう。私はギャングオルカさんが大好きだ。
あの凶悪な顔の割に子供が好きというギャップ。ファンなら誰でも知っている情報らしく、知った時はひっくり返った。
何だそれ…何だそれ…って胸を抑えるしかなかったし、多分これは違うけどあえて言葉にしておく。初恋だ。
好きになるってこんなにも心が潤うことだったのね、と私という概念が生まれてから36年目(今年16歳の誕生日来たら中身年齢40年歳突入!?)で初めて知ることとなる。
そりゃそうだよ、前世での24年間は尊敬できる上司とかはいたけど同期は艦娘と恋仲になりたいが為に提督になる男が多かったしそんな魅力的な男はいなかった。ろくでなしばっかりだったよ。
だから余計にファンになったギャングオルカさんが素敵に見える。
フィルターがかかってるなんて言われても仕方ないね。
え?イレイザーヘッドはって?
あ、消さんね。誰かと思った。
消さんは確かに大好きだし尊敬もしてるし最高のヒーローだけどギャングオルカさんじゃないし…
なんて浮かれてたら選手宣誓を爆豪くんが選ばれてたわ。
入試試験一位だったもんね。
というか私、何気に上位に入るけど一番は取れてないんだよな…。
なんかこういうのってモチベ的にもまずい気がする。
そろそろ私も一番取りたい。取れるものが欲しい。
「選手宣誓!!1-A爆豪勝己!!」
「せんせー」
俺が一位になる
「絶対やると思った!!」
切島くんナイスツッコミ!そして皆からのブーイングの嵐!辛いね!
「調子のんなよA組オラァ!」
「なぜ品位を貶めるようなことをするんだ!!」
「ヘドロヤロー!」
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
うわ、あの人親指を首の前をして、横にクイってやったよ。
今時の子供怖いし何よりもみんな燃えてしまった。
炎上だ、これはまごう事なき炎上。
そしてミッドナイト先生がトレードマークなのかわかんないけど鞭をピシャンとさせて運命の予選の第一種目を発表してくれた。
障害物競走。
スタジアムの外周4キロを走るらしい。
コースさえ守れば何をしたって構わないとのこと。
構わない…っていうことは…これは地獄と化するね…?と構えているとスタートが切られて皆一目散にダッシュした
「ああぁああげほっげほっスタートゲートの道狭ぁああああっっっ」
ふるいにするにしても狭すぎでしょ!って思ってたらもはや聞き慣れた音が聞こえてきたので私はすぐに駆逐に換装し、地面に砲撃をして避けてやった。
「っと!ひぇえ寒ぅうっ」
てか来ると思ったよ轟くん!二度も捕まってたまるか!
本当ならスタッて華麗に着地したかったけど下は氷だったので見事に転んだ。痛い。
膝の皿割れたらどうすんだと具体的なイチャモンをつけながら前に出た轟くんを追いかけていると、仮想敵に殴られた峰田が私の横を切って行った。
「!?」
な、何今の!?
《さぁいきなり障害物だ!!まず手始め…第一関門ロボ・インフェルノ!!》
あ、あれ入試の時の…ってロボ・インフェルノって名前だったの!?
多すぎて通れないからどうするかな、と思っていたら轟くんはあっという間に凍らせてしまって見事に通過してしまったし、ロボも倒れて妨害されてしまったため、通りにくくなってしまった。
そのあと爆豪くんが上に行ったので真似したいけどあそこまではちょっと難しいかも。
艦載機に捕まって越えるわけにもいかないし。というか無理です。
ま、普通に駆逐のまま壊して進もう。
前は壊さなきゃならない敵だったけど、今回は通過が目的で倒すことが目的じゃないから楽ちんだ、と思いながら余裕しゃくしゃくで進んでいった。
そして第二関門。
綱渡り…綱渡りかぁ…そっかぁ…。
「全く私の能力が輝けなくて笑うんだけど?」
いっそ面白すぎるのでさっさと個性解除して真顔で綱渡りをした。
「こっわ…私あんまり高いところは得意じゃないんだけど…こっわ…ひぇ…ごほっあっむり今やめて咳する気分じゃないから、ごほっ!ウワァア」
無事に渡り切り、最終関門。
「はぁ…げほ。やっと渡れた…一度落ちそうになったし怖かった…!って何これ!?」
一面地雷原って何……
って思った時には私は吹っ飛んでいた。
「あああああ!?」
でも私は見た。見たからな!
緑谷くんが大量の地雷に身を投げるの。
おかげさまで私まで一緒に吹っ飛ばされたし舌噛んで血の味が口の中でじんわり広がって辛い!
「うわぁああっちょっとどけてどけてどけてぇええっ」
もうこれ地面についたらまた地雷だよ?
ってかもういっそいいのか、ねぇ!?
覚悟を決め、私は体をぐるっと下に向けて駆逐艦に換装し、地面に向かって自分よりもやや後ろに向かって撃つと、地雷がまた爆発して私を上手く吹っ飛ばしてくれた。
っし!
もう吹っ飛んだ私にはこれしか方法がないんだよ、怪我したくないし。
緑谷くんのパクリなんて誰が言った?これは不可抗力だ。
皆を妨害しつつ私は最後の関門をようやっと通過し、そこそこの12位で無事に通過した。
服についた土埃を払って、はーやっと終わった、と思っていると顔が青ざめた。
「…嘘だよね?」
なんか………私ちょっと具合悪くない?いや…気のせいでしょ…。
吐きそうだとか、まさかねえ?そんな訳ない。
「ぐぬぬ、がんばれ、がんばれ」
顔をパシパシ叩いて次の騎馬戦に気合い入れた。
なんとかなる。なんとかなる。
「…よし!それじゃあ誰と組んでもらお…」
「おい、あんた」
「ん?なぁ…」
「“俺の騎馬をしろ”」
あっ
私の意識はそこでまた、朧げになってしまった。
勘弁してください…