その次の日。


『リリコ、はいっ！これ深体大の入学要項とパンフレット！！』


俺は用意した書類をリリコに渡した。


「ありがと。でも…。」


そう言って彼女はカバンをゴソゴソとあさりだして何やら封筒を取り出した。



「へへへ。ほらっ！もう持ってるの！昨日担任に頼んで用意してもらったんだー。」


してやったり顔でこちらを見るリリコ。



『リリコ…。お前…俺のこと好きすぎるだろ。』


俺が冗談でそう言ったのにもかかわらず、リリコ真っ赤な顔していた。


「あっ、いや、そうじゃなくて！！受験準備は早いに越したことないじゃない！？」


『もう、照れちゃって可愛いんだからぁ。』


「だっ、だから本当にそんなんじゃないんだってばぁ！」


仙道の手のひらでコロコロと転がされるリリコ。

これが性格が悪いだの、男癖が悪いだの、数々の男をたぶらかして来ただのと噂される山城 リリコ実態である。