末っ子ちゃん
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そして合宿2日目。
昨日の夕飯でも陵南の連中はリリコにデレデレしていて心配だ。
今日の練習中もしっかり目を光らせておかないと…。
そんな2日目の練習の練習も終盤に差し掛かっていた時だった。
『いてっ…。』
俺は練習試合中に軽く足を捻ってしまった。
まぁそんな酷くはないないだろうとそのまま続けているがどんどん痛くなってくる…。
そんな時…、
安西「ちょっと試合ストップ。宮城くん大丈夫ですか?」
安西先生が俺の様子がおかしいことに気付いたようで試合を止めた。
誰にも気づかれない様にしていたのに流石は安西先生だ…。
桜木「どうしたんだよ、リョーちん。」
安西「宮城くんは足を怪我しているようです。ちょっと見せてください。」
『はい…。』
リリコ「リョータ先輩、大丈夫ですか?」
陵南チームのスコアをつけていたはずのリリコも心配そうな顔で駆けてきた。
俺は試合を抜け体育館の隅で安西先生に足を見せる…。
安西「うーん…。結構腫れてますね。これ以上の練習は厳しいでしょう。」
『いや…、でも…。』
リリコ「今無理してインターハイ予選に間に合わなかったらどうするんですか!」
いつも頼りない感じの末っ子キャラのリリコが真剣な顔で強く言ってきたので俺は少し驚いた。
安西「リリコ君の言う通りだよ、宮城くん。今すぐ病院に行きなさい。」
『分かりました…。』
すると安西先生はジャケットのポケットからメモとペンを取り出して何かを書き終わるとそれを俺に差し出した。
安西「これは私の古くからの知り合いが院長を務めるスポーツ整形外科です。こちらからも連絡しておきますから此処へ行ってください。」
『ありがとうございます!』
俺は安西先生からメモを受け取ると足を引きずりながらさっそくここを出る準備を始めた。
リリコ「宮城さん、その足で1人で行くつもりなんですか?」
『まぁ…なんとかなんだろ。』
リリコ「もうっ、少しは人を頼るってことをしてください!私、着いていきますから!」
『はっ…?そんなお前が抜けたら…。』
リリコ「こっちにはアヤコさんも晴子さんもいるんだから私がいなくなったってなんとかなりますよ!ね?安西先生。」
安西「うん、そうだね。宮城くんのことはよろしく頼みましたよ、リリコくん。病院からはこちらより家の方が近いでしょうから遅くなる様なら今日は戻ってこなくても大丈夫です。」
いつもより頼もしいリリコの様子に戸惑いながらも俺は彼女と共に学校を出て病院へ向かう。
リリコ「大丈夫ですか?ほら、私の肩に捕まってください!」
『おお、すまねーな。』
アドレナリンが切れたせいかどんどん足が痛くなってきて怪我した方を着くのが辛くなってきたのでリリコの言葉に甘え肩を借りる。
『ん?リリコ、お前なんでそんなに楽しそうなんだよ。』
俺の横で嬉しそうな顔をしているリリコを不思議に思った俺はそう尋ねた。
リリコ「リョータ先輩にここで恩を売っておけばアイスやらケーキやら色々ご馳走様してもらえそうだなぁと思って!」
『嫌な奴…。』
リリコ「あはは。何とでも言ってください。」
そんな皮肉を言ったもののリリコがそう言ったのは嘘だと言うことは分かっている。
だって先ほどは見たことないような真剣な顔をしていたから…。
『本当はなんでそんなに心配してくれたんだ?普段のお前なら絶対にめんどくさがってるだろ。』
リリコ「うーん…なんでだろ。いつも面倒掛けてばかりだからたまには私が助けなきゃって思ったのかもしれないですね。」
彼女の言葉に少し驚くも俺はいつもの調子で彼女を馬鹿にする。
『ははは。ちゃんと面倒掛けてるって自覚はあるんだな、お前。』
リリコ「うるさいです!それよりちゃんと捕まってくださいよ、歩きづらいなぁ!」
『しょーがねーだろ。お前とは身長差があるんだから捕まりづらいんだよ。』
168cmの俺に対しおそらく彼女は150半ばくらいで10cm以上差があるのでバランスが悪い。
リリコ「宮城さんて普段花道先輩や流川先輩に囲まれてるからチビに見えるけど横に来ると意外と大きいんですね。」
『は?お前がチビすぎるんだよ。』
リリコ「良いからちゃんと捕まってくださいよっ!」
『わかった、わかった。』
俺は先ほどよりも体重をリリコに預ける。
リリコ「お、重い…。」
『お、もう根を上げるのか?』
リリコ「ぜ、全然余裕だし!」
苦しそうな顔とは裏腹に余裕そうにするリリコに笑いそうになるも俺はそのまま彼女の肩に体重を預けた。
普段こんなに近寄ることがないせいか彼女の髪の毛から良い匂いがしてそれにドキッとしてしまったのはここだけの話だ。