末っ子ちゃん
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『よーし、今日の練習はここまでにするぞ!来週の陵南との合同合宿のことについてミーティングしたいからマネージャー3人とヤスは残ってくれ!』
田岡先生の提案で俺たちは陵南高校に招かれ合宿をすることになったのだ。
桜木「おい、俺はいいのか!?この天才は!?」
『まぁ出たきゃ出てもいいけど…。』
こうして俺たちは来週の合宿について打ち合わせを始めた。
『俺からは以上だ。他に何かある奴はいるか?』
一通りの練習内容や宿泊についての段取り話し合い終えると…、
桜木「センドーは俺が倒す!!」
一同「「「はいはい…。」」」
みんな呆れた様子だ…。
アヤコ「あっ、私から一点。マネージャー業務に関することなんだけど…、私は全体のサポート、晴子ちゃんには主に湘北周りのサポート、リリコちゃんには陵南周りのサポートをお願いするわね。」
晴子「わかりました。」
アヤちゃんの指示を素直に承諾する晴子ちゃんに対し、
リリコ「えっ、私は陵南のマネージャーってことですか?」
リリコはものすごく嫌そうな顔だ。
これだから末っ子は…。
アヤコ「仕方がないじゃない、向こうにはマネージャーいないんだから。それにこっちはお招きいただく立場なんだし、合同合宿なんだから両校とも円滑に練習が進むようにしないと。」
リリコ「えぇー。嫌だなー。私人見知りだしー。」
口を尖らせて文句を言うリリコ。
晴子「あっ…。リリコちゃんそんなに嫌なら私と代わる?」
優しい晴子ちゃんがそんな提案をするが、
アヤコ「うーん…、でもそれはダメよ。入って来たばっかりのリリコよりやっぱり部員のことよく分かってる晴子ちゃんに湘北側のサポートしてもらった方が良いもの。インターハイ予選も近いんだから。」
申し訳なさそうな顔をしつつもそれを許さないアヤちゃん。
桜木「そーですよ、晴子さん!陵南の世話なんてその小娘にやらせときゃ良いんすよ!」
アヤちゃんと花道からの反対を受け言い返せず口をへの字に曲げて泣きそうなリリコ。
花道ですらまずいといった表情をしていて、俺は思わずリリコが可哀想で仕方なくなってしまい…、
『あっ、そうだリリコ!合宿頑張ってくられたら駅前の喫茶店でパフェ奢ってやるから!頑張ろうな!なっ!?』
アヤコ「あら、良いじゃない!じゃあ私はケーキご馳走するわ!頑張りましょう!ね?」
すると…、
リリコ「約束ですからね!2人とも!」
いつもの様に顔をパーッと明るくさせるリリコ。
それを見てホッとする一同。本当に単純な奴で助かった…。
ミーティングが終わりそれぞれ帰ろうとしているとアヤちゃんが俺の方へ駆けてきた。
アヤコ「ちょっとリョータ。アンタはリリコに甘すぎるのよ。」
『いや、それを言ったらアヤちゃんもじゃん。』
アヤコ「……。なんか妹みたいで可愛くてつい…。」
『同じく…。』
リリコにはなかなか厳しくできない俺たちであった。
リリコ「わーい!アイス♪アイス♪」
約束通りその日の学校帰りにリリコにコンビニでアイスを買い与え帰路に着く。
この野郎、迷うことなく1番高いハー●ンダッツを選びやがって…。
しかしこの嬉しそうな顔を見てると全く憎めないんだよなぁ…。
『なぁ、リリコって兄妹いるの?』
リリコ「ん?いますよ、お兄ちゃんとお姉ちゃんが1人ずつ。」
アイスを頬張りながら答えるリリコ。
やっぱり予想通り末っ子だ。
『へぇ。やっぱそんな感じするわ。喧嘩とかよくする?』
リリコ「いや?2人とも結構歳が離れてるから喧嘩したことなんてほとんどありませんね。」
『へ、へぇ。そんな感じするわ。』
なるほど。
歳の離れた兄や姉な甘やかされ続け、この典型的な末っ子わがまま娘が出来上がったというわけか。とても腑に落ちる…。
リリコ「リョータ先輩は?兄妹いるんですか?」
『いるよ。お前と同い年の妹がな。』
妹のアンナとリリコを重ね合わせて考えても大分リリコの方が子供っぽいなぁなんて思っていた…。
やっぱウチは母子家庭だからアンナは相当しっかりしてるのかなぁとか思ってみたりしていると…。
リリコ「えー!?意外!!宮城さん末っ子っぽいのに!よほどしっかりした妹さんなんでしょうね!」
『オメーにだけは言われたくねえ!!』
俺がそう突っ込むとリリコは楽しそうにクスクス笑っていてその笑顔を見ているとなんでも許してしまいそうな気持ちになる。
リリコ「ご馳走様でしたっ!また奢ってくださいね、リョータ先輩!」
『おう、また頑張ってくれたら奢ってやるよ!じゃあな、気をつけて帰れよ。』
そんな話をしているうちに駅に到着くし反対方向の電車に乗る俺たちは別れ際、そう言いながら俺は彼女の頭をくしゃくしゃっと撫でたのだった。