生意気な奴
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どうして黙っていたんだっていう気持ちと、嘘をついたんだという気持ちと、じゃあ彼氏は誰なんだという気持ちともうよく分からない気持ちでいっぱいだ。
とにかく全ての真相が知りたい。
『山城ー!!』
俺は山城の名を読んだ。
すると彼女は…、
リリコ「ヒィーー!!」
俺の顔を見るなりミニゲームの審判を放棄して走って逃げ出す山城。
俺はそれを迷う事なく追いかけた。
リリコ「ちょっとー!何で追いかけてくるのー!?」
『お前が逃げるからぴょんー!』
山城の足ならすぐに追いつけると思ったのに火事場の馬鹿力というやつなのだろうか、意外と粘って逃げ続けていて校舎ぐらいでやっと彼女を捕まえる事が出来た。
『やっと捕まえたぴょん…。』
リリコ「う、うぅ…。」
彼女の細い肩を掴んで問い詰める。
『聞きたいことは色々あるけど…まず、なんで良樹先輩の妹だって黙ってたぴょん?』
リリコ「兄へのコンプレックスですよ…。小さい頃から一緒にバスケしてると上手なお兄ちゃんと比べられることばっかで…。それが嫌だったんです。」
不機嫌そうに拗ねた様な表情の山城。
山城は良樹先輩に相当劣等感を感じている様だが、彼女は賢いしそれに周りから好かれ慕われる才能がある。
たぶんそれは容姿のせいだけではないと思う。
だから俺は彼女にそんな劣等感なんか感じて欲しくはなかった。
『そんなコンプレックスは感じなくて良いぴょん。山城は山城ぴょん。良樹先輩に出来てお前に出来ない事があるように、山城にしか出来ない事だってたくさんあるはずぴょん。』
リリコ「深津先輩…。」
山城の先程まで眉間に寄せていたスーッとゆっくり無くなっていった。
『だからお前はいつも通りにしたらば良いぴょん。それから…もう一つ聞きたいことがたるぴょん。どうして嘘付いたぴょん?良樹先輩が彼氏だなんて。』
俺が1番聞きたかったのは多分これだと思う…。
俺がそんな質問をすると再び彼女は眉間にシワを寄せて不機嫌そうな顔になった。
リリコ「それは内緒だし…。」
『言わないともう一生お前の練習見てやらないぴょん。』
「………。じゃあ…ちゃんと正直に言えばこれからも練習見てくれるんですか?」
『約束するぴょん。』
山城が話始めようとした時、何故か緊張してゴクリと唾を飲んだ。
リリコ「悔しかったから…。深津先輩にあんなこと言われて…。」
『あんな事…?』
はて?何の事だ?
何か言ったっけと頭をフル回転させて俺は考える。
リリコ「ほら、私のことは生意気な妹としか見れないって!恋愛対象となそういうのではないって…!」
『あ、あぁ…。』
まさかその事とは…。みんなの前での強がりで言ってしまった事がやはりしっかり聞かれていたのか…。
リリコ「みんなの予想通り私は深津先輩な事が好きですよ…!だから一言だけ言わせてください!」
えっ!?
何の躊躇もなく好きってさらりと言ったぴょん、こいつ…!!!
この流れは絶対に、付き合ってくださいと言われるやつだ…。
しかしそれは本来男の方から言わないと…!
なんて考えているうちにリリコの唇がゆっくり開いて…。
リリコ「もう深津先輩は…私を逃したら今後一生彼女から出来ないから!」
『は…?』
一体何を言い出すんだ、こいつは…。
リリコ「だって深津先輩、ずっと能面みたいな顔してるしサイコパスだし語尾変だし…。そんな深津先輩の事好きになる女の子なんてこの先絶対居ないんだから!!」
『ぷぷっ。』
俺はこんなことを真剣な顔で言う山城がおかしくて笑ってしまう。
リリコ「えっ、深津先輩が笑ってる…?」
『すまん、こんな時まで生意気な事言ってるのがおかしすぎてぴょん。そうか…俺は一生彼女出来ないのかぴょん。…ぷぷっ。』
またも思い出し笑いをしてしまう。
リリコ「私は真剣に言ってるんですからね!!」
山城はぷくっと頬っぺたを膨らませて怒っている様だ。
『そうかぴょん。なら、山城には一生面倒見てもらわないといけないぴょん。』
リリコ「一生?何言ってるんですか?」
『まぁそれはさておき…山城、すまんぴょん。俺もお前に一つ嘘ついてた事があるぴょん。』
リリコ「嘘…?」
『リリコ、俺はお前のことが好きぴょん…。』