生意気な奴
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堂本「よし、じゃあ今日の練習はこの辺にしよう!」
一同「「「「「ありがとうございましたー!」」」」」
そうして堂本先生の号令で今日の練習は終了した。
みんなが片付けを始める中俺は山城の元へ。
『山城、ありがとうぴょん。なんやかんやで今日はマネージャー業頑張ってくれたし、体育館の消灯時間までのあと30分間バスケして良いぴょん。』
リリコ「本当ですか!?わーい!!」
無邪気にはしゃぐ子供のようにボールを持ち出しリング下をドリブルをしながら駆ける山城。
見ているこっちまでなんだか嬉しくなって来る。
リリコ「深津センパーイ!今日も教えてくださいよー!」
『仕方ないぴょん。』
そう言いながらも山城に頼りにされるのが結構嬉しいのは心の中だけの秘密だ。
山城の元へ向かおうとした時、
堂本「あっ、深津。この後職員室に来てくれるか?来週の八戸高校との練習試合の件で相談したいことがあるんだ。」
『……わかったぴょん。』
五郎め…。
せっかくの山城との時間を邪魔しやがって…。
なんて思っていると、
山城「えー、そんなぁ。深津先輩が練習見てくれるって言うから頑張って仕事したのにー!」
ほっぺたを膨らませながらぶう垂れる山城。
堂本「すまんな、山城。どうしても深津の今日中に決めておきたいこととかがあるんだ。」
苦笑いしながら堂本監督は山城に謝るが、そんな監督を山城はムスッとした顔で見ていた。
沢北「山城さん、深津さんの代わりに良かったら俺が教えるよ!!」
そこへこれはチャンスだと言わんばかりに沢北が登場した。
山城「えー、沢北先輩じゃ嫌ですよ。なんか馬鹿っぽいし。」
沢北「うぐっ…。」
その言葉に涙目になる沢北。
そしてその様子にザワつき出す部員たち。
それもそうだ、数々の雑誌などでも高校No.1プレイヤーとも称される沢北が直々に教えてくれると言っているのにまさかそれを断るなんて…。
まぁ外で沢北がどんなにスター扱いされていようが部内での扱いなんてこんなもんだが…。
河田「じゃあ俺が教えてやるべ!」
山城「いや、結構です。河田先輩顔ゴツいし。」
河田「ぬ…。」
今度は高校No. 1センターとの呼び声も高い河田さんからの誘いを断り、またまた他の部員たちがザワつき出す…。
リリコ「深津さんが良いんですー!深津さんに教えてもらいたいんですー!」
そんな事を山城に言われ俺一瞬胸がキュンとしたのだが、周りからは…
一同「「「「(何で深津なんだよ…。)」」」」
他の部員たちの視線が痛いくらいに俺に集まる…。
『ま、まぁ…明日は練習見てやるから今日は帰るぴょん。』
山城「明日はぜーったいですからね!」
俺の方を強い視線で見つめる山城。
しかし何故かまだ心が折れていなかった沢北が俺たちの間に割って入ってくる。
沢北「山城さん!自分で言うのも何なんだけど、俺高校No.1プレイヤーって呼ば『沢北、お前も今日はさっさと帰るぴょん。』
俺は沢北をつい目で威嚇してしまった…。
沢北『…はい。』
少し怯えたような顔の沢北。
どうやら俺は沢北と山城が2人っきりで練習することが気に食わないらしい…。
とりあえず俺はこの日は誰も体育館に残る事を許さず全員に変える事を指示したのであった。
山城が入部して1週間くらいが経ったある日の部活後…。
『山城、1週間でかなり上手くなったぴょん。』
この日は部活終わりに山城の練習を見てやっていた。
リリコ「本当ですか!?深津先輩から1ゴール奪う日もそう遠くはないですかね!?」
『いや、それはないぴょん。チビには負けないぴょん。』
リリコ「もうっ…!」
悔しがるリリコをなんだか愛おしく思う自分がいる。
ここ最近はこんな風に彼女の怒った顔や拗ねた顔が見たくてわざと意地悪を言ったりする。
でもやっぱり1番みたいのは笑った顔で…、
『でも上手くなってるのは本当ぴょん。このまま上達すれば本当に1ゴールぐらいは俺から取れるかもしれないぴょん。』
リリコ「でしょでしょ?」
今度は嬉しそうに笑う姿を更に愛おしく思った。山城はやっぱり笑った顔が1番可愛いぴょん。
『ま、それでも10年くらいはかかると思うぴょん。』
山城「もぉー、ムカつくー!」
でもやっぱり俺にしか見せない顔もみたくてこうやって怒らせたくもなる。
こんな風に思うくらいだからやっぱり俺は本当にリリコのことが好きなんだと思う。
『さ、もうすぐ体育館の利用時間終わるから帰るぴょん。』
「はーい。」
そしてこうして部活が終わった後駅まで一緒に帰るのも習慣になっていた。
それが俺にとっては毎日の厳しい練習後の楽しみになっていた。
『建築科は勉強忙しいって聞くけど部活と両立は平気なのかぴょん?』
「うーん…。まぁ今の所は。念願のバスケが出来るんだから無理してでも両立しますよ!」
やっぱりこいつはバスケが本当に好きなんだな…。
『そうかぴょん。前から聞きたかったんだが何で建築科を選んだんだぴょん?』
リリコ「あー。まぁ親の建築事務所継ぐため…?ですかね?なんか受けてみたら受かっちゃっただけですよ。」
そう言いながらヘラヘラと笑う山城。
受けてみたら受かってしまったというのが本当であれば山城は相当頭がいいのだろう…。失礼だが意外だ…。
楽しく会話していると帰り道もあっという間でこの日も駅で山城と別れ帰路にそれぞれ着いた。