禁断の恋?
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宮城リリコ「『ない……!』」
山城さんに体育館内のゴミ箱に連れて行かれたがゴミ箱の中身は空である…。
リリコ「あっ!明日ゴミの日だからきっと掃除のおばさんが回収してったんだ!ゴミ置き場行きましょう!!」
こうして山城さんはまた俺の手を取って走り出す。
そうして連れてこられたのは学校の敷地内ではあるがひと気のないゴミ捨て場…。
リリコ「この中にあるはずです…!」
そう言って彼女が指差す先には何十袋というゴミ袋の山…。
『お、おう…。』
リリコ「暗くなっちゃう前に急いで探しましょう!!」
時計を見ると時刻は16時。
最近は陽が落ちるのも早いので急がなければ…。
『あとは俺1人で探すから大丈夫だよ。』
こんな寒い中付き合わせるのも悪いと思いそう言うが…、
リリコ「何言ってるんですか!こんな量のゴミ1人で探したらどんだけ時間かかると思うんです?元はと言えば捨てたウチの先輩が悪いんですから!」
『ごめんね…。ありがとう。』
こうして俺と山城さんは捜索を開始した。
リリコ「あー、この袋もハズレ…。」
『こっちもだ…。』
1時間ぐらいが経過したがまだ見つからない。まだ見てないゴミ袋は半分以上あるだろうか…。
リリコ「きっと見つかりますから!めげずに頑張りましょ!!」
本来だったら挫けそうになるんだろうが元気な山城さんのおかげで俺もなんとか頑張れていた。
『うん、ありがとうな…。そういえばさ、俺たちが帰ろうとした時なんて言おうとしてたの?』
俺はゴミ袋を漁りながら気になっていたことを尋ねた。
リリコ「あっ、あれはお礼が言いたくて…。」
『お礼?何の?』
リリコ「先週のお礼です。宮城さんがあの時私にかけてくれた言葉のおかげで私変われた気がしたんです。だからそのお礼が言いたかったんです。でもみんなの前じゃ恥ずかしくて言えなくて…。」
少し恥ずかしそうにそう言った山城さんの顔に俺はまたドキッとしてしまった。
『べつに俺があの時あの言葉掛けなくたってリリコちゃんならすぐにチームに馴染めてたって!』
「えっ?今リリコちゃんて言いました…!?」
はっ……!しまった!!
仙道がいつもそう呼んでいたので俺もリリコちゃんとつい呼んでしまった…。
『とっ、とにかく!そんなお礼言うようなことじゃねえって!』
リリコ「でも私は…あの時の宮城さんの言葉が本当に嬉しかった…。ありがとう、宮城さん。」
真剣な眼差しでこちらを見つめながらリリコちゃんは俺にお礼を言ってくれた。
『おうよ。』
一方俺はそんな真っ直ぐな瞳で見つめられるのが照れ臭くて目を逸らしてしまった。
リリコ「それにしても暗くて見えなくなってきちゃいましたね…。私、職員室に懐中電灯借りに行ってきます!」
『あっ、もういいよ!暗くなってきちゃったしあのリストバンドそんなに「ダメですっ!」
『あっ、じゃあ悪いけどお願いします…。』
「はい。任せてください!!」
暗くなってきてまだら付き合わせるのも悪いと思い諦めようかと思ったのに彼女の勢いに負けた。
こうして借りてきてもらった懐中電灯を使って全てのゴミ袋のチェックが終わったのだが…、
リリコ「えー、ない!!!どうしてないのー!!!」
最後のゴミ袋をチェックしてもリストバンドは出てこなかった。
リリコ「暗かったし見落としたのかも!もう一度全部確認し直しましょう!」
『もういいよ、リリコちゃん。』
リリコ「でも!大事なものなんでしょ?」
『まぁ…大事じゃないわけじゃないけど…、古くなってたしそろそろ買い直さないと、と思ってたからいいんだ。』
本当はものすごく大事な物だったけど、こうでも言わないといつまででも探してくれそうなので嘘をついた。
それに…俺はリリコちゃんの気持ちが嬉しかったからもうそれで心が満たされていたのかもしれない。
リリコ「もう一回だけ見ましょ!きっと出てきますから!」
それでも諦めないリリコちゃん。
そんな時に見回りの警備員がやってきた。
警備員「君たちこんな所でなにしてるんだ?」
リリコ「ちょっと探し物を!!」
警備員「もう20時だよ!施錠したいから出て行ってもらわないと困るんだけど。」
リリコ「もうちょっとだけ待ってもらえないですか?」
警備員「いや…でも…。」
困った様子の警備員と引かない様子のリリコちゃん。
『リリコちゃん、もういいって!』
リリコ「でも…!!」
『いいから…、もう大丈夫だから…。ありがとな。』
そう言いながら俺は彼女の手をぎゅっと握りしめた。
その手は冷たくてこんな寒い中弱音も吐かずに頑張って探してくれた彼女の健気さに申し訳なくなった。
リリコ「本当に良いんですか…?」
『うん。それより腹減った!!なんかあったかい物食べに行こうぜ?』
リリコ「……そうですね。」
やっとリリコちゃんも折れてくれて俺たちは学校を出た。
『駅前にファミレスあったよな?そこで良い?』
リリコ「あっ、はい。」
『こんな寒い中付き合わせちゃってごめんな?俺、奢るから好きな物何でも食べてよ。』
リリコ「いや、そんな…。あっ、そうだ!宮城さんこれ…。」
彼女は鞄の中から何かを取り出した。
『ん?』
リリコ「これ、代わりに使ってもらえませんか?」
そう言って彼女が差し出したのはネイビーのリストバンドだった。
『えっ?これ、リリコちゃんの?』
「はい。あっ!まだ新しめだし、ちゃんと洗濯してありますから安心して下さい!」
『あ、いや!そういう意味じゃなくて…。いいの?』
リリコ「はい!湘北カラーじゃないし…、もし気に入らなかったら次のを買うまでの繋ぎだけでも良いから使ってください!」
『ううん、大事にする…!ありがとう…。』
こうして俺はリリコちゃんからリストバンドを受け取りそれをぎゅっと握りしめた。
こうして俺たちはファミレスに向かったが、リリコちゃんは寒い中探し物をしていたのがよほど疲れたのかご飯を食べながらうとうとしていていつのまにか座ったまま眠っていた。
『ははは。子供かよ。しばらく起こさないでおくか…。』
俺は自分の上着を彼女に掛けて気持ち良さそうに眠る彼女をしばらく見つめていた。
そんな彼女を見つめていて気付いたことがある…。
俺は……リリコちゃんが愛おしくてしょうがない…。