THE FIRST SLAM DANK 公開記念!
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そんなこんなで時は過ぎて8月某日。
明日はいよいよ広島のインターハイへ出発だ。
今日は直前の総仕上げということで朝から試合形式での練習。
いつも通り練習の始まる少し早めに体育館に来てみんなと一緒に準備を始めていた。
「おはようございまーす!」
リリコの元気な声が体育館に響いた。
「おはよう、リリコちゃん!」
「暑いのに今日もありがとうピョン。」
リリコは夏休みに入ってからもほとんど毎日練習を手伝いに来てくれていた。
俺もリリコに挨拶しようと彼女の方を見た瞬間言葉を失った。
リリコが着ていたのは膝上20cmいや30cmといった所か、ものすごく短いショートパンツで白くて細い足をすらりと出していたからだ。
俺は部室へ走り荷物を取って体育館へ戻り、
『お前ちょっと来い!』
リリコの腕を掴んで体育館の外へ連れ出した。
「何?どうしたの?」
『お前それはちょっと足出し過ぎだろい。これ履いとけ。』
と、俺は先ほど部室に取りに行った自分の予備のジャージをリリコに差し出す。
「え?なんでそんなお父さんみたいなこと言うの?今時はみんなこーいうの履いてるよ!」
そう俺に口答えし差し出したジャージを突き返すリリコ。
『いいから履いとけって!!』
俺も負けじとリリコが突き返したジャージを更に突き返す。
「第一、エージのジャージなんて大き過ぎて履けないよ!」
確かに俺とこいつは身長も体重も30以上違うんだったと思い出した。
『じゃあ…家帰って履き替えてこい!』
「は?なんでそこまでしないといけない訳!?」
とリリコはイラついた様子だった。
『だからぁ…、お前ちょっと足出し過ぎなの!男子高校生には刺激が強すぎんの!わかる?』
「誰もそんな事気にしてないよ!!」
ちゃんと正直に理由を話したところで納得してくれないリリコに俺も少しイライラが隠せなくなってきて、
『お前はそう思ってるかもしれないけど、みんなそーいう目で見てんの!あのね、この年頃の男はみんな狼なんだって!お前はいつも隙が多すぎてなの!ちょっとは気をつけろよ!』
とついつい強い言葉を彼女にぶつけてしまう。
「じゃあエージもなの?エージも私のことそーいう目で見てるの?」
彼女からの質問にすこしの時間だけだけ考えてから答えた。
『……いや…。俺は別に…。お前のこと妹としか見てないから違うけどさ。でも妹だから心配してるんだよ!』
嘘だ。
本当は今日のリリコを見た瞬間、俺が1番ドキッとしていたと思う。
心配とかいうよりは他の奴らには見せたくてこんな事を言ってるだけなんだ。
俺はずるい男だよな、なんて思ってると、
「別に本当の妹じゃないもん!!もう知らないっ!私帰る!」
『あー、こっちだってもうお前のことなんて知らねえよ!』
いつもならここで俺が折れてリリコに謝って宥めたりするのに、今日の俺はインターハイ直前でピリピリしていて余裕がなかったのかそれが出来なかった。
「もうエージなんて大ーっ嫌い!インターハイだって負けちゃえいいんだー!!」
リリコはそう俺に向かって叫ぶと学校を飛び出して行った。
追いかけようか悩んでいると、
「おい沢北練習始めるピョン。あれ、リリコちゃんはどこ行ったピョン。」
と深津さんが俺を呼びに来て、ここで追いかけて行ったりしたらまた痴話喧嘩だのとみんなに揶揄われると思って追いかけるのを辞めた。
『なんか急な用事を思い出したみたいで今日ら帰りました。』
「それは残念ピョン…。」
追いかけなかった少しの後悔を押し殺し俺はいつも通り練習を始めた。
「では明日は秋田駅に7:30集合とする!遅れるなよ!解散!」
「「「「お疲れ様でした!!」」」」
堂本監督の号令で練習が終了し、みんな掃除や後片付けをしていた。
「あれ?これリリコちゃんのカバンじゃない?」
「本当だピョン。沢北、届けてあげるピョン。」
『えっ、あぁ…。』
と深津さんにリリコのカバンを渡される。
リリコに会うのは気まずいな…なんて受け取るのを躊躇っていると、
「やっぱりお前今日リリコちゃんと何かあったんだピョン。明日から1週間は会えなくなるんだから今日中にちゃんと仲直りするピョン。」
と深津さんにカバンを押し付けられた。
しょーがないなぁ…とそれを自分の鞄と一緒に肩に掛け帰路に着いた。
『今日はキツイ言い方してごめん…。うーん…、違うかなぁ。』
なんてどうやって謝るかなんて考えながら歩いていると一瞬で家に着いてしまった。
ピーンポーン
「はーい!」
リリコの家のインターホンを押すとパタパタ足跡を鳴らしながら出てきたのはおばさんだった。
「あら栄治くん。どうしたの?」
『あっ、これ。リリコの忘れ物です。』
俺がおばさんにカバンを渡すと、
「まぁ!あの子ったらカバンごと忘れるなんて本当馬鹿ねぇ!ありがとうね!」
『いえ、リリコ今居ないんですか?』
「うん、さっき今日は予備校の自習室に行くって出掛けて行ったわ。この所毎日山王工行ってて全然勉強出来てないからって。」
リリコの学校はなかなかの進学校。
部活ばっかりしている俺たちとは違いどの生徒も1年生から夏休みも予備校に通って今から大学受験の対策を始めてるって聞いたこともある。
『なんかすいません…。毎日毎日俺たちの練習に付き合わせてしまって…。』
「リリコが好きでやってる事なんだから気にしないで。あの子は本当に小さい頃から栄治くんのあと追いかけるのが大好きで…もう困ったもんよ。」
そう言っておばさんはあはは、と笑った後に、
「でもインターハイ終わったらわりとすぐアメリカ行っちゃうんでしょ?私たちもだけどあの子本当に寂しがると思うわ…。」
今度はしんみり話し出した。
『俺もです…。リリコは子供の頃からずっと一緒で兄妹みたいなもんでしたから…。』
「兄妹か…。そうね。でも、あの子はもしかしたら栄治くんのことお兄ちゃんだなんて思ってないかもしれないわ。」
『え…?』
「あの子ね、小さい頃よく言ってたのよ。【兄妹って結婚できないんでしょ?だから私はエージと兄妹じゃなくて良かった!】って。あっ、リリコにはこれ内緒ね?」
おばさんはクスクスと笑っていた。
「やだなぁ、おばさん。そんなの昔の話でしょ?」
俺もおばさんに合わせて笑ってそう言った。
【本当の妹じゃないもん!!】
先程リリコが言っていた言葉にはどんな意味があったんだろうか…。ふと考えてしまった。
『あっ、おばさん。リリコが帰ったら俺ん家に顔出す様に言ってくれないかな?明日からインターハイ出発なんだ。』
「あらそうなの。伝えておくわ。インターハイ、頑張ってきてね!」
おばさんに笑顔で見送られ俺は自分の家に帰って明日からの準備をしていた。
『ふぅ…。これでよしっと。』
荷物をまとめ、晩御飯を終え、風呂に入り、忘れ物がないかもう一度荷物を確認。
準備は万端だ。
時計を見ると22時。
さすがにリリコも予備校からは帰っている時間だろう。
それでも家に来ないということはやっぱ昼間のこと相当怒ってるんだろうな…。
本当はインターハイに出発する前に仲直りしたいが、こんな時間に家を訪ねるのは迷惑だろうか…。
まあいいか…。
アメリカに出発するまでには広島から帰ってきてからも少し時間がある。
またちゃんと話せる。大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせて俺は眠りについた。
明日はいよいよ広島のインターハイへ出発だ。
今日は直前の総仕上げということで朝から試合形式での練習。
いつも通り練習の始まる少し早めに体育館に来てみんなと一緒に準備を始めていた。
「おはようございまーす!」
リリコの元気な声が体育館に響いた。
「おはよう、リリコちゃん!」
「暑いのに今日もありがとうピョン。」
リリコは夏休みに入ってからもほとんど毎日練習を手伝いに来てくれていた。
俺もリリコに挨拶しようと彼女の方を見た瞬間言葉を失った。
リリコが着ていたのは膝上20cmいや30cmといった所か、ものすごく短いショートパンツで白くて細い足をすらりと出していたからだ。
俺は部室へ走り荷物を取って体育館へ戻り、
『お前ちょっと来い!』
リリコの腕を掴んで体育館の外へ連れ出した。
「何?どうしたの?」
『お前それはちょっと足出し過ぎだろい。これ履いとけ。』
と、俺は先ほど部室に取りに行った自分の予備のジャージをリリコに差し出す。
「え?なんでそんなお父さんみたいなこと言うの?今時はみんなこーいうの履いてるよ!」
そう俺に口答えし差し出したジャージを突き返すリリコ。
『いいから履いとけって!!』
俺も負けじとリリコが突き返したジャージを更に突き返す。
「第一、エージのジャージなんて大き過ぎて履けないよ!」
確かに俺とこいつは身長も体重も30以上違うんだったと思い出した。
『じゃあ…家帰って履き替えてこい!』
「は?なんでそこまでしないといけない訳!?」
とリリコはイラついた様子だった。
『だからぁ…、お前ちょっと足出し過ぎなの!男子高校生には刺激が強すぎんの!わかる?』
「誰もそんな事気にしてないよ!!」
ちゃんと正直に理由を話したところで納得してくれないリリコに俺も少しイライラが隠せなくなってきて、
『お前はそう思ってるかもしれないけど、みんなそーいう目で見てんの!あのね、この年頃の男はみんな狼なんだって!お前はいつも隙が多すぎてなの!ちょっとは気をつけろよ!』
とついつい強い言葉を彼女にぶつけてしまう。
「じゃあエージもなの?エージも私のことそーいう目で見てるの?」
彼女からの質問にすこしの時間だけだけ考えてから答えた。
『……いや…。俺は別に…。お前のこと妹としか見てないから違うけどさ。でも妹だから心配してるんだよ!』
嘘だ。
本当は今日のリリコを見た瞬間、俺が1番ドキッとしていたと思う。
心配とかいうよりは他の奴らには見せたくてこんな事を言ってるだけなんだ。
俺はずるい男だよな、なんて思ってると、
「別に本当の妹じゃないもん!!もう知らないっ!私帰る!」
『あー、こっちだってもうお前のことなんて知らねえよ!』
いつもならここで俺が折れてリリコに謝って宥めたりするのに、今日の俺はインターハイ直前でピリピリしていて余裕がなかったのかそれが出来なかった。
「もうエージなんて大ーっ嫌い!インターハイだって負けちゃえいいんだー!!」
リリコはそう俺に向かって叫ぶと学校を飛び出して行った。
追いかけようか悩んでいると、
「おい沢北練習始めるピョン。あれ、リリコちゃんはどこ行ったピョン。」
と深津さんが俺を呼びに来て、ここで追いかけて行ったりしたらまた痴話喧嘩だのとみんなに揶揄われると思って追いかけるのを辞めた。
『なんか急な用事を思い出したみたいで今日ら帰りました。』
「それは残念ピョン…。」
追いかけなかった少しの後悔を押し殺し俺はいつも通り練習を始めた。
「では明日は秋田駅に7:30集合とする!遅れるなよ!解散!」
「「「「お疲れ様でした!!」」」」
堂本監督の号令で練習が終了し、みんな掃除や後片付けをしていた。
「あれ?これリリコちゃんのカバンじゃない?」
「本当だピョン。沢北、届けてあげるピョン。」
『えっ、あぁ…。』
と深津さんにリリコのカバンを渡される。
リリコに会うのは気まずいな…なんて受け取るのを躊躇っていると、
「やっぱりお前今日リリコちゃんと何かあったんだピョン。明日から1週間は会えなくなるんだから今日中にちゃんと仲直りするピョン。」
と深津さんにカバンを押し付けられた。
しょーがないなぁ…とそれを自分の鞄と一緒に肩に掛け帰路に着いた。
『今日はキツイ言い方してごめん…。うーん…、違うかなぁ。』
なんてどうやって謝るかなんて考えながら歩いていると一瞬で家に着いてしまった。
ピーンポーン
「はーい!」
リリコの家のインターホンを押すとパタパタ足跡を鳴らしながら出てきたのはおばさんだった。
「あら栄治くん。どうしたの?」
『あっ、これ。リリコの忘れ物です。』
俺がおばさんにカバンを渡すと、
「まぁ!あの子ったらカバンごと忘れるなんて本当馬鹿ねぇ!ありがとうね!」
『いえ、リリコ今居ないんですか?』
「うん、さっき今日は予備校の自習室に行くって出掛けて行ったわ。この所毎日山王工行ってて全然勉強出来てないからって。」
リリコの学校はなかなかの進学校。
部活ばっかりしている俺たちとは違いどの生徒も1年生から夏休みも予備校に通って今から大学受験の対策を始めてるって聞いたこともある。
『なんかすいません…。毎日毎日俺たちの練習に付き合わせてしまって…。』
「リリコが好きでやってる事なんだから気にしないで。あの子は本当に小さい頃から栄治くんのあと追いかけるのが大好きで…もう困ったもんよ。」
そう言っておばさんはあはは、と笑った後に、
「でもインターハイ終わったらわりとすぐアメリカ行っちゃうんでしょ?私たちもだけどあの子本当に寂しがると思うわ…。」
今度はしんみり話し出した。
『俺もです…。リリコは子供の頃からずっと一緒で兄妹みたいなもんでしたから…。』
「兄妹か…。そうね。でも、あの子はもしかしたら栄治くんのことお兄ちゃんだなんて思ってないかもしれないわ。」
『え…?』
「あの子ね、小さい頃よく言ってたのよ。【兄妹って結婚できないんでしょ?だから私はエージと兄妹じゃなくて良かった!】って。あっ、リリコにはこれ内緒ね?」
おばさんはクスクスと笑っていた。
「やだなぁ、おばさん。そんなの昔の話でしょ?」
俺もおばさんに合わせて笑ってそう言った。
【本当の妹じゃないもん!!】
先程リリコが言っていた言葉にはどんな意味があったんだろうか…。ふと考えてしまった。
『あっ、おばさん。リリコが帰ったら俺ん家に顔出す様に言ってくれないかな?明日からインターハイ出発なんだ。』
「あらそうなの。伝えておくわ。インターハイ、頑張ってきてね!」
おばさんに笑顔で見送られ俺は自分の家に帰って明日からの準備をしていた。
『ふぅ…。これでよしっと。』
荷物をまとめ、晩御飯を終え、風呂に入り、忘れ物がないかもう一度荷物を確認。
準備は万端だ。
時計を見ると22時。
さすがにリリコも予備校からは帰っている時間だろう。
それでも家に来ないということはやっぱ昼間のこと相当怒ってるんだろうな…。
本当はインターハイに出発する前に仲直りしたいが、こんな時間に家を訪ねるのは迷惑だろうか…。
まあいいか…。
アメリカに出発するまでには広島から帰ってきてからも少し時間がある。
またちゃんと話せる。大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせて俺は眠りについた。