THE FIRST SLAM DANK 公開記念!
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俺は沢北栄治。
山王工業2年、バスケ部。
今日も授業が終わり体育館で部活が始まる前のわずかな時間に軽く自主練を始めている時のことだった。
「こんにちはー!」
男子ばかりの工業高校に似つかわない高く元気な声が体育館に響いた。
声がする方を振り向くとそこにはさらさらの長い髪をなびかせたセーラー服に身を包んだ小柄な少女がいた。
「おお!リリコちゃんでねぇか!」
「久しぶりだベシ。」
と普段は怖い河田さんや深津さんもや他の先輩たちも顔を綻ばせそこへ集まっていく。
彼女の名前は山城リリコ。
「はい、これ差し入れです!良かったら飲んでください!!」
「おう!相変わらず気が利くな。サンキュー!」
差し出されたスポーツドリンクを受け取る河田さん。
「あっ!河田さん、来月インターハイ終わったらプロレスの試合見に行きません?面白そうな試合あるんですよ!」
「それなら俺も知ってんべ!ちょーど観に行きたいと思ってたんだ!」
「じゃあ決まりっ!約束ですよ!」
と嬉しそうなリリコ。
普段俺にはムスっとした顔ばかりの河田さんもニヤケ顔だ。
「相変わらずお前らはプロレス好きだベジ。」
今度は深津さんが会話に入ると…
「あっ!深津さん!私、新しい語尾考えたんです!ピョンとかどうですか!?」
「ピョン…。なかなか良いかもしれないピョン…!」
つい最近までベシは今までで1番気に入ってるから当面変える気はないなんて言っていた深津さんまでこの調子だ。
やれやれ…なんて思いながら1人で黙々と練習を続けていると、
「あっ、そうだ。エージは?まだ来てません?」
リリコが深津さんにそう尋ねると、
「沢北ならあそこで自主練してるピョン。」
と、俺の方を指差した。
「エージー!お弁当おばさんから預かって来たよー!」
そう言いながら彼女はようやく俺の方へ駆けて預かってきた夜用のお弁当を差し出した。
『…おう。』
俺はその一言だけ返し弁当を受け取る。
「え?なに?なんか機嫌悪くない?」
そう言いながら小柄な彼女は背伸びをして俺の顔を覗き込む。
『別に…そんなことねーよ。』
「嘘だー!瞬きめっちゃしてるもん!自分で気づいてないのかもしれないけど、エージ嘘ついてる時瞬きめっちゃしてるからね。」
『だから本当にそんな事ねーって!』
「ぜーったい嘘!!」
俺とリリコがそんなことで揉めていると…、
「ははは。相変わらずお二人は仲が良いんですね。」
と後ろでは美喜男が笑っていた。
「『はぁ!?どこが!?』」
と思いがけず、2人ぴったり息が合ってしまい思わず顔を見合わせた。
「ほら。息ピッタリだし喧嘩するほど仲が良いって言うんですよ。それによく兄は家でお二人のことあれは痴話喧嘩だって言ってます。」
「『痴話喧嘩…。』」
またまた息がピッタリ合ってしまう。
『あー、もう!お前ちょっとこっち来い!!』
俺はリリコの手を引っ張り体育館の隅のほうに連れて行く。
『お前、ほんとに行く気なのかよ?』
「え?行くって何処に?」
『ほら…。その…河田さんとプロレス観に行くとかさっき言ってたじゃん。』
「あー。なんだ、聞いてたんだ。うん、行くよ?何か問題?」
キョトン、とした顔で俺に聞き返すリリコ。
『まさか2人で…とかじゃないよな…?』
「まあ…他に行く人が居なきゃ2人だけど?」
リリコはまた何か問題でも?と言いたげな顔だ。
『はぁ……。あのさ、お前周りの目とか気にしない訳?』
「周りの目って?」
『そりゃお前…高校生の男女が一緒に出掛けるなんて…周りから見りゃデートだろ。』
なんだか自分で言ってて恥ずかしくなってきた…。
「そんなこと言ったらこの前だって私とエージ2人で映画観に行ったじゃん!あれってデートだったの?」
『そんな訳ねーだろ。俺とお前は幼馴染でお前は俺にとって妹みたいなもんなんだからよ。河田さんはそーいうのじゃねーんだからさ!』
「そんなこと言ったら河田さんだって私にとってお兄ちゃんみたいなもんだし。そもそも私は河田さんと付き合ってるとか勘違いされても別に平気だし…。」
『いや、お前は良くてもダメなんだって!』
「えっ、何?もしかして河田さん彼女とかいるの?」
『いやいや!河田さんに彼女なんているわけねーだろ!』
議論はヒートアップ。
つい俺は声を荒げてしまった。
後ろを振り向くと怪しくニコリと笑う河田さん。いや、目は笑っていない。
地獄耳の河田さんにはそこだけはしっかり聞こえてしまったらしく、
「おい沢北。だれには彼女なんているはずねーって?」
『すいません!!すいませんってば!!痛いッスよぉ!!』
と、俺にいつものプロレス技を決めそそくさと自主練に戻って行った。
「いやぁ。いつ見ても河田さんの4の地固めは鮮やかだなぁ。あ、エージ大丈夫?涙目になってるけど。」
と、河田さんのプロレス技に関心しており俺の心配なんて二の次だ。
それも何故か俺をイラつかせた。
『うるせー。これくらいなんてことねーよ。それよりお前はもうちょっと色々自覚しろよな。お前見てるとイライラすんだよ。』
俺はついリリコに冷たく言い放ってしまった。
「もういいっ。帰る。」
するとリリコは踵を返し体育館の出口へ向かって行った。
山王工業2年、バスケ部。
今日も授業が終わり体育館で部活が始まる前のわずかな時間に軽く自主練を始めている時のことだった。
「こんにちはー!」
男子ばかりの工業高校に似つかわない高く元気な声が体育館に響いた。
声がする方を振り向くとそこにはさらさらの長い髪をなびかせたセーラー服に身を包んだ小柄な少女がいた。
「おお!リリコちゃんでねぇか!」
「久しぶりだベシ。」
と普段は怖い河田さんや深津さんもや他の先輩たちも顔を綻ばせそこへ集まっていく。
彼女の名前は山城リリコ。
「はい、これ差し入れです!良かったら飲んでください!!」
「おう!相変わらず気が利くな。サンキュー!」
差し出されたスポーツドリンクを受け取る河田さん。
「あっ!河田さん、来月インターハイ終わったらプロレスの試合見に行きません?面白そうな試合あるんですよ!」
「それなら俺も知ってんべ!ちょーど観に行きたいと思ってたんだ!」
「じゃあ決まりっ!約束ですよ!」
と嬉しそうなリリコ。
普段俺にはムスっとした顔ばかりの河田さんもニヤケ顔だ。
「相変わらずお前らはプロレス好きだベジ。」
今度は深津さんが会話に入ると…
「あっ!深津さん!私、新しい語尾考えたんです!ピョンとかどうですか!?」
「ピョン…。なかなか良いかもしれないピョン…!」
つい最近までベシは今までで1番気に入ってるから当面変える気はないなんて言っていた深津さんまでこの調子だ。
やれやれ…なんて思いながら1人で黙々と練習を続けていると、
「あっ、そうだ。エージは?まだ来てません?」
リリコが深津さんにそう尋ねると、
「沢北ならあそこで自主練してるピョン。」
と、俺の方を指差した。
「エージー!お弁当おばさんから預かって来たよー!」
そう言いながら彼女はようやく俺の方へ駆けて預かってきた夜用のお弁当を差し出した。
『…おう。』
俺はその一言だけ返し弁当を受け取る。
「え?なに?なんか機嫌悪くない?」
そう言いながら小柄な彼女は背伸びをして俺の顔を覗き込む。
『別に…そんなことねーよ。』
「嘘だー!瞬きめっちゃしてるもん!自分で気づいてないのかもしれないけど、エージ嘘ついてる時瞬きめっちゃしてるからね。」
『だから本当にそんな事ねーって!』
「ぜーったい嘘!!」
俺とリリコがそんなことで揉めていると…、
「ははは。相変わらずお二人は仲が良いんですね。」
と後ろでは美喜男が笑っていた。
「『はぁ!?どこが!?』」
と思いがけず、2人ぴったり息が合ってしまい思わず顔を見合わせた。
「ほら。息ピッタリだし喧嘩するほど仲が良いって言うんですよ。それによく兄は家でお二人のことあれは痴話喧嘩だって言ってます。」
「『痴話喧嘩…。』」
またまた息がピッタリ合ってしまう。
『あー、もう!お前ちょっとこっち来い!!』
俺はリリコの手を引っ張り体育館の隅のほうに連れて行く。
『お前、ほんとに行く気なのかよ?』
「え?行くって何処に?」
『ほら…。その…河田さんとプロレス観に行くとかさっき言ってたじゃん。』
「あー。なんだ、聞いてたんだ。うん、行くよ?何か問題?」
キョトン、とした顔で俺に聞き返すリリコ。
『まさか2人で…とかじゃないよな…?』
「まあ…他に行く人が居なきゃ2人だけど?」
リリコはまた何か問題でも?と言いたげな顔だ。
『はぁ……。あのさ、お前周りの目とか気にしない訳?』
「周りの目って?」
『そりゃお前…高校生の男女が一緒に出掛けるなんて…周りから見りゃデートだろ。』
なんだか自分で言ってて恥ずかしくなってきた…。
「そんなこと言ったらこの前だって私とエージ2人で映画観に行ったじゃん!あれってデートだったの?」
『そんな訳ねーだろ。俺とお前は幼馴染でお前は俺にとって妹みたいなもんなんだからよ。河田さんはそーいうのじゃねーんだからさ!』
「そんなこと言ったら河田さんだって私にとってお兄ちゃんみたいなもんだし。そもそも私は河田さんと付き合ってるとか勘違いされても別に平気だし…。」
『いや、お前は良くてもダメなんだって!』
「えっ、何?もしかして河田さん彼女とかいるの?」
『いやいや!河田さんに彼女なんているわけねーだろ!』
議論はヒートアップ。
つい俺は声を荒げてしまった。
後ろを振り向くと怪しくニコリと笑う河田さん。いや、目は笑っていない。
地獄耳の河田さんにはそこだけはしっかり聞こえてしまったらしく、
「おい沢北。だれには彼女なんているはずねーって?」
『すいません!!すいませんってば!!痛いッスよぉ!!』
と、俺にいつものプロレス技を決めそそくさと自主練に戻って行った。
「いやぁ。いつ見ても河田さんの4の地固めは鮮やかだなぁ。あ、エージ大丈夫?涙目になってるけど。」
と、河田さんのプロレス技に関心しており俺の心配なんて二の次だ。
それも何故か俺をイラつかせた。
『うるせー。これくらいなんてことねーよ。それよりお前はもうちょっと色々自覚しろよな。お前見てるとイライラすんだよ。』
俺はついリリコに冷たく言い放ってしまった。
「もういいっ。帰る。」
するとリリコは踵を返し体育館の出口へ向かって行った。
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