俺は真剣だ!

「よーし、今日の練習はここまでだ!」

高頭先生の号令で今日の練習は終了。




初日からキツい練習にみんなぐったりだ。


みんなで片付けをしていると何やら仙道が[#dn=1#] に話しかけている。

俺は2人の会話が気になりそっと近づいて盗み聞きをした。



「ねぇ、[#dn=1#] ちゃん。俺の部屋401号室だから夜遊びに来てよ。福田は桜木の部屋にでも追い出しとくからさ。」


「はぁ?行くわけないでしょ?何言ってんのよ、バカ。」


[#dn=1#] さんは仙道を相手にしていない様子で俺はそれを見てホッとした。




『そうだそうだ![#dn=1#] さんがお前なんか相手にするわけねーだろーが!このカッコ付け野郎め!ガーッハッハ!』


盗み聞きのつもりだったのについ2人の会話に口を挟んでしまう。



「ちょっ!信長聞いてたの!?」


少し恥ずかしそうに怒る[#dn=1#] さん。



「いやぁ、それはどうかな。まっ。待ってるから。[#dn=1#] ちゃん。」


仙道は[#dn=1#] さんの肩に手をポンっと置いて去って行った。

その時、[#dn=1#] さんの瞳が揺れていた事に俺は気づかなかった。
飯を食い終わった後も俺は1人再び体育館へもどり自主練をしていた。



仙道…アノヤローにだけはぜってー負けねえ…!




気づけば時間は9時半。
10時の消灯時間までに風呂に入らないといけない事を思い出し練習を切り上げて風呂へ向かう。



さっと風呂を済ませ自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、そこには俺のよく知る後ろ姿があった。





『[#dn=1#] さん…?』



俺が声をかけると[#dn=1#] さんはピクッと反応してその場で立ち止まった。


女子のフロアは3階のはずだ。
どうしてここに[#dn=1#] さんがいるのだろうか。



まさか……!
俺はとっさに[#dn=1#] さんの腕を掴んだ。




『まさか[#dn=1#] さん…、仙道の所に行くつもりじゃないっすよね!?』



「だったら何よ?信長には関係ないじゃない…。離してっ!」


そう言って[#dn=1#] さんは俺の手を振り解き再び仙道の部屋に歩き出した。





その場でしばらく立ち尽くす俺。

たしかに俺には関係ないといえばないかもしれない…。



でも…。でもやっぱりそんなのは嫌だ…!


俺は走って[#dn=1#] さんを追いかけた。
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