俺は真剣だ!

これは神さんや他の先輩たちから聞いた話なのだが[#dn=1#]さんは1年生の頃、仙道と付き合っていたらしい。



いや、付き合っていたと言える関係だったのかは分からない…。

もしかしたらただの大人の関係ってやつだったのかもしれない…。




仙道はかなりモテるから[#dn=1#]さんの他にもそういう関係の女の子が何人もいたらしい。

それに気付いた[#dn=1#]さんはすぐに仙道との関係を断ち切ったと聞いていた。





その話を聞いた時俺は仙道が許せなかった。
絶対あいつには負けないと誓い、夏のインターハイ予選では陵南をボコボコにしてやった。




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そんな俺のモヤモヤは晴れないまま、神奈川県国体選抜チームの合宿がスタートした。



海南からは、牧さん、神さん、俺。

湘北からは、宮城、流川、桜木。

陵南からは、仙道、福田。

翔陽からは、藤真、花形。


などといったメンバーが選出されていて、監督はウチの高頭先生と陵南の田岡先生。
[#dn=1#]さんと湘北のアヤコさんもマネージャーとして招集されていた。





絶対この合宿で仙道だけには負けねぇ。
そう心に誓った俺だった。

そんな俺はいつも以上に気合を入れて合宿に臨んだ。


チーム内での紅白試合でも仙道に果敢に1on1で挑んでやった。


まあ結果は五分五分ぐらいだったがあの天才と称される仙道と互角に渡り合ったのだ。
周りからもなかなかの評価を受けた。


「信長いいわよー!その調子よー!」

なんてコートの外から[#dn=1#]さんも俺に声を掛けてくれた。そんなことは滅多になくて俺はさらに波に乗っていた。




「いやぁ、信長くん。君、なかなかやるね。」

そう言って俺が今1番気に食わない男・仙道が話しかけてきた。



『うるせー!話しかけてくんじゃねえ、仙道!』

俺の言葉にポカンとする仙道。



「あっ、ごめんね仙道。こいつ国体に向けて気合い入りまくりでちょっといきり立ってるだけなんだ。」


そう言って近くに居た神さんが間に割って入る。


「あははっ。そうか、そりゃ結構。」




と余裕そうに笑いながら仙道は戻っていった。




アノヤロー!カッコ付け野郎め!

これじゃ俺だけが子供みてーじゃねーかよ!
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