俺は真剣だ!


俺は(自称)神奈川ナンバーワンルーキー、清田信長!


1年生ながら海南大附属高校のスタメンの座を勝ち取った脅威のスーパールーキーとは俺の事だ!







俺には好きな人がいる。


それは…


『[#dn=1#] さーーーーん!!今日もお綺麗っスね!今日、部活終わった後飯でも行きませんかー!?』


バスケ部のマネージャー、[#dn=2#] [#dn=1#] さん。

2年生の先輩だ。





「あーもう!信長は今日もうるさいわね、早く練習しなさいよ!」


相変わらず[#dn=1#] さんは今日もまともに俺の相手もしてくれない。





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俺が[#dn=1#] さんに恋したのは半年前。俺がここに入部してきた日だ。


長い髪を一つに束ねていて、手足はスラリと長く伸びていた。そして整った顔立ち。

まさに海南大附属バスケ部の一輪の花。


[#dn=1#] さんのマネージャーとして明るく部員たちを励まし支える姿に俺は目を奪われていた。

そう、一目惚れってやつだ。



それから毎日俺は[#dn=1#] さんに必死で猛アタックをする日々だが一向に相手にされることもなく半年が過ぎていた。




その日部活が終わると俺は神さんと一緒に飯を食いに行った。



『あぁー!どうして俺、一向に[#dn=1#]さんに相手にしてもらえないんすかね、俺の何がいけないんすねぇ、神さぁーん!』


神さんに泣きつく俺。
神さんは[#dn=1#]さんと同じクラスで仲もいいし良くこんな風に相談に乗ってもらっていた。



「ははは。やっぱ信長の真剣さが伝わってないんじゃない?[#dn=2#]に。」



『えぇー!俺、こんなに真剣なのにーっ!』


『[#dn=2#]は結構モテるからね。[#dn=2#]にとっては信長は他に言い寄ってくる男たちと一緒くらいにしか思われてないのかもね。それと…。』



何かを言いかけてやめた神さん。


『それと…?何すか?』



少し考えた後再び口を開いた神さん。

「まあ、これはただの俺の推測なんだけど…。[#dn=2#]はもしかしてまだ仙道の事が好きなのかな…って。」


『えっ?えぇーっ!?そんな…まさかっ!!!!』



驚きのあまり店の中で大声を出してしまい、周りの他のお客さんたちが俺たちの方を一斉に見た。



「ちょっと、落ち着きなよ信長。だからあくまで俺の推測だってば。
この前の選抜チームの練習会の時さ、[#dn=2#]ずっと仙道の事目で追ってた。だから、もしかしてまだ好きなのかなーって。」


そうだったのか…。仙道め…。

その日家に帰ってからも俺のモヤモヤが収まることはなかった。
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