お父さんへの秘密
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もしもし…?」
仙田なんてクラスメイトはおそらくいないだろうからリリコちゃんは警戒している様子だった。
『あっ、リリコちゃん?俺、仙道だけど。陵南の…。』
「え!仙道さん!?どうしたんですか?」
電話越しでもすごく驚いているのが伝わってくる。そしてその驚いた声が田岡先生に聞こえるのではないかと俺はヒヤヒヤした。
『いきなりごめんな。こっちから掛けといてこんな事言うの申し訳ないんだけど、田岡監督には気づかれないようにしてくれないかな…?』
「あっ、はい。今、父は近くにいないから大丈夫です。それよりどうしたんですか?」
リリコちゃんのその言葉にホッと無でを撫で下ろし覚悟を決めて本題を話し始める。
『あのさ、今度の日曜日、リリコちゃん部活あるの?』
ドキドキしながら尋ねると、
「次の日曜日は体育館の点検作業とかで部活はないんです。」
『本当?あのさ、陵南も日曜は部活午後からだからさ…、よかったらその…、どっか一緒に出掛けない…?』
「えっ?私と仙道さんが…ですか?」
戸惑っている様子のリリコちゃん。
そりゃ一瞬会っただけの奴にいきなり出掛けようって誘われても困るのは無理ないよな…。
『ダメ…かな…?』
「あっ、いや、そんな!むしろ私なんかと一緒でいいんですか…?」
『はははっ。俺はリリコちゃんに会いたいからわざわざ監督の家に勇気出して電話してんのっ!』
「えっ?あ、じゃあ是非…。」
電話を持つ逆の手で思わずガッツポーズをしてしまった。
そして日曜日の朝駅で待ち合わせの約束をして電話を切った。
ついにまたリリコちゃんに会える…。
約束の日曜日まではまだ数日あるというのにこの日は眠れなかった。
次の日、クラスで越野に昨日の事を報告すると、
「まじで電話したのかよ!すげえ度胸だな!」
『はははっ。お前が覚悟決めて電話しろって言ったんだろ?』
「そうだけどさ。まさか本当に電話するとはな。俺なら絶対無理だわ…。いや、でも本当に良かったよな!」
と自分のことのように喜んでくれた後に、
「それにしても女の扱いには慣れてそうな仙道がリリコちゃんのために田岡監督の家にタジタジしながら電話してたのを想像しただけでおもしろいな、はははっ。」
と馬鹿にされたが、越野が昨日俺に電話しろと言ってくれなければリリコちゃんに会う約束は取り付けられなかっだろう、と今日は越野に感謝した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プライベートでも充実している俺は部活も調子が良かった。
「よーし、仙道!絶好調じゃないかー!この調子でインターハイ予選でもお前が牧を倒すんだぞ!」
と田岡先生も超絶上機嫌である。
心の中で俺はあなたの娘さんのおかげですよ、なんて申し訳なく思ってしまった。
こうしてリリコちゃんとの約束の日曜をむかえた。