お父さんへの秘密
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あれから2週間ほどが経った。
またね!
とリリコちゃんは言ってくれたが、まぁもちろん連絡が来るわけでも陵南に来るわけでもなかった。
そもそも連絡先なんて知らないしな…。
リリコちゃんにまた会いたい…。
昼休みに机に肘をつきながら、はぁ~っと深いため息をついていると、
「どうした、仙道?悩み事か?」
なんて茶化すように越野が話しかけてくる。
『いやぁ…。実はなぁ…。』
と話すか少し迷ったが自分の現在抱える悩みを越野に打ち明けた。
越野は同じクラス、同じバスケ部でプライベートでも仲が良い。結構何でも話せる仲でもある。
「たしかに監督の娘は可愛いかった。でもまさか監督の娘にお前が一目惚れするとはな…。」
少し驚いた様子の越野。
『いやぁ…。自分でもビックリだよ。よりによってリリコちゃんは田岡先生の娘なのになぁ…。』
ふぅ…ともう一度深く溜息をつく。
「でもさぁ、連絡先なら分からなくもないだろ?バスケ部の連絡網!それで監督の家の電話番号分かるだろ?」
『監督の家!?そりゃそうだけどさ、監督が出たらどうすんだよ?』
「まあそうなったらなんとか頑張れよ。監督の娘に恋しちまった以上はそれくらいの覚悟は決めろよ。」
そう言って越野は俺の肩にポンっと手を置いた。
たしかに越野の言う通りだ。
こうして俺は今日家に帰ったらリリコちゃんの家に電話をかける事を決意した。
その日俺は家に帰るとバスケ部の連絡網を引っ張り出して、ふぅーっと1回深呼吸をしてリリコちゃんの家に電話を掛ける。
プルルルル プルルルル
監督だけは出ないでくれ…。
せめてリリコちゃんのお母さんが出てくれ…。と祈りながら向こうが電話に出るのを待つ。
「はい、田岡です。」
その声はよく聞き慣れた声…。
最悪だ…。よりによって田岡先生が出るなんて…。
俺は田岡先生に気づかれないように鼻をつまんで声を変えた。
『あっ、あのリリコさんのクラスメイトの仙田と申しますが、リリコさんご在宅でしょうか?』
とっさに仙田とデタラメな名前を名乗ってみたが…
「リリコのクラスメイトだとぉ?リリコは女子校に通っているはずだが…。」
し、しまった…!
そういえばリリコちゃんは女子校だった…。
しかしここで食い下がるわけにはいかない。
『あっ、いや私声が低いから電話だと男性とよく間違えられるんです。あははっ。』
「そ、そうか…。それはすまなかった。ちょっと待っていてくれ。」
さすがにこの言い訳は苦しすぎるかなと思ったがなんとか誤魔化せたようだ。
しばらくすると受話器からは愛おしい声が聞こえてきた。