俺の名前は仙道彰、陵南高校2年バスケ部だ。



今うちのバスケ部はインターハイ予選に向けて猛練習中。


日曜日の今日は朝から夕方までみっちり練習なのだが、今日も俺は安定の寝坊。



つい先日の朝練も寝坊で田岡先生に怒られたばかりだってのに、今日はどんな雷が落ちるか分からない。



急いで準備して学校へ向かう。



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今日もひどく田岡先生にひどく怒られるんだろうなと憂鬱な気持ちで学校の門をくぐると中には見慣れない制服の女の子がいた。


うちの学校の生徒じゃないな…。


その女の子はキョロキョロと辺りを見渡し、何かを探しているようだった。



一刻も早く体育館に向かわなければならないのだが、困っている人を放っておく事はできない。


というのは建前で、その女の子がちょっと自分のタイプだったので話しかけてみることにした。



『どうしたの？君、ここの生徒じゃないみたいだけど。』


「あっ、私体育館に行きたいんですけど…。」


パッとこちらを振り向いたその彼女は長くてサラサラな栗色の髪に、ぱっちりとした目。年は自分よりも下だろうか？


近くで見ると一層可愛くてこれはもろタイプだ…。


『それなら、俺ちょうど行くところだから着いてきなよ。』


「あっ、もしかしてバスケ部の方ですか？ありがとうございます～！」


彼女の顔が一気にパッと明るくなり、その笑顔にドキッとした。



最初、他校に入ってきてオロオロしていた様子だったが俺の横を歩く彼女はほっとした表情に変わっていた。



『君もバスケ部なの？』


彼女が背中に背負っているバスケットボール用のバックを指差し尋ねる。


「あっ、はい。鎌倉女子高のバスケ部なんです。」


『へぇ～。鎌倉女子って言ったらインターハイ常連校じゃん。』


「えぇ、まぁ。私はベンチにも入れない1年生なんですけどね。あっ、陵南は今年はインターハイ狙えそうなんですよね！仙道さんっていうすごい選手がいるって聞きましたよ！」


彼女は目をキラキラさせながら俺に話しかける。


『えっ？あぁ、仙道さんね。ははっ。』


この寝坊して重役出勤な俺がその仙道さんですとは言えず俺はとっさに誤魔化した。