鈍感な俺たち
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自主練習が終わるとリリコを自転車の後ろに乗せて家まで送る。
これがいつもの日課だ。
リリコは1人で帰れるって最初は言っていたけど、俺の練習に付き合ってくれているんだし、夜に一人で帰らせるのは心配だ。
だから俺が家まで送るのは当たり前だし、そしてなによりリリコが俺の背中に触れながら、2人でたわいのない会話をするこの帰り道が幸せな時間だった。
「神くん、ありがと!また明日ね!」
『ううん、こちらこそ。おやすみリリコ。』
家の前でリリコを下ろし別れる。
いつもリリコは俺の姿が見えなくなるまで手を振って見送ってくれた。
リリコに想いを告げようか悩んだことも何度かあった。
しかし、もしフラれてしまったら今の関係にはもう戻れないかもしれない。
リリコは人当たりが良くて誰にでも優しく親切な本当によく出来たマネージャーだ。
バスケ部内でも先輩後輩共に人気が高く狙っている部員もちらほら。
まっ、全部事前に俺が阻止したけど。
俺の練習に付き合ってくれているのもただの親切なのかもしれない。
そう思うと思いを告げるのが怖くて、ずっと踏み出せないでいた。