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右手

 この物語を記した切欠きつかけは、僕の友人である書生に、君のその偏執的な趣味を物語にしたいと云はれた為である。
 よつて僕の記憶にさへ残つてゐた、三つのヱピソヲドを此処に記したのである。
 此話が皆様の楽しみになつて頂ければ、幸いであると思ふ。
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