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出会いをたいせつに

「でもさ、こっくりさんって手順を間違うだけで危ないんだろ?それに霊が許してくれるかどうかもわからないしさ…。こういうのは神社とかお寺に頼むほうがいいんじゃないか?」
永山の言葉に稲垣がうなずく。
「じゃあ、打つ手はないっていうことなのか?」
「ないとは言ってないぞ。俺らは手を出しちゃいけないんだ」
「だからって仲間を見捨てるのか?」
「そんなことは言ってないだろう」
「なんだと?」
「おう、やるのか?」
「ちょっと待った!」
桐山と永山がにらみ合った時、輝道朧(てるみちおぼろ)と輝道瀧(てるみちたき)が二人の火花を和らいだ。
「何の話?」
「弧がこっくりさんをやってどうしたらいいのか議論してて、このありさまだ」
「へぇ~。で、何か策はでたの?」
「出ていないから、衝突してるんだよ」
瀧と鈴芽は悠長に話す。
「あの、もう、いいよ」
弧が争いの場を鎮めた。
「え?なんでだよ」
「だって、この話は、…嘘だから」
「え?嘘ぉ?」
その場にいる全員が絶句した。
「嘘ってどういう風の吹き回し?」
「そうだよ、ちゃんと説明しろよ」
莉子と永山が突っかかる。
「それは、こういうことです」
弧は一言いい終えると、くるんと一回宙返りした。
すると、そこには弧の姿はなく、白銀の毛並みをした小さな狐が座っていた。
「…どういうことなんだ?」
最初に口を開いたのは桐山だった。
「皆さんのこと騙してしまってすみませんでした。でも、こうするしかなかったので…」
「まず一から話してくれないとな」
「はい、それでは真面目に聞いてください……」
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