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出会いをたいせつに

下校時刻になると、不満だった部活のこともすっきり忘れて家への帰路をたどっていく。
ハルヒは美術部なのだが、弧を学校に案内してあげることにした。
「ここは職員室。で、この奥は生徒会室。保健室は知ってるからいいね。後は…」
「あの、ちょっといいです?」
「ん?なーに?」
「春宮さんはこっくりさんって信じますか?」
「こっくりさんかぁ。私は信じないかな。非科学的現象でも科学では証明できると思うからね」
「私、こっくりさんを一度やったんです」
「へぇ」
「それで、途中で何か嫌な気配がしてこっくりさんに謝りもせずに止めてしまったんです」
「誰かと一緒にやったの?」
「はい、友達2人に誘われて3人でやったんです。その二人は途中で怖くなって逃げだして…。私は2人の後を追って、でも2人がいなかったんです…。私があの時ちゃんと終わらせていれば…あんなことにはならなかったのに……」
「じゃあ、あの時の続きをすればいいじゃん。みんなにも頼んでみるからさ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「よしてよ。それに、敬語じゃなくて普通に喋ってよ。そのほうが関わりやすいしさ。じゃあ、連絡取っておくよ」
「はい!…じゃなくて、うん!ありがとう!」
「そうそう、それでいいから」
ハルヒは急に妹を持った気分になった。

「というわけでさ、皆もやってくれない?」
「俺はやるよ。学級委員の名に懸けて、困っているクラスメートは絶対に助けるのが俺のモットーだ」
「私も。困っている人は見捨てておけないからさ」
桐山と莉子は賛成派だ。
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