とりあえず、この奇妙なやり取りを切り上げて詳しい話を聞ける体勢ではなかったので眠りにつく。




次の日の朝、学校は休みであんな時間帯で起きていたものだから、まだ眠っているのにも関わらず


テレ〇レッテッ〇ッテー（某ゲームのBGM）


最大音量で目覚まし時計用を使うとガバッと起き上がり、スマホをすぐさま取って目覚ましを止めた。


「何でその曲にした？」

≪タイミングが良かっただけだ。後、この曲をかける前に他の曲もかけたが起きなかったぞ≫

「やりたい放題だな」


スマホの中で自由にやってるなぁ…とのんびり考えていた。それもそうだ、起きたばかりとはいえ脳はまだ冴えていないからだ。
それでも、悠はイヴァンにおはようと声をかけてイヴァンもその言葉に理解したのか同じように返事をした。そして朝の支度を済ます。


「今思ったんだけどさ…私がイヴァンを守るって言っても、スマホん中にいるし、逆にイヴァンが私を守るって言っても守れないよな…」

≪その件に関しては心配することはない。悠、この家に自動車は無いか？もしくは雑誌でもインターネットでも構わない≫

「自動車？それでどうするのさ？」

≪自動車、又は機械をスキャンして、その姿に変形することが可能だ≫

「マジか、そんなことできんの？！」


ああ、と答え悠は驚いた表情を出したが、悩ましい表情に変わっていく。車に変形できてもどういうものがいいのか悩んでいた。


「イヴァンが選べばいいんじゃないの？」

≪自分はあまりこういったものには分からない。悠の選択したもので構わない≫

「うーん…」


かと言って自動車には多少興味があるものの、これにしてとかあれになってとかになると叔父さんに怪しまれる。
叔父は今海外出張で現在進行形、私は一人で暮らしている。帰ってきて車庫に知らない車なんてあったら、怪しまれることが間に見えている。


「…あ、そういやアレあったな」

≪アレとは？≫

「うん、ちょっと移動するわ」


部屋から出て、外にある車庫に移動する。
車庫の扉を開けるとそこには叔父が買った白のランボルギーニアヴェンタドール・LP780-4ウルティメ4WDがあった。


「これならスキャンできる？」

≪ああ、それでいい。自動車が見えるように画面を向けてくれ≫


イヴァンの言われた通りに画面をしばらく車の方に向ける。
すると、車の方から金属音の擦れる音が出ると同時にロボットに変形した。
あまりの光景に悠は唖然とした。


『これでもう大丈夫だ、悠。……悠、どうした？』

「あ、悪い…あまりのことで驚いただけだよ」

『そうか』


イヴァンの姿を見て思ったことは


デカ過ぎんだろ、どう見ても


と悟るように語った。
そのままだと普通にアウトだろと言うが、どうやら元の車の姿に戻ることができると返事した。
変形する場面を見たせいか、他の乗り物も疑ってしまいそうだなと片隅にあった。
のちに、悠はイヴァンに鍛錬を頼み込んで、守れるように鍛え込まれたとさ。