太陽と月(長編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あの後ケイドやレッカーズ、技術班達よる武器の説明を受ける。
聞く限り、どうやらその物体の中身は地球の材質から作られたモノではなくサイバトロン製の材質でその物体自体意志を持って生きている。
要はその物体も彼らと同じ金属生命体、流石の私でも呆然となった。
知らず知らずのうちに武器のように扱ってたことを思い出し、会って早々やらかしたのではと身構える。
しかし、私が使っていた時は棍棒、槍を使えたが他の武器にも変形することが分かった。ナイフに銃、槍などのetcの武器系のものなら自由自在に変形可能だそうだ。
ちなみにロードバスターがさっき言っていた「気に入られてる」っていうのは本当らしい。
最初は本当かと疑っていたが、近くの人が見てみろとばかり持っていたスマホを見せてきた。そこにはある動画が流れている。
見てみると一人の軍人、また違う軍人が武器を持とうとすると逃げ回るわ、攻撃はするわ、威嚇?はするわの拒絶が凄くガードが堅い。
おまけに暴れ回ったせいか滅茶苦茶になっていたラボの姿が流れていたがあまり触れないでおこう。
動画を見終えたのち悠は納得したが、怪訝に思う。
軍人に対しての態度は酷いのに自身にはこうも懐かれているのだろう。
気に入られても初っ端から躊躇なく使って戦ったのに普通こういうの嫌悪感を抱くんじゃないのかと思い浮かべるが、違うらしい。
簡潔に言うと
・私が持っていたオールスパーク(指輪)があって懐かれているとのこと
・もう一人オールスパークを持っているが悠が持っているオールスパークとは何かが違うとのことで持つことが出来なかったことが分かった
・用は相性だということ(レッカーズ談)
前半は兎も角、最後テキトーじゃないか。
チラリと手の中にいる武器に視線を移すと表情すらないが、ビクリと動く
。それでいいのかと言いたいが、顔すら読めないのでやめた。
長々と説明を受け終えた悠は驚きを通り越してツッコむのめんどくせぇなと放棄した。
とまあこれが数分前の出来事で今は戦闘シミュレーションの準備を整えている最中であった。
遠くにいる悠は被っていたキャップを外し、と視野が明るくなり広くなる。見やすくなったのは良いが何故かざわつく。
はて…キャップ取っただけなのにざわつく要素なんてあったかと頭の中はてなマークになり、好奇心故かひそかに耳を立てる。やれまぐれだのやれ無理だのの一部が不評、またある中では『目が…』という話が聞こえ悠は考えることをやめた。
まあ仕方ないわと片付けてソイツをクルクル回したり、いじったりしている。
そういや、さっき動いてたよな?声はなかれど意思はあるってことは人間の声分かるはずだよなと試しに声を掛けるとビクリと動く。
「さっきの説明で聞いてたんだけどさ、お前さん色んな武器に変形できるの?」
周囲から見れば武器に話しかけてる変人にしか見えないが、気になることは本当。手の中に持っていた武器が離れたがるような動きをし、放してみるとふよふよと空中に浮いている。
え、浮いてるんだが?と凝視していると縦に振っているのが分かる。
YESで合ってるのかと問うとそうらしい、声なしでも意思疎通が出来て一安心する。
「んー…じゃあ武器の名称を言ったらすぐに変えられんの?」
と答えるとこれもYES。改めて思うととんでもないものに出会ってしまったのが確かだが、実質コイツを使って戦っていて今生きていられているのは事実。
そんなことを考えていると準備ができたぞとロードバスターが声を掛けられシミュレーションルームに足を運び、ソイツも後を続くかのように追いかける。
『お、来たか…………色々言いたいことは山ほどあるがこの短時間、何があった?』
「え、軽い質問してたらこうなった」
『…はァ?それだけでこの距離か?』
「うん」
あっけらかんとした返答にロードバスターは困惑しかなかった。
まだ会って2回目のはずが今では親鳥とその後を追うひな鳥の姿が重なって見える。
そもそも距離の詰め方がおかしいとツッコミたいが、まあ打ち解けているのならいいかと自己完結した。
『お前、ある意味スゲェな』
「そりゃあ、どうも…?」
『…まぁその話は置いといてだ。シミュレーションルームに出てくる敵は反ディセプティコン。ホログラムでもない、言わば本物の金属生命体そのもの、攻撃が当たれば死だ』
淡々と説明を受けて黙々と聞いていく。用は敵の攻撃に当たれば終了、自分が攻撃し、勝てば続行ということだ。
……一言言おう、無理じゃね?
レノックスさんと言いケイドさんと言い、話を大きく盛り上げ過ぎる!!あれはただの正当防衛なのに…!!!と凄く弁解したいと喉の奥から叫びたい。
しかし、此処までされては気が引けないむしろ覚悟の上で此処にいるんだと息を整えて切り替える。
準備ができたと合図を出すとシミュレーションルームの扉が開き足を踏み入れる。
踏み入れた瞬間、扉が閉ざされてアナウンスが流れる。
≪開始1分前だ。準備完了か、嬢ちゃん≫
「大丈夫」
≪気ィ張れよ!≫
≪当たったら瞬間強制終了させるからな≫
「りょーかい」
表示されているタイマーを眺める。
20秒前_____________________
「なぁ、お前さん太刀になれるか?」
悠がそういうと目の止まらぬ速さで太刀に変形し、握れと言わんばかりに私の方に柄を向けられる。
多分外野は変人だと思っているな、こりゃと思われながら柄を握り締める。
10秒前______________
「しばらくの間、力貸してくれ」
体制を整えて構える。
5、4、3、2、1_____
________________始めようか。
試合の鐘が鳴り響く