平凡な日々が終わるっていうのはこういうことなのかもしれない。


善良でどこにでもいる一般市民がこんな軍の国家機密だらけの場所にいにゃあならんのだ。
そも高校生ながらアドバイザーと言う軽い感覚で勧誘されられてるかが意味が分からなかった。


レノックス曰く、あの大騒動で敵に反撃したのがきっかけでNEST隊員やオートボット、ディセプティコン(一部)達にも相当なインパクトを与えた。
ただ突いただけだと何度も訴えたが聞く耳持たず。
最初はレノックスも軍より民間人の病院に送ろうと提案したが頑なに拒否をする金属生命体。
同胞であるイヴァンの命を救い、司令官であるオプティマスは余程の恩を感じているらしく、頑なに拒否した。
そんなこんなで結論を出したのが軍の基地内にある病院になったというわけである。
まさか寝ている間にそんなやり取りがあったなんてと思うと複雑な表情を浮かぶ。


「というか、自分まだ高校生なんスけど？」

「なあにそれくらい分かってる。そんなきつい仕事でもないし、そうだな、ボッツとディセップ共の橋渡し、簡単にいにゃあ軍の雑用とも言っても構わない」

「……日本と軍の距離馬鹿みたいにあるんですが？」

「その点に関しては大丈夫だ。ラチェットが開発した…ワープ装t「あ、だいたい分かりました」

「そ、そうか」


ワープ装置と言いかけてるけど、レノックスさんそれ絶対どこ〇もドアじゃん。紛れもなくそれじゃん。なんてモン作ってんだラチェットという奴は、と項垂れた。


「ちなみに言うとお前の就職先はここに決まったからな」

「拒否権ってモンはないのか？」

「ないな」



更に追い打ちをかける。というより何故雑用係なのかと聞くと、レノックス曰く、普段戦闘に明け暮れた彼らは格納庫に在中することが多く、更に地球に住み慣れていない彼らは常識など浅い。つまり、お世話係兼雑談係というポジションを探していた。
実際に戦地に向かうこともない仕事。ただ、日常の世話やコミュニケーションを取ればいい。

軍の特殊部隊のスカウトがこんなものでいいのか。と複雑になりながら引き受けることになった。
そりゃそうだ、その書類の中には個人情報が記載されたり、ご丁寧に過去の記載も明記され腹立つぐらい勝ち誇った笑みは今でも覚えている。
とりあえず挨拶する前にその怪我を治せと言われ、専念する。