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第一話「少年兵、マキア」

「おいマキア。起きろ、朝だぞ。」

少年の不機嫌な声が小さな小屋の中をこだまする。
掘っ立て小屋に毛が生えた程度の粗末なその小屋はみすぼらしく、お世辞でも綺麗と言えたものではなかった。部屋の隅には埃が降り積もり、無造作に天井から吊り下げられたランプには住人を失くした蜘蛛の巣が厚く張り付いている。おまけに壁板には木が腐蝕したせいか小さな穴が無数に空いている有り様だ。
その空いた穴から漏れ出した外界の白い光だけが、この小屋の唯一のオアシスのように神秘的に輝き、ここに生命がある事を示唆していた。
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