扉を開けて
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最近、妹の成長が著しい!
うちは宗家の嫡子、うちはマダラはすぐ下の妹のイヅキが鍛錬に積極的になったことに歓喜していた。
可愛い可愛い初めての妹弟。
双子だが、人懐こい弟のイズナと違って本を読んでばかりであまり喋らないので、いつか一人で溜め込んで潰れてしまいそうだと心配していたのだ。
しかも鍛錬から抜け出すから話す時間取れなかったし……弱いまま、下の弟たちのように死んでしまうんじゃないか。
そんな不安もあった。
「いいぞイズナ、イヅキ。よし、もう少し速度を上げるか。」
「はいっ、兄さん……!」
「え゙。まだ早くするの!?」
文句を言いつつも、サボってた分ブランクがあるはずなのについてくるイヅキ。
足場が悪い岩の上をしばらく走っているが、チャクラコントロールもバランス力も悪くない。
まるで密かに特訓していたみたいだ。
そう、秘密の特訓……最近妹を見ていると、不思議と先日河原で出会ったキノコ頭──柱間が脳裏によぎる。
まさか、その柱間の弟がイヅキを無意識に育ててしまったことなど知らぬマダラは、初めてできた友を思い出し、笑みを浮かべた。
そんなマダラを見てイヅキとイズナが双子らしく同時に首を傾げている。
やはりオレの妹弟は可愛い。
家族を守るためにも、こんな無益な戦乱はどうにかして終わらせなければ。
前を向いたマダラは、また速度を上げた。
◇◇◇
扉間のチキチキ一般人教室
〜※なお両者一般人として過ごした経験なし〜
「イヅキ、足音。また音消してるぞ。」
「許せ扉間……ていうか、うるさいから静かに歩けって言ったのはキミだよね!?」
「普段は消さんでいい。消すな。消したらお前の命が消えると思え。」
「何その三段活用怖っ!!いやなんで歩くのにもいちいち文句つけられるのさ。姑なの?掃除したら埃が残ってましてよとか言いそう。」
「は?望むならこの社隅から隅まで掃除させてから言ってやるが?」
イヅキは、なぜかキレ気味の扉間に普通の人としての行動を強いられていた。
彼女からすれば普通ってのは
扉間にしてみても、一般人など任務でちょろっと見かけたかなってくらいなので、実はあまりよくわかっていない。
とりあえず、扉間は本で調べた一般人というものを当てはめることにした。
「頭から一本の糸で釣られているように背筋を伸ばす。肩の力を抜いて顎を引く。手は体の前で指先を軽く重ね合わせ、足は揃えてつま先を合わせる。」
「ふむふむ……ねぇ、扉間、なんか教材間違えてない?」
扉間が言う通りの姿勢をとってみて、イヅキは首を傾げた。
姿勢を正したイヅキは、うちはの端正な顔立ちもあって無駄に良家の子女みたいに見える。いや、うちは宗家の娘なので良家には違いないのだが。
兎にも角にも、イヅキ的に、なんとなく一般人とこの姿勢は少し方向性が違う気がした。
イヅキのことをまだ男だと思い込んでいる扉間は、それに反応することなく、こうしてみるとコイツ顔はいいよな、と疲れた頭で思いながら先を続けた。
最近寝不足で頭が回ってなかったのだ。
「声は高めに、口調は柔らかく。笑みを浮かべる時は口角を上げることを意識。唇には紅を乗せ───ああ、これ女装の手引きか。間違えた。」
紅がないな、と懐を漁ろうとした時点で流石に変だと気づき、指南書の表紙を見る。
『誰でもできる!はじめての女装』
題名を見て扉間は思い出した。そういや任務の一環で、この前家の書庫から引っ張り出したんだった。
「間違え方がやばいね!隈すごいけど、最後に寝たのいつ?」
「4日前。」
「寝て?!!!なんでそんな無理してるの!?」
「兄者が最近抜け出してばっかでその対応と社の歴史書探しと、あとお前の責任取らなきゃならんから、寝る時間がない。」
「私の責任とかよくわかんないけど、お兄さんはともかく、私とか歴史書は逃げないからこんなことしてないで寝なよ!!」
ゆるゆるな兄柱間の分、日頃から気を張り詰めている扉間はもう限界だった。
兄の後を追ったり兄が放って行った書物を片付けたり、任務遂行したり、趣味の歴史書を探したり、イヅキの一般人化計画を進めたり。成長期真っ只中の扉間には睡眠と食事が不足していて、オーバーワークでくたくただった。
だから、仕方ない。
よくわからんが寝ていいって言ってるし、付近にヤバそうな気配ないからいいだろう。
「え。」
「おや、すみ……。」
扉間は寝た。枕がなかったので、近くにあった柔らかいものを枕に。
「ひ、膝枕じゃなくて、帰って寝ろって意味だったんだけど……?!」
イヅキは、うちは宗家の娘である。
血継限界もあって内向的なうちは一族の、しかも宗家のたった一人の娘である。
もちろん家族以外に膝枕の経験はない。
「……まあ、扉間だし良いか!おやすみ。」
ただ、警戒心もなかった。