きのみきのまま(仮)
今日も今日とてサバイバルに励む無職一般女性な私です。
みなさんお元気でお過ごしでしょうか、私は、私は……
死 に そ う で す。
唐突なワイルドエリア(仮)サバイバル!(ただし装備は部屋着という名の着古したジャージにスマホのみ)から幾日。
犬(ワンパチ)に頬ずりされれば体に電流が走り(物理)、猫(チョロネコ)に引っ掻かれたら抉れた傷口から出血大サービスするような魔境で今日まで生き延びた私を誰か褒めてくれ。
…なあえるしってるか、生命の危機を感じると夢とか現実とかどうでも良くなるの。たとえ夢だろうが死にたくないんだわ。コレ豆知識ね。
天気は入れ替わり立ち替わりで晴れ曇りから雷雨吹雪までお得なオールシーズン!季節感なんて存在しないんだこの修羅の地は。あり得なさすぎて余計現実味がない。
てか植生とかどうなってるの、雪で枯れないくせに夏のような暑さでも生育できるとかこの植物たち凄くない?食虫植物とかあったら異常な進化遂げてそ…あっ、まさか草タイプってそういう……。
まあ、そんなこんなで、修羅の世界でどうにか生きてるわけだけど……私にはポケモンと会話できるとかそんな特典はなかったし、キテルグマと張り合えるほどのパワーチートもなかった。今までプレイしたゲームのポケモンが手元にいるかといえば、もちろんいない。夢か現実かわからんけど非情である。
つまり何を言いたいかと言うと、だ。
──どっかの童話のお姫様じゃあるまいし、街生まれ街育ちのシティガールが野生動物とキャッキャウフフなんてできるわけがないんですよねぇ。
「野生動物、いや野生ポケモンこわ……」
ポケモンに話しかけてみる?初対面で馴れ馴れしいぞなんだ貴様とひっくい唸り声とか甲高い警戒音出されたから(私の命が)ないです。下手しなくても私の命をかけたバトルの始まりだぜ……もう死ぬ気で逃げたよね。いやむしろ死なないためだし生きる気で?
とにかく良い子の皆さんは野生動物を闇雲に刺激するのは辞めましょうね。ビークインの巣に石を投げるとかそういうの。
この世にはハチミツより大事なモンがあんのよプー太郎。
ポケモンが無理なら現地人に助けを…と思っても電話は繋がらないし(そもそも110番なのか?)、SNSは軒並み使えないし、そもそも見渡す限り木や草原でどこに行けばいいかわからないし。こう言う時どうしたらいいのかネットで調べようにも、ねぇ。
"インターネットに接続されてません"
「だよね知ってた!!……電源切っとこ」
じゃあ迷子の時は動くなと言うから、待ってれば誰かが助けてくれるんじゃないかなぁとボーッとして1日潰しかけたのはもはや黒歴史よ。
そんな都合よく人は来ない。ていうか遠目にすら人影も見えない、ちなみにヒトカゲも見えない。
ワイルドエリア(仮)で警戒もせず姿も隠さずに立ち止まったり歩き回ったりするのは、ただの動き回る木偶の坊(?)にすぎないと学んだ。
わぁい、うつくしさ(衛生度)が50下がったけど、かしこさが1上がったぞ!!
……どうせ上がるならぼうぎょとかすばやさが欲しいんだよなぁ。生存のために。
そういやしばらく居てわかったんだけど、ここじゃ人間は、単体では大した技も使えない生き物、もしくは密猟者かポケモンを引き連れて勝負を挑んでくる奴、…みたいに思われているっぽいので、道具なりボールなりを持ってたらバトル、持ってなかったら無視が一般的らしい。
ポケモンの好物が人肉じゃなくてよかった。ほんとに。
着の身着のままトリップしたおかげか、それとも弱そうに見えたのか、ほとんどポケモンに相手にされなかったのは喜んだら良いのか悲しんだら良いのか…。
まあ、寝床や食料の奪い合いに武器の有無とかそんなもの考慮されないけどな!
じゃあどうやって生き残る?
人間と同じで目があったらとりあえず勝負だよ。勝って自分の強さをアピールするか、勝負を経て友情をゲットするしかない。
ポケモンによってアピール方法違うんだけど、同タイプ・卵グループなら技とか特性勝負。違うならバトルが主流みたい。
例えば鳴き声の大きさ勝負とか、きのみの奪い合いを制すとか。たまに同タイプでもバトルするポケモンもいるっぽいけど、だいたいその種のポケモンの覚える技とか特性で勝負をすることが多い気がする。
あっ、ハグ大好きなキテルグマさんは、人間見たら抱き枕かサンドバッグだとでも思ってるのか駆け寄って抱きつこうとしてくるので、姿を見かけたらすぐに逃げましょうね。ヌイコグマも可愛い顔して、戯れで岩を砕いてたから…こゎぃ。ホント見た目で判断は愚行、油断禁物。
そもそも基本的に初対面の野生ポケモンとの触れ合いは普通の人間の防御力では瀕死待った無し(むしろ瀕死で済めばラッキー)なので、ソーシャルディスタンス心がけてきのみでご機嫌伺いくらいはしないと(※超マサラ人を除く)。
「って、うわっ、きのみの山が歩いて…あ、ホシガリス?」
目の前には、両手いっぱいにきのみを抱え、口にもきのみを含むことで攻撃の意思がないことをアピールして近づいてくるホシガリス。それでもいくらか距離を開けているのは、互いに攻撃を避けたり逃げたりできるようにするためだろう。
私が一歩離れれば、私の一歩ぶん…きのみと共にえっちらおっちら四歩近づいてくる。
「着いてくるってこと…?それともきのみ贈呈?」
尻尾の十円ハゲに見覚えがあるから、おそらく初対面で私に野生の厳しさを教えた(かみついてきた)個体だ。食事用に拾ったけどちょっと食べきれなくて腐りそうだったきのみをあげた(押し付けた)のが好印象だったのか?
もごもごとホシガリスが鳴いているが、正直口にいっぱいのきのみのせいで聞き取れないし、そもそも私、ポケモン語履修してないんだよねー。
「きのみは昨日拾ったぶんがあるからいらないよ。いっぱいあっても腐らせちゃうし…あっ、きのみをくれるわけじゃないのね」
私が会話する気があるとわかると、ものすごい勢いで両手のきのみを貪るホシガリス。お前の胃袋は4次元に繋がってるのか…?
そして両手のきのみを食べ終わると、視線は私のポケットに…きっ貴様ッ!このきのみは私の生命線だぞ!!
昨日の敵は今日も敵、さあ戦いの火蓋が切って落とされ…
「ちゃーん」
ホシガリスが鳴いた。
私はホシガリスに告げた。
「キミ可愛いね、きのみいる??」
昔の人は言った(言ってない)。
鳴いたなら、愛でてしまえよホシガリス。
キャーッホシガリスちゅわーん!こっち向いてェ〜〜!!
…気がついたら手持ちのきのみはホシガリスに献上してなくなってたし、多分あれはメロメロを食らってた。なんとなくメスだと思ってたけどオスだったの、きみ?
そして私は再びきのみ争奪戦を仕掛けメロメロになり、それを繰り返すうちにいつしか私はメロメロ耐性を得て、ホシガリスとの間に奇妙な友情が芽生え…。
手持ちになってました。
特性たまひろいじゃない(しかもボール投げてない)のにモンボ拾ってきて、いつの間にかホシガリスがボールに入ってた私の気持ち聞く??聞かない?そう……。
──ちなみに初め、何度もボールを私に押し付けては首を傾げていたので、ワンチャン私がゲットされかけてた説はある。かわいすぎたのでスマホ起動して連写した。なお充電は怖くて見ていない──。
ま、まあとりあえず、ホシガリスゲットだぜ!!
えっ?なんですかホシガリスさん?バトルの指示出してみて?いや急にバトル始めてられても困る……
…えっと、とりあえずたいあたり!!
あっなんかコレたいあたりじゃない……違う技の気分だったんですね…。
__________
続きは まひになった ようだ……。
2/2ページ
