約束は、今も
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入学式から2週間。たまたま席が近いということで知り合った茜と芽衣とは気が合い、今ではすっかり仲良くなった。授業も始まり、だんだんと日本での生活に慣れてきたのだが、実はひとつ問題を抱えていた。
やたらと上級生から声をかけられるようになったのだ。原因はおそらくいつも一緒にいる茜。彼女が綺麗なのは勿論なのだがそれだけではなく、なんと言うか、華がある。歩いているだけでオーラが出ているような、新入生と思えないその華が上級生を引きつける。ついには隣にいる私まで名前を覚えられてしまった。当の本人は自分の人気に気づいてないようで、陽と芽衣は可愛いからな〜なんて言っているが…
茜「みんな〜〜!!」
噂をすればなんとやら。放課後の教室で日誌を書いていると、茜が勢いよく滑り込んできた。
茜「ねぇ聞いた?赤い頭の1年生がバスケ部の部長と対決してるんだって!」
『赤い頭?対決?』
芽衣「えぇ!?3年生と対決だなんて…大丈夫かな…でもちょっと気になる」
茜「だよね!見に行こうよ!陽も行くよ!」
『あっでも私日誌が…』
言い終わる前に飛び出して行ってしまった茜。私も急いで日誌を書き上げると教室を出た。
慌てて出てきたは良いが、茜の姿はもうどこにも無い。さらにその対決とやらがどこで行われているのか分からない私は、どうする事も出来ず1人でぽつんと立ち尽くしていた。
「あれ〜?陽ちゃんじゃな〜い?」
声のした方を振り向くと知らない3人の先輩達がこちらを見ていた。
「ねぇ今日こそは一緒に遊ぼうよ」
今日こそは、以前会った事があっただろうか。全く記憶にない。
『いや、今日は茜いないですよ』
「なんで茜ちゃん?俺は陽ちゃんを誘ってんの」
『茜がいないなら行かないです』
「後から呼べばいいよ」
話しながらだんだんとこちらに近づいてくる。3人もいると威圧感がすごくて強く断れない。
『でも…』
「いーじゃんちょっとぐらい…!」
手の届く距離に来たと思うと、突然腕を掴まれる。
『いやっ!!!』
咄嗟にその手を振り払うと全力で走り出した。
「おい待てって!」
(えぇっなんで追いかけてくるの!)
私の態度が気に食わなかったのか全員で追いかけてくる。たいして足が速くなければ体力もない私がこのまま逃げ切るのは不可能。追いつかれる前になんとか巻こうと角を曲がった瞬間、
ドンッッ
『きゃっ』
誰かとぶつかってしまった。
「……いってぇ」
『ご、ごめんなさい!!』
慌てて相手の方へ駆け寄ると至近距離で目が合った。
うわぁ、かっこいい…
こんな状況なのに、そんな事を真っ先に考えてしまうほど、ぶつかった彼は整った顔をしていた。時が止まったように目を離すことができない。彼は私を見て驚いたように目を見開くと、小さな声で、
「…………陽」
『え…何で私の名前知って「陽ちゃ〜ん、どこかな〜」
さっきの人達の声。そうだった、今私は追われているのだ。一瞬で現実に戻される。
『本当にごめんなさい、今急いでるので…また!』
目の前の彼にもう一度謝り、走り出そうとしたその時、大きな手が私の腕を掴み、引き寄せられた。
一瞬の間に私は壁と大きな体に挟まれ、身動きが取れない。
目の前には学ランの黒い生地、背中には彼の右手が回っていて、まるで、まるで、抱きしめられているような…
その事実に気づいた瞬間ぐっと体に力が入って固まり、心臓が飛び跳ねる。彼の背中の向こうを何人かが走っていく音が聞こえた気がしたけれど、それももう分からない。
「行ったか…?」
少し経って彼の体が離れても、鳴り止まない心臓の音。緊張で顔が見れない。
『あの、助かりました、ありがとうございます』
俯いたままそう言うと、返事はないがじっとこちらを見ている気がする。
「…陽、」
茜「陽ーー!どこにいるのーー!!」
彼が何か言いかけたそのタイミングで、どこからか茜の声が聞こえた。
『あ…私行かないと…』
彼に向かって頭を下げると、その場から逃げるように茜の元へ走り出した。
やたらと上級生から声をかけられるようになったのだ。原因はおそらくいつも一緒にいる茜。彼女が綺麗なのは勿論なのだがそれだけではなく、なんと言うか、華がある。歩いているだけでオーラが出ているような、新入生と思えないその華が上級生を引きつける。ついには隣にいる私まで名前を覚えられてしまった。当の本人は自分の人気に気づいてないようで、陽と芽衣は可愛いからな〜なんて言っているが…
茜「みんな〜〜!!」
噂をすればなんとやら。放課後の教室で日誌を書いていると、茜が勢いよく滑り込んできた。
茜「ねぇ聞いた?赤い頭の1年生がバスケ部の部長と対決してるんだって!」
『赤い頭?対決?』
芽衣「えぇ!?3年生と対決だなんて…大丈夫かな…でもちょっと気になる」
茜「だよね!見に行こうよ!陽も行くよ!」
『あっでも私日誌が…』
言い終わる前に飛び出して行ってしまった茜。私も急いで日誌を書き上げると教室を出た。
慌てて出てきたは良いが、茜の姿はもうどこにも無い。さらにその対決とやらがどこで行われているのか分からない私は、どうする事も出来ず1人でぽつんと立ち尽くしていた。
「あれ〜?陽ちゃんじゃな〜い?」
声のした方を振り向くと知らない3人の先輩達がこちらを見ていた。
「ねぇ今日こそは一緒に遊ぼうよ」
今日こそは、以前会った事があっただろうか。全く記憶にない。
『いや、今日は茜いないですよ』
「なんで茜ちゃん?俺は陽ちゃんを誘ってんの」
『茜がいないなら行かないです』
「後から呼べばいいよ」
話しながらだんだんとこちらに近づいてくる。3人もいると威圧感がすごくて強く断れない。
『でも…』
「いーじゃんちょっとぐらい…!」
手の届く距離に来たと思うと、突然腕を掴まれる。
『いやっ!!!』
咄嗟にその手を振り払うと全力で走り出した。
「おい待てって!」
(えぇっなんで追いかけてくるの!)
私の態度が気に食わなかったのか全員で追いかけてくる。たいして足が速くなければ体力もない私がこのまま逃げ切るのは不可能。追いつかれる前になんとか巻こうと角を曲がった瞬間、
ドンッッ
『きゃっ』
誰かとぶつかってしまった。
「……いってぇ」
『ご、ごめんなさい!!』
慌てて相手の方へ駆け寄ると至近距離で目が合った。
うわぁ、かっこいい…
こんな状況なのに、そんな事を真っ先に考えてしまうほど、ぶつかった彼は整った顔をしていた。時が止まったように目を離すことができない。彼は私を見て驚いたように目を見開くと、小さな声で、
「…………陽」
『え…何で私の名前知って「陽ちゃ〜ん、どこかな〜」
さっきの人達の声。そうだった、今私は追われているのだ。一瞬で現実に戻される。
『本当にごめんなさい、今急いでるので…また!』
目の前の彼にもう一度謝り、走り出そうとしたその時、大きな手が私の腕を掴み、引き寄せられた。
一瞬の間に私は壁と大きな体に挟まれ、身動きが取れない。
目の前には学ランの黒い生地、背中には彼の右手が回っていて、まるで、まるで、抱きしめられているような…
その事実に気づいた瞬間ぐっと体に力が入って固まり、心臓が飛び跳ねる。彼の背中の向こうを何人かが走っていく音が聞こえた気がしたけれど、それももう分からない。
「行ったか…?」
少し経って彼の体が離れても、鳴り止まない心臓の音。緊張で顔が見れない。
『あの、助かりました、ありがとうございます』
俯いたままそう言うと、返事はないがじっとこちらを見ている気がする。
「…陽、」
茜「陽ーー!どこにいるのーー!!」
彼が何か言いかけたそのタイミングで、どこからか茜の声が聞こえた。
『あ…私行かないと…』
彼に向かって頭を下げると、その場から逃げるように茜の元へ走り出した。
