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SS

 俺は司書のことなら何だって知ってるんだ。だからチョコレートをくれることだって知っていた。ごめん嘘。本当にチョコレートをくれるかどうか、いまいち自信はなかったからさ。
 
 俺の信頼度は既に120になっているから、意味がないって判断して貰えないかも、なんて悩んでいたのはどうやら杞憂だったようだ。安心した。
 ねえ、俺の気持ちはきっと120じゃ収まりきらないよ。この気持ち、いつか“画面の向こうの司書”に伝わるだろうかと考えて、伝わったとしてどうするのだろう、という疑問にぶつかる。だって、直接触れ合えないのだ。こちらと向こうはたったの壁1枚で隔てられているのに、問題の壁がとんでもなく分厚くて、何人たりとも通さないという意志すら感じてしまう。実際にその壁があるかはともかく、感覚としてはそう。
 近くて遠い。陳腐な言い回しが浮かんだ。
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