3 × 6
「着いた〜!」
歩いて5分、写真で見た通りの綺麗な外観の建物を見つけ、繋いでいた手をパッと離し、少し寂しさを感じながらも店内に脚を踏み入れた。
ふわっと、食欲をそそるパンのいい香り、そして目の前に並ぶパンの数々。
俺とユースケはトレーとトングを手に取り、店内を歩き始める。
「んー迷っちゃうなあ。リョウガ何買う?」
「俺は無難に塩パンとかかな」
「相変わらずチャレンジ精神無いなー」
「うっせ。目新しい物買ってハズレた時の気持ち考えてみてみ?」
そんな事を話していると、店員さんが揚げたてのカレーパンを運んできて、それを見てユースケは目をキラキラ輝かせた。
「揚げたて!俺カレーパンにしよー!あ、ねえ見て見て、カレーパン売り上げ1位なんだって」
まるでユースケは子供のようにはしゃぎながらカレーパンをトレーの上に乗せる。
いつもはレッスンが終われば特に寄り道もせず帰るけど、たまにはこういう日も良いな。
いつも通りの道を歩き、いつも通りの楽屋に入って、いつも通りのレッスンをこなす、まあ内容が違う時もあるけれど。そしていつも通りの帰り道を歩いて帰宅。そんな毎日に飽きた訳では無いけれど、でも今日はなんだか新しい世界に来たような、そんな感覚だ。
そして各々食べたいパンを買い、パン屋を後にして歩く。
「ねーパン食べて良い?」
「歩きながらは駄目。食べるならそこの公園とかで食べるか」
丁度近くに小さな公園があり、2人でベンチに腰を掛ける。
「いっただっきまーす」
ユースケは大きな口を上げながら、カレーパンを頬張る。
サクッと気持ちのいい音が聞こえ、ユースケの瞳はまるっと大きくなった。
「ん〜っま!外はカリッと、中はジューシー!子供にも食べやすい甘めなカレーがよく合う!」
「急な食レポ(笑)」
「これやばいわ、ハマる!カレーパンが人気な理由が分かった!リョウガも食べてみて、はい!」
ユースケに一口もらうと、確かにカリッとした衣を噛んだかと思えばすぐに少し甘めなカレーの味が口の中に広がった。
「こりゃうめぇな」
結局ユースケはカレーパン1つじゃ物足りなかったのか、他のパンを食べ、俺も塩パンを食べた。
帰り道、ユースケは言う。
「今日はなんだかすごく楽しかった!美味しいパン食べれたっていうのもだけど、なによりリョウガと一緒っていうのがね」
「俺ら同じグループなんだからいつでも一緒だろ。大袈裟」
「そうだけどー、でも2人でパン屋さん行けて嬉しかったの!」
ユースケはぷくっと頬を膨らませながら拗ねたような仕草をしてふいっと横を向いてしまった。
こいつはなんでこんなに素直なんだろうな。
そこがユースケの良いところなんだ。そんな素直なユースケに何度も救われて、何度も好きだって思う。
「俺もだよ」
だから俺も自然と素直になれる。そりゃもちろん恥ずいけどな。
でも恥ずかしい気持ちを上回るくらい、素直な気持ちを言える時があるんだ。
そんな時ユースケはちょっとだけ驚いたような表情を見せるけど、すぐに笑顔に変わるんだよな。
end
中途半端な終わり方スミマセン\( ˆqˆ )/
パン関係ないのもスミマセン\( ˆqˆ )/
なんとなくパンが出てきたんです、、☜
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