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片想い。
好きになった人が誰かを見ていて…
その誰かも誰かを見ていたら…
振り向かせるにはどうしたらいいんだろう。
振り向いてほしい。
それは誰しも思っていることで…
振り向かれなかった人はどんな気持ちを抱えるんだろうか。
成績普通。運動能力普通。見た目普通。
世の中の女の子の平均値を出したらきっと私みたいなのなんだろうな。思えるくらいに私は普通だって自分でもわかってる。
ちょっと地味って言われたらそうなのかもしれない。
でも、私はそれを気にしたこともないし、嫌だと思ったこともない。
寧ろその普通が心地いいと思うくらい。
友達だって普通に居るし、目立つこともなく楽しく平凡にしてきた人生だと思う。
その私が…中学3年生になった中学生活最後の年に…今までの人生で最大の挑戦をした。
生徒会に立候補したこと。
理由は…
私には中学1年、入学からずっと憧れている人がいたから。
生徒会の書記なら頑張ったら…なんとかなれるのかもしれないって思って立候補した。
結果は2位。
書記の結果を発表された時、頑張ってきたけどその頑張りが報われなかったことが悔しかった。
動機が不純だったからかな。神様ってちゃんと人の事見てるのかもしれない。しかたないな。なんて割りとあっさり思った。
考えてみたら昔からそうだった。
私はいつもそうだ。
自分の欲しいものを諦めてしまう。
幼稚園の時のクリスマス会。
うさぎとくまのぬいぐるみがおもちゃ箱にあった。
私は可愛い真っ白なうさぎが欲しかった。
でも、私よりも可愛い子が「うさぎさんがいいー!」
って笑顔で言うから…私は欲しいと言えなかった。
「くまさんも可愛いからうさぎさん、はいっ、どうぞ」
手元のくまさんを見て、すごく可愛いのに悲しい気持ちになった。
小学校の時、仲のいい子でお揃いのシャーペンを買うことになった。
「みんな色違いでお揃いにしよっ」
数人の子で色を選び始めて…女の子っぽい色が好きな私はピンクが目に入ったけれど…
ピンクが欲しい子が数人いて…じゃんけんで買った子がピンクね!
ってピンクが欲しい子はみんな参加したんだけど…私はそのじゃんけんに参加しなかった。
ピンクやイエロー、オレンジ、アクアブルー…華やかで可愛い色はみんな決まっていく中で私はホワイトを選んだ。
だから…今回は自分を変えたい意味での生徒会の立候補だった。
でもそれも叶わなかった。
人って簡単に変われない。
そう思って…また今までと変わらない生活が続くんだ。って思った時、全校集会の生徒会発表で思いも寄らない言葉に驚いた。
「書記は辞退します。すみません。」
幼馴染の雅が隣で私の肩を揺する。
「愛音!生徒会当選だよ!!ご両親の急な海外転勤が決まって転校するんだって!」
急に舞い込んできた自分の思考回路をはるかに上回る出来事にただ喜ぶしかなかった。
こうして私は繰上り当選という形だけれど生徒会入りをすることが出来た。
新学期が始まって初めて今日生徒会室に入る。
ドアを開ける事すら緊張してしまうけど…肩の力を意図的に抜くように心がけてノックをしてからドアを開けた。
「失礼します。書記の新堂愛音です」
「あぁ、入れ」
短く言われた台詞に生徒会室に入り、自分が最後の一人だった
急いで残り一つ空いている席に座る。どうやらここが私の席らしい。
「書記、会議の内容しっかりまとめておけよ」
「は、はいっ」
そう言ったのは…我学園、氷帝学園のキング、跡部景吾。
私は…彼に憧れていた。
入学当時から学園を仕切っていた跡部くんは人気も凄くて…雲の上の存在だった。
それでも私が憧れ続けたのは自分をちゃんと持ってて有言実行してしまう行動力、私にないものを全て持っている気がした。
憧れないはずがない。
私が欲しくても得られないものを彼は持っていた。
気付いたら遠くから目で追っていることに気付いた。
テニス部に所属してるから練習風景を見に行ったこともあった。
他の女の子達に圧倒されてしまって遠くからだったし、私と居場所が違うことを再確認してしまうだけだから本当にたまに。しか行かなかったけど。
生徒会に入りたいと思ったのは2年の時。
自分を変えたいと思った。
変わりたい。
跡部くんみたいに自分をしっかり持っている人になりたい。
そして生徒会入りが叶った3年の今。
少しでも近づけた気がして…私は生徒会の仕事に打ち込んでいった。
ある日の放課後、私はまとめた議事録を渡そうと生徒会室へ急いでいた。
ドアを開けようとしたその時、突然内側から開いたドアに驚いて思わず尻もちをついてしまった。
議事録がバサッと廊下に散らばっていつもかけていた愛用の眼鏡がカシャンッと音を立てて落ちた。
「うわっ、堪忍…!」
慌てた様子で尻もちをついている私に駆け寄り心配そうに見つめてくる人物。
「怪我してへん?…あー…書類も眼鏡も落としてもうてるやん…ホンマ堪忍な?」
「平気…。ちょっとびっくりしちゃっただけだから」
私を心配してくれてるのは…跡部くんと同じテニス部の忍足侑士くん。
彼もまた跡部くんと同じように学園では人気のある人。
私が平気だと返事をしたことで周りに散らばった書類を集めてくれて、眼鏡を手に取って渡してくれた。
「書類これで全部やと思うわ。…眼鏡は…壊れてへん?」
「うん。壊れてなさそうだし…心配しないで?気にしてくれてありがとう。」
「さよか。それならよかったわ。」
そう言って手を差し出してくれたから行為に甘えて手を取り立ち上がった。
「ほな跡部、また部活で」
忍足くんは生徒会室の中にいる跡部くんに言って去っていき、私は入れ替わりで書類のチェックをしてもらおうと生徒会室に入っていった。
廊下を歩く忍足くんの呟きを聞くことなく…
「生徒会書記の新堂さんやんな…なんで…伊達眼鏡なんやろ…」
片想い。
好きになった人が誰かを見ていて…
その誰かも誰かを見ていたら…
振り向かせるにはどうしたらいいんだろう。
振り向いてほしい。
それは誰しも思っていることで…
振り向かれなかった人はどんな気持ちを抱えるんだろうか。
成績普通。運動能力普通。見た目普通。
世の中の女の子の平均値を出したらきっと私みたいなのなんだろうな。思えるくらいに私は普通だって自分でもわかってる。
ちょっと地味って言われたらそうなのかもしれない。
でも、私はそれを気にしたこともないし、嫌だと思ったこともない。
寧ろその普通が心地いいと思うくらい。
友達だって普通に居るし、目立つこともなく楽しく平凡にしてきた人生だと思う。
その私が…中学3年生になった中学生活最後の年に…今までの人生で最大の挑戦をした。
生徒会に立候補したこと。
理由は…
私には中学1年、入学からずっと憧れている人がいたから。
生徒会の書記なら頑張ったら…なんとかなれるのかもしれないって思って立候補した。
結果は2位。
書記の結果を発表された時、頑張ってきたけどその頑張りが報われなかったことが悔しかった。
動機が不純だったからかな。神様ってちゃんと人の事見てるのかもしれない。しかたないな。なんて割りとあっさり思った。
考えてみたら昔からそうだった。
私はいつもそうだ。
自分の欲しいものを諦めてしまう。
幼稚園の時のクリスマス会。
うさぎとくまのぬいぐるみがおもちゃ箱にあった。
私は可愛い真っ白なうさぎが欲しかった。
でも、私よりも可愛い子が「うさぎさんがいいー!」
って笑顔で言うから…私は欲しいと言えなかった。
「くまさんも可愛いからうさぎさん、はいっ、どうぞ」
手元のくまさんを見て、すごく可愛いのに悲しい気持ちになった。
小学校の時、仲のいい子でお揃いのシャーペンを買うことになった。
「みんな色違いでお揃いにしよっ」
数人の子で色を選び始めて…女の子っぽい色が好きな私はピンクが目に入ったけれど…
ピンクが欲しい子が数人いて…じゃんけんで買った子がピンクね!
ってピンクが欲しい子はみんな参加したんだけど…私はそのじゃんけんに参加しなかった。
ピンクやイエロー、オレンジ、アクアブルー…華やかで可愛い色はみんな決まっていく中で私はホワイトを選んだ。
だから…今回は自分を変えたい意味での生徒会の立候補だった。
でもそれも叶わなかった。
人って簡単に変われない。
そう思って…また今までと変わらない生活が続くんだ。って思った時、全校集会の生徒会発表で思いも寄らない言葉に驚いた。
「書記は辞退します。すみません。」
幼馴染の雅が隣で私の肩を揺する。
「愛音!生徒会当選だよ!!ご両親の急な海外転勤が決まって転校するんだって!」
急に舞い込んできた自分の思考回路をはるかに上回る出来事にただ喜ぶしかなかった。
こうして私は繰上り当選という形だけれど生徒会入りをすることが出来た。
新学期が始まって初めて今日生徒会室に入る。
ドアを開ける事すら緊張してしまうけど…肩の力を意図的に抜くように心がけてノックをしてからドアを開けた。
「失礼します。書記の新堂愛音です」
「あぁ、入れ」
短く言われた台詞に生徒会室に入り、自分が最後の一人だった
急いで残り一つ空いている席に座る。どうやらここが私の席らしい。
「書記、会議の内容しっかりまとめておけよ」
「は、はいっ」
そう言ったのは…我学園、氷帝学園のキング、跡部景吾。
私は…彼に憧れていた。
入学当時から学園を仕切っていた跡部くんは人気も凄くて…雲の上の存在だった。
それでも私が憧れ続けたのは自分をちゃんと持ってて有言実行してしまう行動力、私にないものを全て持っている気がした。
憧れないはずがない。
私が欲しくても得られないものを彼は持っていた。
気付いたら遠くから目で追っていることに気付いた。
テニス部に所属してるから練習風景を見に行ったこともあった。
他の女の子達に圧倒されてしまって遠くからだったし、私と居場所が違うことを再確認してしまうだけだから本当にたまに。しか行かなかったけど。
生徒会に入りたいと思ったのは2年の時。
自分を変えたいと思った。
変わりたい。
跡部くんみたいに自分をしっかり持っている人になりたい。
そして生徒会入りが叶った3年の今。
少しでも近づけた気がして…私は生徒会の仕事に打ち込んでいった。
ある日の放課後、私はまとめた議事録を渡そうと生徒会室へ急いでいた。
ドアを開けようとしたその時、突然内側から開いたドアに驚いて思わず尻もちをついてしまった。
議事録がバサッと廊下に散らばっていつもかけていた愛用の眼鏡がカシャンッと音を立てて落ちた。
「うわっ、堪忍…!」
慌てた様子で尻もちをついている私に駆け寄り心配そうに見つめてくる人物。
「怪我してへん?…あー…書類も眼鏡も落としてもうてるやん…ホンマ堪忍な?」
「平気…。ちょっとびっくりしちゃっただけだから」
私を心配してくれてるのは…跡部くんと同じテニス部の忍足侑士くん。
彼もまた跡部くんと同じように学園では人気のある人。
私が平気だと返事をしたことで周りに散らばった書類を集めてくれて、眼鏡を手に取って渡してくれた。
「書類これで全部やと思うわ。…眼鏡は…壊れてへん?」
「うん。壊れてなさそうだし…心配しないで?気にしてくれてありがとう。」
「さよか。それならよかったわ。」
そう言って手を差し出してくれたから行為に甘えて手を取り立ち上がった。
「ほな跡部、また部活で」
忍足くんは生徒会室の中にいる跡部くんに言って去っていき、私は入れ替わりで書類のチェックをしてもらおうと生徒会室に入っていった。
廊下を歩く忍足くんの呟きを聞くことなく…
「生徒会書記の新堂さんやんな…なんで…伊達眼鏡なんやろ…」
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