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「愛音…」
「よかった…」
遠くで聞こえるのはお父さんとお母さんの声だ…
まだ意識がぼんやりと靄がかかっている中で部屋の中を見渡す。
私の探している人…侑士の姿…
部屋の中をゆっくり、探してみるけど…見当たらない。
目が覚めたら一番に会いたかったけど…どこにいるの…?
「あなた、お医者さんを呼んできます」
「あぁ、頼む」
両親の会話が聞こえながらもそれに反応できるほどまだ体も意識もはっきりとしなくて…
すぐに来てくれた先生の問いかけにも小さく返事をするだけが精一杯だった。
「…手術は成功したよ。これで愛音ちゃんはもう大丈夫。よく、頑張ったね」
「先生、ありがとうございます。…愛音、元気になったらもう学校にも行けるのよ」
「本当によく頑張ったな、愛音」
瞳をうっすらと開けて両親を見るとお母さんが泣いてて…お父さんとお母さんもすごく嬉しそうだった。
先生の言葉と両親の言葉に…頷いてから身体がまだ怠くて…眠くて…起きてるのも辛くて…そっと目を閉じた。
目を閉じて思い浮かべたのは侑士の姿。
ねぇ、侑士。
私、手術成功したの。
もう病気の事、心配しなくていいんだって。
だから、侑士に言いたいことがあるの。
伝えたい気持ちが。
愛音が手術に行っている時、俺は愛音の病室で1人、真っ白な便せんに向かって手紙を書いとった。
便せんが引き出しに入ってんのは愛音から聞いて知っとったから。
持ってる理由は特に俺から聞かんかったけど、呟いた台詞になんとなく察しはついとった。
「いつかね、最後に伝えたいことがある時に私の想いを書いて伝えられるように。」
と、出会ったばかりの頃に寂しそうに笑いながら言うとったから…
でもな、愛音。
この便せん愛音が使うことはもうないんやで?
手術は成功して愛音はこれから元気になって人生を歩んでくんや。
楽しく学校に行って友達作って毎日笑って過ごして。
成長して綺麗になって、時に泣いてそれでもまた前を向いて。
好きな人と過ごして幸せになるんや。
愛音が諦めとった未来がたくさんたくさんあるんやで?
便せんを目の前にして書きたい事、伝えたい事たくさんあるはずなのにペンが全く動かへん。
思い出すのは愛音を見つけた時から今日までの愛音との思い出やった。
最初出会った頃は笑っとるんもなんや寂しそうな表情が多かってんけど、最近の愛音はほんまえぇ表情しとってん。
こんなに表情豊かな子ぉやったんやな。って知れたことが嬉しかったんやで。
すぐ顔赤くして照れとる姿、可愛くてつい揶揄うような事もしてもうたけど…
愛音から預かっているロザリオに指で軽く触れて…その愛しさと愛音の温もりを思い出して自然と笑みが零れた。
手術の失敗なんて絶対にあらへんってわかっとったから心配もしてへんかった。
愛音は夢やって言うてたけど…落ちて落ちて…その意識の中で翼を広げた俺に助けられた言うとった事があった。
あれは…夢ちゃうねん。
あの時愛音はそのまま…この世に戻ってくる事はなく俺が天界に案内するはずやった。
でも…
助けてもうたんや。愛音を…
病室から外を見て以前よく座っていた木を見つめる。
ただただ案内する時が来るのを黙って見守って…それだけだったはずやのに。
愛音と接するうちに俺ん中で自分でも驚くくらい色々な感情があることに自分自身で驚いたくらいや。
俺の心の中を愛音が占める割合が…コップの中に注がれる水みたいに溜まって…溢れて…どうしようもなくて。
落ちていく愛音の手を…掴んだ時の記憶が曖昧なんや。
気付いたらそうしとった。
役目とかそんなんすっぽり頭から抜け落ちとった。
愛音を助けたい。
ただそれだけやった。
俺は自分の役目を破り、罪を犯して愛音を助けた。
決められた寿命を天使である俺が伸ばしてどうなるか…
禁忌と言われとる事の一つやって助けた時に我に返って気付いた。
そんな瞬間でも思うのはただ愛音の事やって…
あぁ。愛音を助けられたんやって喜びの方が大きかった。
…どうしても俺は愛音に生きて欲しかってん。
今だ真っ白な便せんを見つめる。
愛音に伝えたい事。
それは…
「愛音…」
「よかった…」
遠くで聞こえるのはお父さんとお母さんの声だ…
まだ意識がぼんやりと靄がかかっている中で部屋の中を見渡す。
私の探している人…侑士の姿…
部屋の中をゆっくり、探してみるけど…見当たらない。
目が覚めたら一番に会いたかったけど…どこにいるの…?
「あなた、お医者さんを呼んできます」
「あぁ、頼む」
両親の会話が聞こえながらもそれに反応できるほどまだ体も意識もはっきりとしなくて…
すぐに来てくれた先生の問いかけにも小さく返事をするだけが精一杯だった。
「…手術は成功したよ。これで愛音ちゃんはもう大丈夫。よく、頑張ったね」
「先生、ありがとうございます。…愛音、元気になったらもう学校にも行けるのよ」
「本当によく頑張ったな、愛音」
瞳をうっすらと開けて両親を見るとお母さんが泣いてて…お父さんとお母さんもすごく嬉しそうだった。
先生の言葉と両親の言葉に…頷いてから身体がまだ怠くて…眠くて…起きてるのも辛くて…そっと目を閉じた。
目を閉じて思い浮かべたのは侑士の姿。
ねぇ、侑士。
私、手術成功したの。
もう病気の事、心配しなくていいんだって。
だから、侑士に言いたいことがあるの。
伝えたい気持ちが。
愛音が手術に行っている時、俺は愛音の病室で1人、真っ白な便せんに向かって手紙を書いとった。
便せんが引き出しに入ってんのは愛音から聞いて知っとったから。
持ってる理由は特に俺から聞かんかったけど、呟いた台詞になんとなく察しはついとった。
「いつかね、最後に伝えたいことがある時に私の想いを書いて伝えられるように。」
と、出会ったばかりの頃に寂しそうに笑いながら言うとったから…
でもな、愛音。
この便せん愛音が使うことはもうないんやで?
手術は成功して愛音はこれから元気になって人生を歩んでくんや。
楽しく学校に行って友達作って毎日笑って過ごして。
成長して綺麗になって、時に泣いてそれでもまた前を向いて。
好きな人と過ごして幸せになるんや。
愛音が諦めとった未来がたくさんたくさんあるんやで?
便せんを目の前にして書きたい事、伝えたい事たくさんあるはずなのにペンが全く動かへん。
思い出すのは愛音を見つけた時から今日までの愛音との思い出やった。
最初出会った頃は笑っとるんもなんや寂しそうな表情が多かってんけど、最近の愛音はほんまえぇ表情しとってん。
こんなに表情豊かな子ぉやったんやな。って知れたことが嬉しかったんやで。
すぐ顔赤くして照れとる姿、可愛くてつい揶揄うような事もしてもうたけど…
愛音から預かっているロザリオに指で軽く触れて…その愛しさと愛音の温もりを思い出して自然と笑みが零れた。
手術の失敗なんて絶対にあらへんってわかっとったから心配もしてへんかった。
愛音は夢やって言うてたけど…落ちて落ちて…その意識の中で翼を広げた俺に助けられた言うとった事があった。
あれは…夢ちゃうねん。
あの時愛音はそのまま…この世に戻ってくる事はなく俺が天界に案内するはずやった。
でも…
助けてもうたんや。愛音を…
病室から外を見て以前よく座っていた木を見つめる。
ただただ案内する時が来るのを黙って見守って…それだけだったはずやのに。
愛音と接するうちに俺ん中で自分でも驚くくらい色々な感情があることに自分自身で驚いたくらいや。
俺の心の中を愛音が占める割合が…コップの中に注がれる水みたいに溜まって…溢れて…どうしようもなくて。
落ちていく愛音の手を…掴んだ時の記憶が曖昧なんや。
気付いたらそうしとった。
役目とかそんなんすっぽり頭から抜け落ちとった。
愛音を助けたい。
ただそれだけやった。
俺は自分の役目を破り、罪を犯して愛音を助けた。
決められた寿命を天使である俺が伸ばしてどうなるか…
禁忌と言われとる事の一つやって助けた時に我に返って気付いた。
そんな瞬間でも思うのはただ愛音の事やって…
あぁ。愛音を助けられたんやって喜びの方が大きかった。
…どうしても俺は愛音に生きて欲しかってん。
今だ真っ白な便せんを見つめる。
愛音に伝えたい事。
それは…