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夢小説設定
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今日…調子悪いな…
気持ち悪い…
窓の外を眺めてみる。
今日はいい天気なのに。
「侑士、今日もいないな…」
気持ち悪さで本を読む気になれず瞳を閉じていたが窓の外にある木を見つめた。
でも、私が今会いたい人物はいなくて。
私が侑士に会ったのは初めて会話をしたあの日が最初で最後。
つまり、1度きりしか会ったことがなかった。
それどころか窓の外を見ても侑士の姿を見られなくなってしまった。
1週間前の楽しかった時間は夢だったんじゃないかと思うこともある。
でも、私は夢だって思いたくなかった。
私嫌われちゃったのかな…
悪い事ばかりが頭を過ってしまう。
窓の外を侑士の姿を探しては眺めているときにドアをノックする音が聞こえ、それでも窓の外の侑士の姿を探して担当医が部屋へ入ってきた。
「愛音ちゃん、調子はどうかな?」
「ちょっとだけ、気持ち悪い、です。…でも、いつもと同じような感じなので大丈夫です」
「そっか。あまり我慢せずに気持ち悪かったら薬を飲むんだよ」
「はい。わかりました」
「今日はね、愛音ちゃんに相談があるんだ。…1週間後、手術をしてみないか?」
手術…
これまで何度も先生から提案されたことがあった。
でも、その度に私は断ってきた。
受けるつもり…ないです。
そう言って。
今回もその気持ちに変わりはない。
「受けるつもり…ないです」
「少しでも良くなる可能性があるんだ。…考えてくれないかな?」
いつもと同じ台詞、同じ声のトーンで先生に返すといつもと同じ困った笑顔で私に無理強いすることなく病室を去っていった。
怖い。
怖いんだもん。
入院した時に…聞いてしまった。
両親と先生が話していることを。
話していた内容は断片的にしか覚えていない。
「…そんな…愛音が…」
「手術をしなければ今後弱っていくだけです。…しかし、厳しいことを言いますが…手術もかなりのリスクを伴います」
「愛音はあとどれくらい…なんですか?」
「はっきりとは申し上げられませんが本人の体力次第ですね…あと1年…2年…」
今年の春は桜見れるのかな。来年は?再来年は?
手術を受けなければ…あと数年は生きられるかもしれない。
それなのに手術したことで全てが終わりかもしれないだなんて。
入院した時に聞いてしまった事を思い出してしまい、それを忘れるように頭を左右にぶんぶんと振る。
先生、両親、友達…最近心から笑えたのはいつだろう。
そう考えた時に思い出すのは侑士が林檎を美味しそうに食べていた時の事だった。
私は一切れ口にしただけだった普通の林檎。
あまりにも感動しながら食べてたから…
この林檎、いつものより美味しいかも?
そんな風に思った事と、侑士が林檎をパクパクと食べていた事を1人思い出し笑いした。
「侑士、また林檎、一緒に食べよ?」
呟いた台詞に…返事はなかった。
それから私は体調を崩し始めた。
今日のお天気は晴れ。その次の日も晴れ。その次の日は曇り。その次は…
天気が良くても散歩に外に出ることも出来ず、薬の量も増えた。
今日は雨。
最近体調が悪いから1日中ベットの上で過ごす。
その中でも今日はすこぶる意識がふわふわと朧気だった。
あぁ、私…もうすぐ…。
そんな事を考えて……考えて…考えて…
眠いな…なんだかすごく。
すごく…眠……い…
誰が鳴らしてくれたのかはわからないけどナースコールの音が、聞こえた気がした。
誰…?
そして私は…意識を手放した。
「……愛音…」
…だれ?誰かに呼ばれてる…
私…落ちてる…
うっすら瞳を開けると高いところから落ちている感覚。
でも不思議とどこまで落ちても地面にぶつからない。
景色は…白。
空も見渡す限り一面ただの白。
落ちて 落ちて 落ちて
どこかなんてどうでもよかった。
一体どこまで落ちるんだろ…
「愛音っ!!!」
落ちている最中に手首を掴まれて急にふわりと浮遊感に襲われる。
驚いて瞳を見開いた先には…侑士がいた。
純白な大きな翼を羽ばたかせ、私を抱きしめてくれる…
浮かんだ体はゆっくりと下降して落ちるという感覚はもうない。
私も侑士に腕を回す。
心地よかった。
あったかくて。
「侑士…また、会えたね……」
「林檎、一緒に食べるんやろ?うさぎさんのやつ…食べたいわ」
「うん…」
お互いに笑っているはずなのに…どこか泣き出しそうで。
泣き出しそうなのに…どこか嬉しそうに。
今日…調子悪いな…
気持ち悪い…
窓の外を眺めてみる。
今日はいい天気なのに。
「侑士、今日もいないな…」
気持ち悪さで本を読む気になれず瞳を閉じていたが窓の外にある木を見つめた。
でも、私が今会いたい人物はいなくて。
私が侑士に会ったのは初めて会話をしたあの日が最初で最後。
つまり、1度きりしか会ったことがなかった。
それどころか窓の外を見ても侑士の姿を見られなくなってしまった。
1週間前の楽しかった時間は夢だったんじゃないかと思うこともある。
でも、私は夢だって思いたくなかった。
私嫌われちゃったのかな…
悪い事ばかりが頭を過ってしまう。
窓の外を侑士の姿を探しては眺めているときにドアをノックする音が聞こえ、それでも窓の外の侑士の姿を探して担当医が部屋へ入ってきた。
「愛音ちゃん、調子はどうかな?」
「ちょっとだけ、気持ち悪い、です。…でも、いつもと同じような感じなので大丈夫です」
「そっか。あまり我慢せずに気持ち悪かったら薬を飲むんだよ」
「はい。わかりました」
「今日はね、愛音ちゃんに相談があるんだ。…1週間後、手術をしてみないか?」
手術…
これまで何度も先生から提案されたことがあった。
でも、その度に私は断ってきた。
受けるつもり…ないです。
そう言って。
今回もその気持ちに変わりはない。
「受けるつもり…ないです」
「少しでも良くなる可能性があるんだ。…考えてくれないかな?」
いつもと同じ台詞、同じ声のトーンで先生に返すといつもと同じ困った笑顔で私に無理強いすることなく病室を去っていった。
怖い。
怖いんだもん。
入院した時に…聞いてしまった。
両親と先生が話していることを。
話していた内容は断片的にしか覚えていない。
「…そんな…愛音が…」
「手術をしなければ今後弱っていくだけです。…しかし、厳しいことを言いますが…手術もかなりのリスクを伴います」
「愛音はあとどれくらい…なんですか?」
「はっきりとは申し上げられませんが本人の体力次第ですね…あと1年…2年…」
今年の春は桜見れるのかな。来年は?再来年は?
手術を受けなければ…あと数年は生きられるかもしれない。
それなのに手術したことで全てが終わりかもしれないだなんて。
入院した時に聞いてしまった事を思い出してしまい、それを忘れるように頭を左右にぶんぶんと振る。
先生、両親、友達…最近心から笑えたのはいつだろう。
そう考えた時に思い出すのは侑士が林檎を美味しそうに食べていた時の事だった。
私は一切れ口にしただけだった普通の林檎。
あまりにも感動しながら食べてたから…
この林檎、いつものより美味しいかも?
そんな風に思った事と、侑士が林檎をパクパクと食べていた事を1人思い出し笑いした。
「侑士、また林檎、一緒に食べよ?」
呟いた台詞に…返事はなかった。
それから私は体調を崩し始めた。
今日のお天気は晴れ。その次の日も晴れ。その次の日は曇り。その次は…
天気が良くても散歩に外に出ることも出来ず、薬の量も増えた。
今日は雨。
最近体調が悪いから1日中ベットの上で過ごす。
その中でも今日はすこぶる意識がふわふわと朧気だった。
あぁ、私…もうすぐ…。
そんな事を考えて……考えて…考えて…
眠いな…なんだかすごく。
すごく…眠……い…
誰が鳴らしてくれたのかはわからないけどナースコールの音が、聞こえた気がした。
誰…?
そして私は…意識を手放した。
「……愛音…」
…だれ?誰かに呼ばれてる…
私…落ちてる…
うっすら瞳を開けると高いところから落ちている感覚。
でも不思議とどこまで落ちても地面にぶつからない。
景色は…白。
空も見渡す限り一面ただの白。
落ちて 落ちて 落ちて
どこかなんてどうでもよかった。
一体どこまで落ちるんだろ…
「愛音っ!!!」
落ちている最中に手首を掴まれて急にふわりと浮遊感に襲われる。
驚いて瞳を見開いた先には…侑士がいた。
純白な大きな翼を羽ばたかせ、私を抱きしめてくれる…
浮かんだ体はゆっくりと下降して落ちるという感覚はもうない。
私も侑士に腕を回す。
心地よかった。
あったかくて。
「侑士…また、会えたね……」
「林檎、一緒に食べるんやろ?うさぎさんのやつ…食べたいわ」
「うん…」
お互いに笑っているはずなのに…どこか泣き出しそうで。
泣き出しそうなのに…どこか嬉しそうに。