ワードパレット
うとうとと微睡む。半身を脱いだまま寝入った久保田は、隣りに寝てるはずの玲子を抱き寄せようとして、もぞりと手元を動かし、微かに暖かいシーツを掴む。そのまま、再び寝入りそうになって。
キッチンから甘い匂いがただようことに気づく。物音をたてないのは玲子だ。反対に、バタバタと慌ただしく時任が動く音。皿やフォークを並べなおす。それから一枚一枚、丁寧に盛られてくパンケーキ。
「あ、久保ちゃん。やーっと起きたのかよ」
「ま、ね。……そろそろ起きないとお前に怒られるじゃない?」
「当たり前だろ! 不健康すぎんだよ」
部屋から羽織ってきたシャツのボタンを留める指先も怪しい。くあ、と欠伸まじりに久保田は背後から席につく。それを合図に隣りの時任がメープルシロップをかけはじめる。その量の多さに、意外と食べるのだと思った。
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